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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第参章 悪魔の目論見
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第93話 問題解決

今回で異変解決です。

いや〜、原作ストーリー書くの難しいな〜。

 〈博麗霊夢〉



 私たちはやっとの思いで守矢神社へと辿り着いた。そこには、私に喧嘩を売ってきた早苗が待ち構えていた。


「待っていましたよ、霊夢さん。どうやら、話し合いでは解決しなさそうですね」


「この世界のルールで相手してやるわよ」


 私はお札を構える。早苗はスペルカードを取り出して構える。魔理沙と幻真は神社の社へ上がる階段に腰を掛けた。


「私から行きますよ。秘術『グレイソーマタージ』」


 早苗を中心に星が出現し、まわりに拡散させてくる。受けて立つわよ。


「霊符『夢想封印』」


 ホーミングする光の玉が、早苗に叩きつけるように集まる。互いの弾幕を避け、弾幕を放つ。隙が空いたところをもう一度、スペルカードを唱える。


「霊符——」


「奇跡『客席の明るすぎる夜』」


「ちょっと!」


 早苗が丸弾を撃ってくるのに加え、早苗の左右に現れた球体から青いレーザーが放たれる。私は咄嗟に別のスペルカードを唱える。


「夢符『二重結界』!」


 二重になっている結界を展開し、レーザーを防ぐ。その後、全方位に赤色のお札弾ワイヤーと早苗狙いの白色のお札弾ワイヤーを放つ。早苗は防がれると思わなかったのか、白色のお札弾ワイヤーが直撃した。そして、爆発が起こる。


「やったか⁉︎」


「いいや、まだだ」


 幻真と魔理沙が会話しているのが耳に入る。彼の言う通り、まだ早苗を倒せていない。爆煙が止み、早苗の姿が目に移る。彼女は冷汗を掻いていた。


「まだ終わりじゃないですよ、霊夢さん。準備『神風を喚ぶ星の儀式』」


 彼女を中心に星が展開し、それを飛ばしてくる。 赤星は均等に広がり、青星は辺がつながって飛んでくる。なかなか厄介。それに、"準備"とは一体……


「霊夢〜、次のスペルカードに気を付けろ〜」


 幻真の注意を促す声が聞こえてくる。次のスペルカードって……?


「奇跡『神の風』」


 早苗を中心に米弾が展開され、周りが満たされる。その直後、全方位に飛ばしてきた。


 また、弾幕と弾幕の間を抜けるのを阻むように中弾を発射してくる。準備ってこう言う事だったのね……!


「夢境『二重大結界』」


 二重結界よりも高難易度な結界を展開する。結界の範囲がより外側になっていて、赤お札弾ワイヤーも長くなっている。赤お札弾ワイヤーが米粒弾を貫通して、早苗に直撃した。






 二度目の爆煙が止み、倒れた早苗が何か言っていた。


「神奈子様……申し訳ありません……」


 どうやら、その神奈子ってヤツが元凶という訳ね。


「そうだよ。私こそ、この守矢神社で祀われている祭神の一柱」


 一人の女が幻真と魔理沙が座っていた階段の真ん中を通って降りてくる。




 彼女の髪は紫がかった青髪に、サイドが左右に広がった非常にボリュームのあるセミロングである。


 冠のようにした注連縄を頭に付けており、右側には赤い楓と銀杏の葉の飾りが付いている。瞳は茶色に近い赤眼。そして、背中には複数の紙垂を取り付けた大きな注連縄を輪にしたものを装着していた。


 服装は全体的に赤いシルエット。上着は赤色の半袖で、袖口は金属の留め具で留めている。上着の下には、白色のゆったりした長袖の服を着ていた。


 小さな注連縄は首元、白い長袖上着の袖、腰回り、足首と、あちこちに巻かれている。


 臙脂色のロングスカートを履いていて、裾は赤色に分かれており、梅の花のような模様が描かれている。そして、裸足に草履を履いていた。


「私は八坂やさか神奈子かなこ。待ってたよ、博麗の巫女——博麗霊夢」


 奇妙に笑う神奈子。私はお祓い棒とお札弾を両手に持って構えた。


 私は彼女が動いたのを見切ってお札弾を放つ。だが、彼女は腕を組みながら悉く避け、余裕の笑みを見せる。


 私はその挑発に乗り、スペルカードを唱える。


「神技『八方鬼縛神』ッ!」


 高速度で完全パターンの赤お札弾と黄お札弾を飛ばして私が小弾で撃った後、ワンクッション置いて赤鱗弾に変化する弾幕を全方位にばら撒く。それに応じて、神奈子もスペルカードを唱えてくる。


「神祭『エクスパンデッド・オンバシラ』」


 神奈子は左右の端から中央に向けて楕円形のレーザーを落下させつつ、低速で進む私を狙う弾を発射してくる。弾幕はぶつかり合い、流れ弾を避けていく。危うくレーザーに当たりかけたところを、二重結界で防いだ。


「次は私からだよ。筒粥『神の粥』」


 神奈子はそう言い、赤と紫の楕円弾を波紋状に高速で飛ばし、それを低速の米粒弾に変えて拡散させてくる。面倒な弾幕ばかりね!


「境界『二重弾幕結界』!」


 二重結界より大きい、外側の結界、フレーム枠になる結界を展開。


 白と赤の鱗弾ワイヤーを撃ち、結界を通すのと、白丸弾を多少ばら撒く。いくつかの弾幕が神奈子に直撃。爆発が起こった。




 爆煙の中に人の姿が見える。神奈子だ。どんだけ頑丈なのよ……


「今のはちょっと痛かったね。となると、これはどうだい? 『マウンテン・オブ・フェイス』」


 神奈子は笑いながら、巨大な花状の輪に並んだお札を三重に展開させ、内側からお札を全方位に展開しては、輪を修復して発射し続ける。結界で防いでも反撃のタイミングが見計れない。ならあの技を……


「怖気ついたかい。これであんたを——」


「悪いけど、私は負けない。『夢想転生』」


 私は無敵状態になり、陰陽玉を展開。更には紫のお札弾ワイヤーを扇状に展開し、神奈子狙いの赤お札弾に変化させる。飛んでくる弾幕を受けても私には効かない。


「そんなの聞いてない……卑怯者!」


 その声と共に、爆発が起こる。勝てればいいのよ、勝てれば。


「霊夢、やったな!」


「あの技を出されちゃ、終わりだな」


 魔理沙は喜びながら、幻真は欠伸をしながら寄ってくる。私はドヤ顔で、当然よと言った。


「ま、まだ終わりじゃ……」


「早苗、いいよ」


 その声に私は驚いた。神奈子かと思ったが、彼女は地面にうつ伏せでいる。幻真と魔理沙も同様に驚いている。その声の主は直ぐにわかった。


 拝殿から一人の少女が出てきた。


 彼女の髪型は金髪のショートボブで、青と白を基調とした壺装束と呼ばれる女性の外出時の格好をしていた。


 足には白のニーソックスをはき、頭には市女笠に目玉が二つ付いた特殊な帽子を被っている。上の目玉二つは蛙をイメージした物に見える。また、服の各所には鳥獣戯画の蛙が描かれていた。


 因みに、市女笠は真ん中の高い巾子こじが特徴的な笠であり、これも女性の外出時の格好である。


「……あんたは?」


洩矢もりや諏訪子すわこ。そうだね、土着神って言えばわかるかな?」


 土着神? 彼女もまた祀られているのかしら? でも、信仰をしているのは一体……


「色々と疑問を抱いているみたいで悪いけど、覚悟してもらうよ」


「霊夢、俺が変わって——」


「私が変わってやろう!」


「え、ちょ……」


「……魔理沙、任せたわ」


 幻真をスルーして、魔理沙に弾幕ごっこを任せる。私は涙目の幻真と共に、先ほどの階段に座った。








 〈霧雨魔理沙〉



 やっぱ弾幕ごっこは、見るよりやる方に限るよな!


「行くぜ! 恋符『マスタースパーク』!」


 私の持つミニ八卦炉から白い極太レーザーを放つ。腕を組みながらニッと笑う諏訪子の姿が見えたかと思うと、すんなりとマスタースパークを避けてしまった。


「な、なにぃ!」


「遅いよ。開宴『二拝二拍一拝』」


 彼女は私の背後に回り、色の違うレーザーを左右交互に発射した後、弾けるような音と共に二回、弾幕の粒を弾けさせて飛ばし、直後に同じ色のレーザーを左右同時に放つ。私のマスタースパークとは段違いだ……


「魔理沙、避けろ!」


 幻真の声に、私は我に返る。ここでやられる訳にはいかないんだぜ!


 弾幕の粒を箒に乗ってスラスラと躱し、レーザーもヒョイっと避けて、次のスペルカードを宣言する。


「恋符『ノンディレクショナルレーザー』!」


 三本のレーザーが私を中心に回転する。彼女は舌打ちをし、レーザーを避ける。だが、次第に回転スピードが速くなり、一本のレーザーが諏訪子に直撃。


「ぐっ……神具『洩矢の鉄の輪』」


 諏訪子は大型のリング状に並んだ赤い弾を無尽蔵に私へ発射してくる。いわゆる、私狙いの弾って訳だ。


 これはさっきより厄介だ。大型に加え、赤い弾を無尽蔵に発射して来やがる。どこか隙を狙って……


「ここだ! 魔空『アステロイドベルト』!」


 私は星弾を放ち、更に左右にも星弾を諏訪子に迫らせる。彼女の悔やんだ表情が見えると、星弾は直撃。爆発が起きた。


 爆煙は直ぐに止むと、諏訪子がその場に倒れていた。早苗が彼女を担ぎに行こうとしたが、早苗も倒れそうになった。そこで幻真が肩を貸し、彼女を支えた。






 神奈子と諏訪子を中へと運んだ私たちは、二人が起きるまで早苗に話を聞いた。


「なんで博麗神社に営業停止命令を出したんだ?」


「……神奈子様は山の妖怪たちから信仰を集め、代わりに大いなる神徳を与えていたんですが、そうすると妖怪の山に住む強大な勢力の妖怪、例えば天狗や河童などが強くなり過ぎてしまい、その結果平穏な幻想郷のパワーバランスを崩す恐れがあったんです」


 ふむふむ、それは問題になりかねないな。


「よって、幻想郷のバランスを取る為には山だけでなく、麓からも信仰を得る必要が不可欠となりました。麓の主な住人は人間と妖怪。そこで信仰を得るためには、博麗神社の存在が大きく……邪魔だったんです」


「邪魔って……」


 霊夢が怒りを見せたところを、幻真が止める。


「結局失敗しちゃいましたけど」


「……だったら、境内に分社ぐらいは設置させてあげるわ」


 霊夢の言葉に、早苗は耳を疑った。


「今、なんと?」


「だから、分社ぐらいは設置させてあげるって」


 その言葉を改めて聞いた早苗は、大いに喜んだ。だが、霊夢は彼女の喜びを遮る。


「その代わり、ここで宴会をさせてもらうわよ」


「わ、わかりました。それぐらいのことでしたら……」


 こうして無事、異変……いや、問題は解決できたのであった。

次回は個人コラボを踏まえての宴会とさせていただきます。コラボ相手は、お楽しみということで。

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