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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第参章 悪魔の目論見
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第90話 厄神様と山神様

今回もまたとある先生に送って頂いたキャラクター登場です。

 〈博麗霊夢〉



「これで決めるわ! 神霊『夢想封印・瞬』!」


「しまっ——」


 弾幕が穣子に直撃し、爆発が起こる。


 暫くして爆煙が止むと、姉である静葉が穣子を担いで森の中へと消えていった。


「ふい〜、終わった終わった。凄かったなー、幻——」


 魔理沙が幻真の名前を呼ぼうと隣を見るが、そこに彼の姿は無かった。弾幕ごっこ中もチラチラと三人の姿は見えてたけど、いつの間に消えたのかしら……?


「霊夢、幻真を探しに——」


「それには及ばないわ」


「なっ……どうしてだよ⁉︎」


 幻真を探さない判断に、戸惑う魔理沙。私は彼女に問いかける。


「あんたは彼の力量を知らないの?」


「し、知ってるけどよぉ……心配だぜ……」


 今は探してる暇はない。早く守矢に行って、ガツンと言ってやるんだから。


「……わかった。私は幻真を信じる。さっ、早く行こうぜ」


 魔理沙は帽子をグイッと下げて、山を登っていく。私は溜息を吐きつつも、彼女の後を追った。






 暫くすると、またもや一人の少女が目の前に現れる。でも、彼女から大量の厄が感じられる。何者かしら……


 彼女の髪はエメラルドグリーンとも言える緑色で、後ろからサイドにかけてすべてを胸元で一本に纏めていた。頭部にはフリル付きの暗い赤色のリボンを結んだヘッドドレスを着けており、リボンには何やら文字が書かれている。


 服はワンピース状で、襟は白、それ以外は赤を基調としている。袖はパフスリーブの半袖、襟は三角形で腹部にまで垂れていた。スカート部分は真ん中よりやや下あたりで色がわかれており、上部分はほぼ黒に近い赤、下部分は純色の赤であり、この部分は繋がっていた。また、裾には白いフリルが付いていた。


 スカートの左側には"厄"の字を崩したような、エメラルドグリーン色の渦巻きのマークがクロスした赤紐で留められている。アップリケかしら? 足には、赤紐をクロスして留めた黒いブーツを履いている。左腕には、頭に付けているのと同じフリル付きの赤いリボンを巻いて片端を手首で垂らしているた。


「私は人間の味方。だから、早く立ち去りなさい」


「悪いけど、妖怪は私の敵、あんたは妖怪」


 私はお祓い棒を持ち、構える。しかし、魔理沙が腕を伸ばしてそれを遮る。


「次は私に任せてくれ。霊夢は先に」


「……わかったわ。上で会いましょう」


 立ち塞がった彼女の隣を勢いよく走って通り、その場を突き抜ける。しかし、彼女は止める気配を見せなかった。








 〈霧雨魔理沙〉



 さて、やっと弾幕ごっこができるぜ。それにしても、アイツから感じる厄の気は一体なんだろうな。もしかして、溜め込んだり吸い取ったりしてんのか?


「貴方だけでも立ち去って」


「悪いけど、それは無理だぜ。恋符『マスタースパーク』!」


 ミニ八卦炉から白い極太レーザーを放つ。対する相手は回転しながら避け、スペルカードを唱える。


「厄符『厄神様のバイオリズム』」


 相手は光源を発生させ、自身の周囲を一回転させてから空に飛ばし、その軌道上に米粒弾を配置して左右に拡散させていく。クソッ、中々避けにくいぜ……


 なんとか避けきった私は、次のスペルカードを宣言する。


「恋符『ノンディレクショナルレーザー』!」


 三本のレーザーが私を中心に回転する。これもまた相手は回転しながら避け、攻撃が止んだ後にスペルカードを宣言した。


「疵符『ブロークンアミュレット』」


 彼女の周囲には、発射した光源から弾けるように米粒弾をまき散らし、前方に拡散させていく。またこれかよ。避けるのに一苦労だぜ……


 弾幕が止んだと同時に、次の技に移る。


「魔空『アステロイドベルト』!」


 私は星弾を放ち、更に左右からも星弾を撃っていく。又もや相手はクルクルと周りながら弾幕を避けていく。


「よく酔わないな」


「いえ……実は酔ってきてるのよ……」


 あ、やっぱり……私は偶々持っていたビニール袋を渡し、彼女は存分に吐く。これも厄の所為なのか?


「助かったわ。私は鍵山かぎやまひな。言っておくけど、私は間違ったことを言ってないわ」


「大丈夫、心配しなくても私は強いからな!」


 私はそう言って、手を振りながら彼女と別れた。ある程度進んでから振り向くと、彼女の姿はとっくに無かった。取り敢えず、霊夢を追うか。








 〈幻真〉



「——い……おい!」


「はっ……」


 俺は気が付くと、牢屋の中に入れられていた。目の前にいる人物は天狗の類だろうか。


「起きたか。飯だ、食え」


 天狗たちは人間と同じような物を食べているんだな。まあ、変ではないか。


「……おい」


「なんだ? 俺の食い方に文句でも?」


「いや、我はそこまで礼儀に厳しくはない。何か思わないのか。こうやって牢屋に入れられているんだぞ」


「んー、まあいいんじゃね? どうせ俺する事ないんだしさ。何されるかによっては逃げるけど」


 俺がそう言うと、天狗はニヤリと笑う。最初は不審に思ったが、よくよく見ると、武器や所有物が無くなっている。更に驚いた事がある。そう、一番驚いたのは——




 ——能力が使えなかったことだ。


「ふははは! 残念だったな、龍使い!」


「なぜそれを知って……!」


「簡単な事だ。能力を封印させたと同時に、能力の詳細も採取した。貴様はもう普通の人間同様!」


 クソッタレが。まさかこんな事になるとは、思いもよらなかった。俺はどうしたらいいんだよ。スペルカードもない。武器もなければ剣技も使えない。超技術と言っても、抜け出せるようなモノは考えられない。パワーアップも禁止されていた。もしかしなくても、コイツらは裏組織の連中なのか……?


「絶望したその顔、微笑ましい!」


 ウッサイ野郎だ。今にでも殴り殺してやりたい。だが、今はそんな事はどうだっていい。それよりも、脱出だ。霊夢たちが助けてくれるのを待つか、それとも試行錯誤をするか……


 すると、突然大きな爆発音が響き渡った。基地内は大騒ぎ。牢屋だからと言って、地下にある訳でもなさそうだ。


「どうした!」


「急に爆発が起こったかと思うと、次々と仲間が落ち葉に包まれて笑顔で死に至っていたんです!」


 な、なんだよそれ……笑顔で死に至るなんて……


「君、僕から逃げられると思ったら大間違いだよ」


「お、お助けを……」


 次の瞬間、突如現れた人物によって天狗は意識を失った。俺は目を疑うような光景を目撃した。


 その人物の姿は、黒地に木の葉模様の着物を身に纏っており、頭には銀杏の髪飾りを付けている。見た目からして女の子っぽいが、男の子だろうか。だが、彼からは神の気を感じる。


「おのれ、貴様ぁぁぁ!」


 俺を散々侮辱していた天狗が、その人物に刀で斬りかかる。だが、人差し指を天狗に向けたと同時に天狗は気を失い、間も無く死んだ。


「おや? 君は囚われているのかな?」


「あ、ああ。色々あってな。お前こそ、一体何を?」


「暇潰しだよ。正義とかどうだっていい主義でね」


 そう言いながら、鉄柵に人差し指を向けた瞬間、鉄柵は消えた。そして、さっきとは反対の人差し指で俺を指すと、能力などが戻った気がした。更には、武器なども返してもらえた。


「あ、ありがとう」


「礼には及ばないよ。さて、ここの連中共とお遊びして来ようかな〜。君も来る?」


「え……いいのか?」


「もちろんだよ。一人だと結構退屈でさ〜」


 そう言いながら、彼は通路を進んでいく。俺は慌てて彼を追いかけ、隣に並んだところで名前を聞いた。


「名前? ああ、ボクは山神やまがみ桃花とうか


「山神……?」


「そう、山神」


「……もう一個いいか? あの天狗たちはどうやって倒したんだ? 指を向けただけで笑顔で死んでいったみたいだが」


 ふふっ、と桃花が笑ったように見えた。俺は警戒しながらも答えを待つが、彼は何もすることなく説明した。


「異界に連れ去った。まあ、本来なら孤独に心を奪われそうな幼子を連れ去るんだけど。あ、一緒に遊んでね。あの天狗たちは冥界に送った」


 め、冥界かぁ……冥界の前に映姫のところに行きそうだけどな。小町も大変そうだ。


「き、貴様! どうやって牢屋から出た!」


「悪いが、教えられないな」


 俺は短刀で天狗の首を切り落とした。桃花は感心の声を出した。


「早くここの頭目を落としに行こうぜ」


「ボクは暇潰しだけどね」

はい、山神 桃花です。

見た目は幼子、名前からして女の子ぽかったんですが、敢えて男の子……いや、男の娘でしょうか。

桃花「暇潰しだよ」

口癖かな?

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