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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第弐章 異世界の者たち
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第85話 鬼教官と変態の教え

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

さて、年始早々更新となります。結局去年の内に終わらせられなかった…

コラボ18話目です。

 強化プログラム二日目。幻真は朝早くから迷いの竹林で、磔から"ある技"を教わっていた。だが、彼は決して甘々な優しい教え方ではなく、鬼となって幻真を死ぬ程まで追い込んでいた。


 その技はアクセルモード4を取得していないとできないため、昨夜の内に幻真は自主トレをしていた。そして彼は今、アクセルモード4の状態で磔との真剣勝負をしていた。それも、死ぬ気で。


「どうした。愛する者を護りたくないのか」


 彼は幻真の心をジリジリと痛めつけていた。心身共に。彼は決して緩い表情を見せず、真剣な様子で磔の鍛錬に挑んでいた。その鍛錬の様子を見ていた霊斗は、今の内に心と身体を鍛えておいた方が良いだろうと考えていた。


 そして、幻真は動いた。


「俺は……妖夢を護りたい……決して口先だけじゃない。心が彼女を護りたいと言う気持ちで溢れている。もう……妖夢と離れたくないんだあぁぁ!」


 幻真の額に微かに赤と金の炎が灯った。それを見た磔はニヤッと笑い、仕上げに取り掛かるため幻真へと斬りかかった。








 一方、絢斗は博麗神社の外で火御利に鬼道を教えていた。なぜ火御利に教えているのか。それにはちょっとしたワケがあり、ただ教えるのに相応しかったからとの事。火御利本人も絢斗から教わるとは意外で、教えてもらえるなら是非教わろうと自分からもお願いしていた。


 火御利は絢斗に渡された一覧表のような物を見ながら、どの技を習得しようか悩んでいた。破道や縛道など数種類あり、破道などの場合一から百まであり、数字が大きくなるほど強くなっていく。それなら数字の大きい技を習得すればいいと思うかもしれないが、火御利は使えそうな技、便利な技を選ぶことにした。


 その様子を見ていた良太は、自分も何か教えるべきかと悩んだが、磔や絢斗に任せることにした。


「火御利、頑張ってる?」


 声の主はパルスィ。火御利たちの為にアルマと差し入れを買いに行っていた。絢斗はパルスィに飛びつこうとしたが蹴り弾かれ、何事も無かったかのように籠から飲み物を渡す。


「貴方も貰いなさい」


「あ、ありがとうございます!」


 良太は嬉しそうに飲み物を受け取った。


 アルマは火御利に修行の進捗状況を問う。中々良い感じで、絢斗には感謝していると、彼女は返事した。それを聞いていた絢斗は火御利に飛びつこうとしたが、破道『飛竜撃賊震天雷砲ひりゅうげきぞくしんてんらいほう』を使用し、掌から大きな光線を放った。アルマとパルスィは見事だと拍手をした。


「酷いな〜全く」


 その声の主は、ケロっとした絢斗だった。縛道『円閘扇えんこうせん』で円形の盾を繰り出し火御利の技を防いでいた。そして縛道『さい』で火御利の手足を縛った。


「お仕置きが必要かな?」


「絢斗さん、あまりやり過ぎたら……」


「大丈夫大丈夫〜。はい、チーズ。ヒヒヒッ、これは主様に見せないとなぁ〜」


 絢斗はニヤニヤしながら、カメラを仕舞う。そして、縛っていたものが無くなって火御利は自由となる。彼女は怒りと恥ずかしさからもう一度彼に攻撃しようとしたが、二の舞になるだろうとやめておいた。


 そして、二人は鍛錬を再開した。








 次元の狭間では、終作が空間の裂け目について調べていた。活躍は暇そうにゴロゴロしている。


 その中には耶麻人もいた。自身の究極能力で何か役立てないかと、空間のヒビを映したモニターを見ていた。


「特に何も見当たらない……か」


 終作は細かく空間内を調べる。どこからも繋がらない、そこからしかその空間に入れない。これは能力によるものなのか、それともそのように出来ているのか。


「なんか、終作らしくないな」


「そうか? 俺でもちゃんとやる時はやるぞ?」


 活躍は苦笑いしながら終作と話す。耶麻人はあまり終作を知らないためか、ソワソワしながら話を聞いている。すると、何か反応が起こった。


「どうした?」


「何か反応しているな……もうちょい奥を覗いてみよう」


 活躍も加わってモニターに注目する。すると、画面が暗転して赤い眼差しが光ったかと思うと、まるでコンピューターがバグを起こしたかのようにしてモニターがシャウトダウンした。すると、呆気に取られている終作の肩を誰かが叩いた。


「な、なんだニックか。今までどこに行っていたんだ? 今大変な事になって……」


「ええ、わかってます。でも大丈夫です。ただ壊されただけなので、害は無いはずです」


「そういやニックさん、桜さんとの修行は……」


「私は大丈夫との事で、今はブラブラしてます。明日の霊斗さんの修行まで待機です」


 ニックはそう言うなり、点かなくなったモニターを覗き込む。すると、何やら文章が浮かんできた。


『この世界は私のモノとなる。歯向かうなら容赦はしない』


 その文章を見た活躍は、空間の裂け目の先にいる者からのメッセージだろうと推測した。文章から読み取れたのは、明らかに何かを企むモノだった。


「終作!」


「ちょちょ、勝手に入って来られたら困るんですけど」


 鍛錬を中断した桜が慌てた様子で終作たちのいる次元の狭間に乗り込んでくる。乗り込んでくるなり、モニターの文章を見つめて考え込む。


「そういえば、桜さんはどんな修行をされているんですか?」


「え……ああ、昨日渡した武器を使い熟すのと、色々な術をその人にあったのを教えているわ。さっきまでは狼に教えていたけど、一旦休憩を取らせてここに乗り込んできたわ」


 終作は桜が入ってきた空間の裂け目を消し、溜息を吐くなりモニターの周りに集まる者たちを掻き分け、モニターに手を翳して文字を消してしまった。


「ここは俺のプライバシー空間だからな⁉︎」


「えっと……ゴメンなさい。いくら貴方でも申し訳ないと思ってるわ。それじゃあ、私は鍛錬の続きをしてくるわね」


 桜はそう言って、次元の狭間から出て行く。ニックも一礼して、その場から消えた。


「全く……最近俺の扱い酷くないか?」


「いつもの事だ。認めろ」


「うぐっ……」








 幻真は今、ソウルモードを習得し、それの更なる上の段階のソウルドライブモードを習得しようとしていた。初めのうちは五分しか続かず、地道に効果時間を伸ばしていた。


 磔は、自身がソウルドライブモードを習得した時の記憶を思い出す。すると、先程まで陰に身を潜ませていた霊斗が現れ、磔の隣に立つ。


「どうだ、調子は」


「見てたからわかるだろ?」


「まあな。磔の個人的な進捗状況を聞きたいと思っただけさ。んで、大丈夫そうか?」


「イマイチかな。絢斗の方も上手くいっているといいが……まあ大丈夫だろう。桜の方も信頼できるし。霊斗、明日は大丈夫だよな?」


「どうしたんだ急に」


 磔は何やら顔を俯かせ霊斗に問う。彼は首を傾げるが、急に笑い出して問いに答えた。


「大丈夫さ。アイツらなら、なんとかやってくれる。そう信じてるさ」


「……ああ」






 時が流れるのは実に早い。もう夕方になり、皆は博麗神社に集まった。終作、活躍、耶麻人、ニックの四人を除いて。


 桜は霊斗と合流した際に、終作たちとの出来事を簡潔に話した。霊斗は腕を組んで考える。と言っても、直ぐに思考は終わり、息を整えて幻真たちに近寄る。


「霊斗、どうした?」


「明日は俺が直々に教えるのだが……幻真。お前は覚悟が出来ているんだよな?」


「お、おう……もちろんだ。んで、何を教えてくれるんだ?」


「その時に言うさ。皆、明日の朝食を食べた後に開始する。それと……幻真は早朝から俺が話していた技を教えてやる。ちゃんと起きて来ないと教えないからな」


 幻真は深く頷き、背中を見せて社に入って行く霊斗を見届ける。すると、突然後ろから誰かに叩かれ、こけそうになる。その正体は妖夢だった。


「な、なんだ妖夢か。びっくりじゃないか」


「す、すいません! あの……なんと言いますか……」


 妖夢の顔が幻真の顔に近付く。そして妖夢の唇が幻真の帆に触れ、彼は顔を真っ赤にした。


「が、頑張って下さいね!」


「……おうよ!」


 幻真は威勢良く、彼女にグーサインをした。

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