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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第弐章 異世界の者たち
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第78話 予選リーグ 第五回戦

またもや日が空いてしまい、申し訳ありません。

今回は五戦目。そして計算ミスする自分。準々決勝がありました。なので、恐らくコラボ17話目ぐらいまで試合です。

それでは、コラボ11話目です。

 間も無く第五試合目が始まろうとしていた。霊斗は自分の控え室で深呼吸をしていた。すると、そこに誰かが扉を叩く音がする。霊斗は入っていいと扉の先の者に聞こえる声で言うと、国下が入って来た。


「もう始まるそうだが」


「わかった。行こう」


 霊斗は心を決めて、国下と共に部屋から出る。その扉の先には喜響が立っていた。


「どうも」


「どうした? またお前のバカ兄貴がやらかしたか?」


「いえ、そうではなくて。どうか、兄の事を頼むよ」


「おう」


 国下が威勢良く返事をし、グーサインをする。その様子に喜響は安心したのか、笑顔を作った。






「——さて、予選リーグも残るところ二試合。山上国下&博麗霊斗チーム対、星弥和正。試合開始」


 霊斗と国下の瞳に映るのは、一人の男——和正。無念にも、一度敗れた相手である。今、その時は訪れる。二人による復讐(・・)が。


 霊斗は霊神剣を持構える。国下は剣などの武器を持たないため、拳を構えた。


 対する和正も拳を構え、戦闘態勢へと移る。




 先に動いたのは霊斗だ。和正との距離を一気に詰めて目の前に立ち、剣を振る。和正は拳で相討ちする。その衝撃で爆発が起こる。


 爆風の中で何かが何度もぶつかり合って起こった衝撃波が聞こえてくる。その正体は、和正と国下。霊斗は離れて様子を伺っていた。


「迫力のある戦いだな」


 妖夢の隣で想起が呟く。妖夢は驚きを隠せずにいた。それは時龍と絢斗、火御利にパルスィもだ。


「そんな驚くことではないと思うが……」


 想起は躊躇う。彼の後ろには、狼とサテラ、緋闇が座っていた。いつの間にか時龍たちの近くに来て、座っていたのだろう。絢斗はそう認識した。


「俺たちもいるぞ」


 時龍の後ろから聞こえて来たのは、幻真の声。彼の隣には、磔が座っていた。それに、彼の膝の上には春姫が座っていた。更に、幻真の逆サイドにはホロウ姉妹がお行儀良く座っていた。ちゃんとしても何もでないぞ、と絢斗は思う。


「ハイド、今度はどっちに賭ける?」


「そうだな〜。僕はやっぱり霊斗さんと国下さんかな。流石に数がね」


 時龍たちが座っていた席の反対側では、龍人三人がどっちが勝つか賭けていた。


「カスミさんは?」


「そうですね、私も霊斗さんたちだと思います」


 因みに、賭けていたのは酒だ。しかし、さっきから賭けに成功しているのはカスミのみ。被って成功したとしても、ジャンケンで二人は負けてしまうのだ。


「ジャンケンに持っていくか……」


 ジラは誰にも聞こえない程の声で呟いたのだった。そして、試合に戻る。


「一撃『鬼殺し』」


 攻撃を仕掛けたのは国下だった。妖力を乗せた正拳突きで威力がおかしいマスタースパークを和正に向かって飛ばす。


「『次元魔』」


 対する和正は拳で次元を殴り、そこから如何にも邪悪なるレーザーを放った。


 両者のレーザーがぶつかり合い、勝したのは国下のマスタースパークだった。和正のレーザーを押し切り、それごと和正に返したのだ。レーザーは和正に直撃し、爆発が起こる。


 またもや、爆煙の中での熱闘が繰り広げられる。今度は霊斗かと思いきや、国下が拳での攻撃を行っていた。和正もあの威力のレーザーを喰らっておきながら、ケロッとしている。


 だが、和正の相手二人は驚きすらしない。まるで、わかっているかのように——否、わかっているからこそ、その様な反応が出来るのだ。


「やるな……『魔道(イビルロード)』ッ」


 和正は二人を睨みつけてそう言うと、掌を地面に付けて地割れを起こす。だが、その地割れはただの地割れなんかではない。その隙間から紫のオーラが出ているのだ。落ちたらひとたまりも無いだろう。


「なるほど。止めてやる」


 霊斗はそう言って、地割れを避けつつ和正へと近付いていき霊神剣を振り下ろす。それに気付いた和正は直ぐに避け、地を素早く蹴って霊斗に殴りかかる。


「遠拳『飛空拳』」


 霊斗と和正の間に国下が入り込み、弾速の早い拳の乱打を繰り出す。流石に和正も予知できなかったのか、全て身で受けてしまう。


 受け切った後、和正の体に傷は見られなかった。恐らく、能力によるものだろう。それさえも、二人は分かっていた。


「『非道魔』」


 今度は和正が攻撃を仕掛ける。ブラックホールを両手に出現させたかと思うと、それを一気に二人の前に飛ばし吸い込み始める。


「今回は本気でいかせてもらうからな」


 霊斗がそう言ったかと思うと、ブラックホールが分解していく。それを見た和正は舌打ちする。だが、悔やんでいる暇は無く、和正の目の前には拳を構えた国下が居た。


「終わりだ。鬼神『天之極撃』」


「な、なあぁぁぁあ!」


 国下は右腕に妖力を全集中させ、一発に込めた究極の拳を和正の腹部に撃った。


「これは回復術式が使えない。いくら不死身の能力を持っていたとしても、回復がしないようじゃ意味がない」


 国下は最後にそう言うと、ドサッと言う音と共に和正が倒れた。


「勝者、山上国下&博麗霊斗ペア!」






「くそッ……クソッタレが……!」


 控え室のベットで嘆く和正の声が響き渡る。彼の相手をしていたニックは、思わず溜息を吐く。それもそうだろう。この人を慰めても、逆ギレされるだけだ。


 すると、そこに義弟である喜響が無断で控え室へと入ってくる。和正は彼の姿を見ると、直ぐに俯いてしまう。


「お疲れ様。ニック、悪いんだけど……」


「了解しましたよ」


 ニックは彼の言葉の意味を悟って、部屋を出て行った。喜響は少し照れ顔を見せたが、直ぐに真剣な表情に戻って和正と対面する。


「なんの用だよ……俺が負けたのを馬鹿にしにきたか?」


「別に。確かに二対一は無理がある。それに、僕もボロボロになったけどアルマのお陰で勝てた。十分に頑張ったと思うよ——兄さん」


 彼は顔を赤めながら、部屋を出て行った。和正は兄さんと言われ、呆然としていた。それもそうだ。初めて言われたのだから。その後、霊斗たちが部屋に入ってきても気付かなかったそうだ。






 売店にて、食べ物を買う終作。次はいよいよ試合だと言うのに、マイペースなものである。すると、そこにニックが突然現れる。


「ビックリするじゃないか〜。まっ、嘘だけど」


「知ってますよ。全く、マイペースですね。次は試合ですよ」


「お、もうか〜。もうちょっとゆっくりしたかったけど、仕方ない。行こうか」


 彼らは試合場へと向かうのであった。

次回は第六回戦目。

果たして、予選リーグ最後の戦いは如何に…

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