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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第弐章 異世界の者たち
78/155

第74話 予選リーグ 第一回戦

コラボ7話目。

今回からタッグバトル開始。

「さあ始まりました、タッグバトル。司会はアデル・フェルス・フリンが務めるわ。解説役に霊妙を回すわね。組み合わせは予め、クジを引いてもらったわ」


 今回の闘技場は、試合会場が突き抜けの構造となっている。観客に被害が及ばないようにするため、不思議なバリアによって試合場は護られる。


 因みに、組み合わせは以下の通り。



○予選リーグ

・第一回戦  水橋パルスィ&火御利

           対

        時龍&相沢絢斗


・第二回戦   サテラ・アルレスト&狼

            対

       ホロウ・ザ・ウィスプ&想起


・第三回戦    幻真&白谷磔

           対

       霧明緋闇&啓瀬耶麻人


・第四回戦  春夏秋冬活躍&泊谷良太

             対

        桐月アルマ&星弥喜響


・第五回戦  山上国下&博麗霊斗

           対

          星弥和正


・第六回戦  ニック・ヘルスリート&終始終作

             対

       ホロウ・ザ・ランタン&綿月春姫



「中々の組み合わ——」


「んだコレ⁉︎」


「うるせえよ!」


 幻真の台詞を遮って叫んだ和正。それも当然。彼にはペアがおらず、一人なのだから。他の者たちは異論はなかったが、終作は頭を悩ませていた。



 ——ニックとは誰だ?



 恐らく、彼以外にも思っている者がいるであろう。見渡すところ、その様な人物の姿は見当たらない。


「終作、どうした?」


「あ、霊斗か。いや、ニックとやらが見当たらないからな。それに、聞いたことのない名前だし」


「確かにな。一体誰だ?」


 霊斗も頭を悩ませる。


「それでは皆さん、控え室へどうぞ。それじゃあ、準備が整い次第、一回戦目開始よ」






「私たちは一回戦目からなのね。パルスィ、変態たちを懲らしめてやりましょ」


「勿論よ。あいつらはH.S同盟に属す者。終作と同罪よ」


 火御利とパルスィは、一回戦目の相手である絢斗と時龍を睨みつける。時龍は二人にビビっていた。


「絢斗、あの二人怖いな」


「怖気付いちゃダメだぞ……と言いたいところだが、今回は真面目にいかせてもらうよ〜」


「え? 本当に言っているのか?」


 時龍は絢斗に問い返す。だが、絢斗は肯定するように頷いた。


「時龍、そろそろ俺たちもしっかりしないとブーイングが来るし、磔にボコられるしな〜。お前も幻真にボコられてもしらないからな〜」


「それはヤダな。よし、俺も真面目にいく」


 意外な選択を選んだ、変態ペアであった。






 ルールとしては、相手を全滅させれば勝ち。倒す方法については、十秒間気絶すれば脱落。回復などの能力は可能。勝者六ペアは準々決勝に勝ち上がる。


「なるほどね。取り敢えず相手を倒せばいいんでしょ? 火御利、やるわよ」


「ええ!」


 試合場に二組が入場する。水橋パルスィと火御利ペア。そして、時龍と相沢絢斗ペア。


「試合開始!」


 審判を務めるのはハイド。歓声と共に試合の幕が上がった。


「俺から行くよ〜。破符『蒼火墜連』」


 絢斗は蒼色の弾幕を掌から大量に放つ。因みに、この弾幕の表面温度は百度だ。触れてしまっては、唯では済まないだろう。


「霊符『大鮮弾』」


 火御利は絢斗の撃ってくる弾幕に対し、色鮮やかな弾幕を放って相殺する。だが、弾幕を防ぎきった直後、間を作ることなく時龍が追撃を行う。


「龍派『波動剣』」


 剣を薙ぎ払うことによって放たれた斬撃が、火御利に飛んでくる。そこにパルスィが弾幕を撃ち、波動を相殺した。


「あれま。中々やるね〜」


「絢斗、次はあれで行くぞ」


「了解〜。斬符『刺突』」


「奥義『観音刀』」


 絢斗が二人に向けて突きを放つ。更に彼が通った道に配置されていた弾幕と共に、時龍が生成した無数の刀が襲いかかる。


 火御利は素早くナイフを取って投げる。そして、彼女は叫んだ。


「『無数の小刀(ステッカーナイフ)』ッ!」


 投げられた一本のナイフが無数に増え、飛んでくる弾幕と刀を防ぐ。そして、絢斗の突きはパルスィが受け止めた。


「え……?」


「ああもう! 嫉妬『緑色の目をした見えない怪物』!」


 パルスィは透明の怪物を出す。だが、時龍はそれには慣れていた。寧ろ、逆に有利である。


「時龍?」


「絢斗、俺に任せろ。直感術」


 時龍は静かに目を閉じる。そして、目を大きく見開いた後に創龍剣を手元に出現させ、一瞬で透明の怪物がいるであろうところを通って斬り裂く。


「嘘でしょ……」


「パルスィ、気を抜かないで! 唱符『精霊の誓い』!」


 フィールド内に光が立ち込む。観客席の方では騒ぎ声が聞こえていた。すると、光が消えたと思いきや時龍と絢斗の腹が刃物の様なモノで串刺しにされていた。


「んな……カハッ」


 吐血する時龍。絢斗はニヤリと笑い、腹を刺しているナイフを抜く。そして、火御利に向かって投げ返す。


「しまっ——」


 ナイフは直撃。火御利は真っ逆さまに地面へと落ちていき、カウントが始まる。


「火御利!」


「——エイトッ! ナインッ! テンッ! 火御利選手、脱落となりました!」


 カウントが終わり、火御利は脱落してしまう。パルスィは不利な状況に置かれる。絢斗は笑いながら様子を伺う。時龍は腹に刺さったナイフを引き抜く。だが、そこから大量出血してしまう。


「うわああ!」


「おい、馬鹿か!」


 時龍はひょろひょろと地面へと落ちていく。だが、倒れずに片膝を付けている。


「このっ……嫉妬『緑色の目をした見えない怪物』」


 パルスィは先程も出した透明の怪物を召喚する。だが、怪物はパルスィの姿へと変わっていき、そして、その怪物は不吉な笑みを浮かべていた。


「あなたはあっちよ」


「了解〜」


 パルスィの姿へと変わった怪物は時龍の方へと一気に距離を詰め、蹴り上げを繰り出す。今の時龍の体ではどうすることもできず、まともに攻撃を喰らってしまった。


「時龍!」


「貴方の相手は私よ!」


 パルスィは絢斗との距離を一気に詰め、アッパーを喰らわせる。絢斗は舌打ちをし、次の攻撃を受け止める。


「しまっ——」


「斬符『閃光斬』」


 絢斗は超高速の居合い斬りを繰り出して衝撃波を出す。半端ない威力を持った攻撃を、パルスィはまともに喰らってしまう。


「パルスィ!」


 叫ぶアルマ。果たして、彼女に恋人の声が届いたのだろうか。




「——アルマ」


 目を見開くパルスィ。観客たちは歓声を上げた。


「いくわよ……嫉妬『ジェラシーボンバー』」


 パルスィの姿をした緑色の怪物と力を合わせ、絢斗に向かってレーザーを撃つ。


「うわわ、やべぇじゃ〜ん」


 レーザーは絢斗に直撃し、爆発を起こす。間も無く爆煙が止むものの、絢斗の姿は無かった。


 ……彼の姿はパルスィの背後にあった。


「あ……」


「斬符『五風十雨』」


 絢斗は攻撃を避けた後、大量の弾幕をパルスィに放った。






「……勝者、時龍&相沢絢斗ペア!」


『おおおおお!』


 観客全員が歓声を上げる。だが、アルマはパルスィを探していた。脱落した後どうなるか、近くにいたカスミに問いた。


「それぞれの控え室です。案内しましょうか?」


「いや、大丈夫だ」


 アルマは案内を遠慮して、ダッシュでパルスィの控え室へと向かう。


 扉を勢いよく開けると、フードを被った人物が側にあった椅子に座っていた。ベッドには、パルスィが眠っていた。


「パルスィ!」


「大丈夫です。彼女は眠っているだけですから」


「そうか……お前は誰だ?」


「簡潔に言えば、重要人物ですね。いや……この機能を行うための重要人物といったところですか」


 アルマはその人物が何を言っているか、イマイチ理解できなかった。


「申し遅れました。わたくし、ニック・ヘルスリートと申します。訳あって顔を見せることはできませんが、どうぞよろしくお願いします」


「俺は桐月アルマ。ニックって、終作のペアの……」


「そうですそうです! おっと、長話してしまうところでした。すみませんが、失礼しますね」


 ニックは部屋にあった時計を見て、部屋から出て行った。アルマは一息吐き、ニックの座っていた椅子に腰をかける。すると、誰かが扉をノックする。


「パルスィは大丈夫⁉︎」


「火御利か。パルスィなら大丈夫だ。俺が一緒にいておくから、バトルを見に行って構わないよ」


「そう。それじゃあ……アルマも頑張ってね」


 火御利に応援されたアルマは、返事のガッツポーズをする。それを見た彼女は微笑んで、部屋を出て行った。

今回は短かったかも…

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