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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第弐章 異世界の者たち
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第72話 祝いという名の宴

コラボ5話目。

 火御利の家にて。お茶の容器を洗い終わった火御利は、今後どうするか二人に相談していた。


「ちょっと待て……あいつが来る」


「私も感じるわ」


「ええ……感じるわね」


 三人はあいつの気配を感じていた。そう、トリックスター……


「終始終作、いざここ——がはっ⁉︎」


「出たわね終作!」


「パルスィ、いくらそこまでしなくても……」


「いつもいつも私たちの邪魔をしてくるのよ⁉︎ ああもう! 腹立つ!」


 火御利は一度終作を目にしていたが、そのような人物だとは思っていなかった。


「取り敢えず落ち着くんだ。ここは火御利の家だぞ?」


「もう無理! 妬符『グリーンアイドモンスター』!」


「ちょ、パル——」


 火御利の家は、パルスィの弾幕によって吹き飛んでしまった。アルマとパルスィと火御利は、壊れた家の下敷きになる。終作はその光景に冷汗をかいていた。


「おー、怖い怖い。ただでさえさっき変な奴に会ったというのに……」


「私の……私の家が……」


「わ、悪い! 修復手伝うから!」


「ご、ごめんなさい……」


 パルスィは深く頭を下げた。火御利は手を振って止めるようにさせた。


「と、取り敢えず……俺が来たのは博麗神社に行ってもらうためだ」


「嘘ばっかり……」


 パルスィは半泣きで終作に言った。アルマはどうすることもできなかった。


「取り敢えず、博麗神社で待ってるよ〜」


 彼はそれだけ言い残し、亜空間の中へと姿を消した。


「ど、どうしようか火御利?」


「うぅ……博麗神社に行こう……」


「パ、パルスィは?」


「さっさと行ってアイツを懲らしめてやるわ……」


 火御利の次に気不味くなった、アルマであった。








 幻真たち一行は、理由を知る者に言われるがまま博麗神社へと辿り着く。そこには複数の売店があり、神社の敷地の真ん中にはブルーシートと机が置いてあった。時龍を担いでいた良太がその様子が気になり、呟いた。


「これは宴でしょうか?」


「違うよ、祝だよ」


「そんなに変わらないじゃないか」


 突っ込む活躍。苦笑する幻真と磔。


「あらら、あんな所に美女がいるじゃないか〜! いざ、突撃〜!」


「ちょ、絢斗⁉︎ って、あれは霊妙さん——」


「ふんっ」


「ごへぇ!」


 突っ込んできた絢斗は、霊妙の鉄拳を顔面で喰らってしまった。その様子に、苦笑しながら出てきたアデル。


「可哀想ね。まあ、私が促したんだけれども」


「貴方やるわね」


「あいたたた……お! こっちには美少女が! とおーって——ぐはっ」


「アイツは何も学ばないんだな」


 呆れる磔。春姫はうんうんと頷いていた。と、誰かが唸る声が聞こえた。


「ここは……それに、俺はいったい……」


「目を覚ましたか時龍。お前には聞きたいことがたくさんあるんだが」


「幻真か。ここは……博麗神社? 俺は確か、春姫に散々弾幕を撃たれて……その後の記憶がないな……」


「とにかく時龍、中に行くぞ。磔とジラ、付いて来て欲しいんだが」


「俺は構わないよ」


「わかった。良太、春姫を頼む」


「了解です」


「お父さん、後でね〜」


 幻真は霊妙に近付き、話を付ける。


「霊妙さん、中借りますね」


「いいわよ。霊夢が料理をしているから、邪魔しないようにね」


 幻真は頷き、磔、ジラ、時龍と共に中へと上がっていった。






「——さて、まず説明するが。お前の意識が途絶えた後、白色の翼と尾を生やしていた」


「んなっ⁉︎ なんだよそれ⁉︎」


「俺の推測なんだけど、恐らく龍の力が君の体内に取り込まれたんだよ」


 幻真は頷く。磔もイマイチであったが理解し、一方の時龍は全くわからないでいた。


「俺はこっちに来て龍の力が使えなくなったはずだ。まさか、力が残っていたとか?」


「そんな感じになるね。心当たりは?」


 ジラは時龍になんとか思い出させてみる。と、ポンと手を叩き口を開いた。


「白色って事は、白龍だな!」


「白龍……って、なんだ時龍?」


「俺は二体の龍とだけは他の龍より相性が良かった。それが白龍と黒龍だ!」


 ジラは大きく頷いていた。だが、次は幻真が首を傾げる。幻真は時龍の後継ぎ、後継者でもある。それなら、なぜ幻真は出せないのか。


「あの本を調べればいいじゃない」


「霊夢?」


 先程まで料理をしていた霊夢が、幻真たちのことが気になって様子を見に来た。


「あの本って、鈴奈庵の?」


「そうよ。貴方が借りていた本は、ちょっとだけ目にしたことがあったのよ」


「なら幻真、それを借りに行こう」


「そうだな磔。でも、祝が終わった後でもいいか? そっちの方が都合がいいだろうしな」


「助かるよ、幻真くん」


 幻真はジラに向けてグーサインをする。


「それじゃあ、外に——って、ちょっ⁉︎」


「幻真みつけた!」


「みつけたー!」


 幻真に飛びついた二人の少女、ウィスプとランタン。その様子に磔とジラは苦笑する。


「ウィスプちゃ〜ん! ランタンちゃ〜ん!」


「あれは絢斗か?」


「幻真待っててね〜! ウィスプ行くよ?」


「うん!」


 ウィスプとランタンは手を繋ぎ、何やら唱える。


『H.S同盟は滅ぶべし!』


 すると地獄の炎が舞いあげ、絢斗を焼き尽くした。


「お、おい! 絢斗!」


「時龍、俺はこんなのじゃくたばらないよ〜? それっ、空きあり」


「キャッ⁉︎」


「ウィスプ!」


「こっちも空きあり〜」


「キャァ⁉︎」


「それっ、シャッターチャンス」


 絢斗と時龍のコンビネーションで秘蔵写真を作り上げた。磔とジラはその様子に呆れていた。幻真は何も言う事ができなかった。


「お父さん!」


「お、春姫。いい子にしてたか?」


「うん!」


 春姫は勢い良く磔に飛びつく。


「いい親子だ」


「幻真くんも、その内こうなるんじゃないかな?」


「だといいな〜」


 笑いながら話す幻真とジラ。すると、突如二人の近くの空間が避け、一人の男が現れた。


「あ、終作! お前今までどこに!」


「ごめ〜ん活躍。置いて行っちゃった」


「ごめ〜んじゃねえよ!」


 揉め合う二人を止める良太。妖夢も二人を必死に止めていた。


「お、絢斗。調子はどうだい?」


「主、今はこの時龍の加入試験を行っております!」


「時龍か。この世界の唯一の変態だな」


 終作は時龍をジロジロと見回す。時龍は首を傾げながらそれを見ていた。


「見所ありだな。完全なる加入はもう少し先になるが、是非とも変態を楽しんでくれよな!」


「はい、主様!」


 時龍は終作に頭を下げる。終作はうんうんと頷き、幻真の方を見る。


「終作がここに集めさせたのか?」


「俺じゃなくて龍人たち。俺は見てただけさ」


 怪しいと思う幻真と妖夢。すると、鳥居の先から騒ぎ声が聞こえてくる。急いでそちらに向かう幻真と磔。そこでは、二人の鬼神が揉め合っているのと、それを必死に止める龍人と少女の姿、そして様子を伺う緋闇と狼を担いだ想起の姿があった。


「さっきのケリを付けるぞ国下!」


「和正さん、ここでは危ないですって」


「さっきからしつこいぞ和正!」


「国下さんも落ち着いて〜」


 鬼神たちを止めるハイドとサテラ。


「想起さん、私たちはどうするんです?」


「取り敢えず見とけばいいだろう」


「……はい」


 傍観者の想起と緋闇。その様子に幻真と磔は唖然した。すると、幻真たちに気が付いた想起が声をかける。


「幻真、ちょっと来い」


「え、ああ」


 揉め合う二人の間を通って想起の元に行く幻真。


「狼をちょっと頼む。俺がこの二人を止めるから」


「わ、わかった」


 幻真は狼を担いで、来た道を戻る。想起は手首を回して和正に近づく。


「あ? なんだ?」


「面白いことをしないか? ヒソヒソ……」


「ほぉ? いいだろう」


「想起、なんの話をしたんだ?」


「国下、お前にも教えてやろう。ヒソヒソ……」


「おお、面白いな!」


 声を荒げて興味を示す和正と国下。ハイドとサテラ、緋闇は何を話したのかと、頭に疑問符を浮かべていた。


「タッグバトルさ」


「タッグバトルって、僕の世界で行ったあの様なタッグバトルですか?」


「そうだ。だけど、龍人は非戦闘員なんだろ? だから実況者や審判を務めてほしい」


「それならお安い御用です」


 想起はうんうんと頷いた。


「それじゃあ、想力を持つ者を集めないとな。時龍、頼むぞ」


「え〜、俺は秘蔵写真を——」


「文句を言うな。さっさと行くぞ」


「へ〜い」


 時龍は乗り気では無かったが、仕方なく想起の近くに行く。


「お前たち、何してるんだ?」


 想起の背後から声が聞こえる。振り向くと、そこには四人の姿があった。


「霊斗にカスミさん! それに……お前は!」


「やあ幻真くん。君だけには敵対心だよ」


 睨み合う幻真と喜響。それをカスミが止める。


「なるほど、集めていたのは龍人か」


「間違ってはいないよ、想起。龍人と後の一部。サテラに活躍かな」


「なぜサテラに?」


 終作に問い返す緋闇。終作は即答で返した。


「なんとなく」


「へ?」


「彼女を偶然見つけてね。ムフフな秘蔵写真を撮ったら顔を赤くしていたね。可愛かったな〜……もちろん取ってあるから安心したまえ。それで、協力してもらうよう頼んだわけ」


「それじゃあジラさんが祝と言っていたのは……」


「俺の企画さ〜」


 そう言われ、一行は驚いた。だが、信じられないでいたのは今来たパルスィであった。


「そんなの嘘よ!」


「あれ、早かったね」


「パルスィ落ち着いて! ここで暴れたら神社が吹き飛ぶわ!」


「……また誤るところだったわ」


 パルスィは一息吐き、一旦落ち着く。


「で、それは本当なのか? 終作」


「ああ! アルマ、俺を信じてくれ!」


「半信半疑でな」


 活躍は爆笑した。自分より終作の相手が上手いかもしれないと思ったからだ。


「とにかく、人気に付かないところに作ってくる。完成したら呼ぶから、皆はゆっくりしていてくれ。行くぞ、時龍」


「へ〜い……主様、後で秘蔵写真を!」


「さっさと終わらせてこい」


「あいさー!」


 時龍は威勢良く返事をすると、想起と共に姿を消した。妖夢は一息吐く。


「恐らく明日ぐらいに完成するでしょうね」


「ん? お前は?」


「あ……ぼ、僕の名前は啓瀬耶麻人です」


「俺は幻真だ。ん? なんで目を隠しているんだ? ——もしかして、何か持ってる?」


「まあ……はい」


 幻真は興味深そうに頷く。


「みんな〜、宴会始めるわよ〜」


「おお! この世界の霊夢か! 隣にいるのって、この世界の霊夢の母親⁉︎」


「一旦落ち着け霊斗」


 幻真が霊斗の頭を軽く殴る。霊斗は我に返り、照れ臭そうにしていた。


「さっ、始めるぞ!」

回すのが難しいですね。

次回からタッグバトルの開始…の前に祝ですね。

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