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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第弐章 異世界の者たち
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第64話 こっそり新技習得

約一週間、更新が空いちゃいました。

今回は参。幻真が登場?

 さて、今度は咲夜さんとレミリアさんですね。と、その前にお腹が空きましたので人里に向かいたいと思います。想起さんもクタクタになってますからね。


「文、後何人ぐらいだ?」


「数えられるほどの人数です。頑張りましょう。あ、想起さん……付き添っていただきありがとうございます」


「どうした今更。まあ俺も最初は拒否していたがな」


 そうでしたね。ほぼほぼ無理矢理と言った感じでしょうか。それでも想起さんは付いてきてくれた。私、惚れました……


「なんだ? 顔を赤らめて。ほら、早く人里に行くぞ」


「は、はい!」






 人里に降り立ち、和食店へと歩いていく。途中で獣耳のようなものを生やした人物を見かけて声をかけようと思ったのですが、想起さんが待ってくれなさそうだったので止めておきました。実際はただお腹が空いてて早く行きたかっただけなのですが。


「おっちゃん、俺はいつものと……文は何にするんだ?」


「え……えっと、想起さんと同じのでお願いします」


 店主らしき人は威勢良く返事をして、奥へと消えていった。


 私たちは席に着き、氷の入った水を一気に飲む。外は暑かったものです。熱中症には気をつけないとですね。


 店内には複数の客人。何やら雑談をしているのでしょうか、賑やかです。このお店も人気なのでしょうか。人里には来るものの、お店にはあまり寄っていませんでしたからね。人気なお店をスクープするのもアリかもしれません。


「はい、お待ち! ゆっくりしてってくれよ!」


「ありがとうございます!」


 割り箸を割って、一つのおかずに箸を伸ばす。どれも美味しそうですね。想起さんはいつもこちらの品々を食べているんでしょうか。


「どうだ? 味は」


「はい、とっても美味しいです。想起さんはお昼にこの料理を食べているんですか?」


「まあな。初めて師匠と食べに来たとき、あまりにも美味くてな。いつもこれを食べていた。今になっても変わらない味だな……」


 そうだったんですね。本当に美味しいです。何か隠された秘密でもあるのでしょうか。


「ほら、早く食って続きをしないとな。お前も長々とやっていたら疲れるだろう。新聞にも纏めるんだし」


「そうですね、気を使っていただきありがとうございます。さーて、やる気を出しますか!」








 〈幻真〉



 おっす、俺だ。久々だな。実は他の世界に行ってとある秘伝書を貰ったんだ。アクセルモードとソウルドライブモードって奴についてだ。俺の眼の効果のような感じだな。


 それでだ。今は博麗神社にいるんだが、霊妙さんが怒って怒って仕方ない。何にせよ、出番が欲しいとか。


「あのー、あまりメタいことは……」


「出してくれたら言わないわよ。この間だって、他の世界の人たちが来て、火御利と私を呼ばないで……女性の事も考えて欲しいわ!」


 あー、でも時龍とかがヤバかったからな……行かなくて良かったと思う。


 それにしても、鬼神と妖魔……和正と喜響だっけか。地底とかなんとかに住んでるんだってな。地底って確か、勇儀さんも住んでるんだっけ? 聞いてみるのも良さそうだな。


「お母さん、取り敢えず落ち着いて。幻真、久し振りに帰ってきたんだし、手合わせしないかしら?」


「お、いいな。でも、霊妙さんはいいのかな?」


 まだ怒ってるみたいだが……


「お母さん?」


「霊夢、相手してあげなさい。私は阿求の所へ行ってくるわね」


 霊妙さんの後ろ姿を見届け、俺と霊夢は同時に溜息を吐いたのであった。








 〈射命丸文〉



 ふぅ、美味しかったです。私たちは店主さんに御礼を言ってお店を後にしました。


「なあ、文。あの巫女服って……」


「巫女服? あ、あの後ろ姿は……」


 間違いないです。あれは霊妙さん。阿求さんの屋敷へでも行くのでしょうか。どうやらお二人は仲が良いみたいですが。


「阿求に用はあったか?」


「無いですが、記事内容が増えますので行ってみましょう!」


 私と想起さんは、霊妙さんの後を追いかけた。






 霊妙さんが屋敷へ上がったのを確認し、戸を叩く。すると、一人の女性が出てきた。


「想起さんじゃないですか、なんだかお久しぶりな気がします。隣の方は文さんですね。取材か何かでしょうか?」


「ご察しの通りです。幻真さんについて取材をさせていただきたいのですが……」


「良いですよ。先程霊妙さんがいらっしゃったんです。どうぞ中へ上がってください」






「——幻真さんは……強いお方、ご丁寧なお方ですね。私は嫌いではありません」


「幻真は強いわ。もう私を抜かしてるんじゃないかしら。色々と学んできてるようだし」


 メモメモ…幻真さんが丁寧……なんだか意外ですね。それに色々と学んでおられるようですね。だから強いわけですか。


「阿求さん、霊妙さん、ありがとうございました! 失礼しますね!」


 阿求さんは丁寧に頭を下げ、見送ってくださった。さて、紅魔館へ行きましょう!








 〈幻真〉



 やはりアクセルモードにチャレンジするのは難しい。タイミングを見計らいながらも発動しようとするが、上手くいかない。こんな事なら聞いときゃ良かったな。俺の理解力もまだまだだ。


「随分と強くなったわね」


「そうか? まあ軽く霊夢を抜かせたんじゃないかね〜。ほらよっと」


 俺は両手の甲を合わせ、構える。


「風符『砲風散(ウィングストーム)』」


 そこから巨大な風砲を放つ。霊夢が咄嗟に手をクロスして防ぐのが見えたが、飛ばされるだろうな。


「『夢想天生』」


「なっ⁉︎ それは無敵の……チッ、どうするか」


 無敵になりながらも、不規則に弾幕を放ってくる。取り敢えず、弾幕を素早く避けて霊夢に近づく。


「ここね」


「んなっ——」


「霊符『夢想封印』」


 俺が霊夢の目の前に来た瞬間、隙を狙っていた霊夢は俺の目の前で夢想封印を発動した。防ぎようがねぇ……!








 〈射命丸文〉



 今の音は一体……? 気のせいでしょうか、どこからか爆発音が聞こえた気がしたんですが……


「どうした?」


「いえ、爆発が起こったような音が聞こえたので……もしかしたら聞き間違えかもしれません。取り敢えず、紅魔館へ向かいましょう」


「そうだな」






 紅魔館の門前。美鈴さんは相変わらず居眠りされていますね。起こしてあげましょうか。


「待て、文。ここはちょっと試してみよう」


「想起さん?」


 想起さんは手を地に当て、何かを唱える。


「波ッ」


「……気」


 おお、波動だけで美鈴さんが起きました。これが想起さんの作戦ですね。波動だけで起きるなんて、美鈴さんも凄いですね。


「あ、文さんたちでしたか。今の波動は想起さんで?」


「ああ。これなら相手の気が強いときは大丈夫だな。安心した。それで、レミリアたちは?」


「お嬢様たちでしたら、つい先程帰宅されました。咲夜さんもいらっしゃるので、取り敢えず中へどうぞ」


 門が開かれ、敷地内へと入る。


 扉を開いた直後、メイド服の女性が目の前に現る。彼女は咲夜さんですね。


「ようこそ紅魔館へ。どうやら今朝来られたようで」


「は、はい。レミリアさんにフランさん、咲夜さんのお時間は大丈夫でしょうか?」


「お嬢様と妹様……それに私? 私は構わないけど……お嬢様に聞いてくるわね」


 その直後、咲夜さんは姿を消した。しかし、たった数秒後に咲夜さんが姿を現した。返答早いですね。


「お嬢様のお部屋に案内するわ。付いてきて」


 咲夜さんの後に続くようにして、想起さんと横に並んで追いかけた。






「——お嬢様、失礼します」


 咲夜さんは部屋の扉を二回程叩き、レミリアさんに呼びかける。すると、中からレミリアさんの声が聞こえた。


「失礼します。客人をお連れしました。私は紅茶を用意してきます」


 レミリアさんが頷いたと同時に、咲夜さんはその場から姿を消した。


「お姉様、何をするの?」


「取材を受けるのよ。そこの鴉天狗の質問に答えるだけでいいの」


 レミリアさん、わかっておられますね。流石です。フランさんはやや分かっておられないご様子ですが、大丈夫でしょう。


「紅茶をお持ちしました。どうぞ」


「ありがとうございます」


 紅茶の入ったカップを受け取り、お礼を言う。この紅茶、美味しいですね。


「それで、なんの質問かしら?」


「あ、三人方に幻真さんのことについてお聞きしたいのですが……」


 私が尋ねると、レミリアさんとフランさんはお互いに顔を見合わせる。咲夜さんは悩む素振りをすると、語り始めた。


「私は……そうね、良いお方だと思うわ。最近あまり会っていない気がするけど」


「私は幻兄のこと好きだよ! 優しいし、強いし、かっこいいし! 久し振りに修行したいな〜!」


「そうね、私も会いたいわね。私は最近、退屈凌ぎにいろんなところに行ってるけど」


 やはり皆さん色々思われていますね。メモっと。


「咲夜さん、フランさん、レミリアさんありがとうございました! 失礼しますね!」


「ええ、頑張るのよ。想起、幻真によろしく言っといてね」


「ああ」


「出口まで案内するわ」


 咲夜さんに連れられ、出口まで行った。






 外へ出た後、私は咲夜さんの方に振り返り、頭を下げて礼を言った。


「お時間を作っていただきありがとうございました!」


「いえいえ。それじゃあ、私はこれで」


 咲夜さんはそう言って、その場から消えた。時間を操れるって凄いですね。それでは、次へ行きましょう。

次回は肆。何話まで続くのやら。

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