第61話 妖魔との戦い
今回でコラボ最後となります。
最後は甘夏天狗先生の霊奈さんと喜響の戦闘です。
〈幻真〉
喜響と霊奈が睨み合う。すると、喜響は片方の拳銃を霊奈に向け、唱えた。
「魔符『炎獄』」
すると、片方の拳銃に火力を溜めて火を纏ったレーザーを撃つ。すると、霊奈はお祓い棒でそのレーザーを半分に割ってしまった。喜響は驚きながらも笑みを浮かべる。
「かなりの能力を持ってそうだね」
「だからどうしたの?」
「面白くなりそうってことだよ」
再び先程の拳銃を構え、唱えた。
「魔符『水流』」
すると、今度は水力を溜めて水を纏ったレーザーを霊奈に撃つ。霊奈は再びレーザーを半分に割った。しかし、何やら上空に飛んでいた。あれは……陰陽玉か?
「んー? これは陰陽玉かな? こっちに飛んで来てるね。さーて……吸い込んじゃうか」
すると、喜響はブラックホールを同じ銃から出現させ、陰陽玉を吸い取ってしまった。
「なにっ……」
「返してあげるよ〜、ほらっ」
もう一度、次は初めて使うもう片方の銃から白い渦——ホワイトホールを出現させ、そこから陰陽玉を勢いよく飛ばした。霊奈は落ち着いた様子で八卦炉を構える。
「魔符『トリプルスタースパーク』」
三つのマスタースパークが弾幕を撃ち、そのまま喜響へと向かって飛んでいく。喜響は避ける様子なく、被弾した。
「どうだ?」
黑狂が呟く。しかし、刀哉は首を振る。爆煙にあった影は……ひとつ。霊奈の影だった。
「倒したのか?」
「んな訳ねぇだろ。よく見てみろ」
和正が時龍に言う。俺も辺りを見渡して見るが、気配は——ん?
「消えているのか!」
「幻真くん、御名答〜。そうだよ、僕はここ」
すると、喜響は霊奈の前に突如現れる。しかし、霊奈によって杖のような物で殴られ、吹き飛んでいく。
「ゲホッゲホッガホッ……全く、容赦ないんだ〜か〜らッ!」
喜響は両手に持っている拳銃を合わせ、唱えた。
「合符『双想砲』ッ!」
すると、マスタースパークの二倍もの大きさのレーザーが放たれる。霊奈も対抗するのか、構えた。
「強雪魔符『アルティメットアイスフリーズスパーク』」
それらは互いにぶつかり合う。霊奈のは……氷と雷か? それらを纏ったレーザーのようなものか。さあどうなる。
「あちゃー、レーザーが凍っちゃった」
凍ったレーザーごと、霊奈のレーザーは対抗するレーザーをも圧し潰す。またもや爆発が起こった。
爆煙の中に影あり。一人は変わらず、もう一人の人影からは普通ではないオーラを感じる。
——喜響。彼は紫と緑の混じったオーラを纏っている。
この気はもしかすると——
「なんだ?」
「わかんねえのかよ!」
終作に突っ込まれた。俺の心読みました? まあいいや。んで……
「なんだ?」
「妖魔だよ、妖魔」
終作が教えてくれた。妖魔か。確かに、妖力と魔力が絶大に増えた気がする。という事は、奴は妖怪……
「あいつ……マズイな……」
「霊斗さん、マズイって?」
「わからんか? リク。あんなに魔力と妖力が増えちゃあ、ヤバイって事だ」
ポンと手を叩くリク。俺も理解した。
「さーて、僕を怒らせちゃったね? この状態になるのは久しぶりだな〜。本気でいくよ。合符『妖魔大々道』」
片方の拳銃からは妖力、もう片方の拳銃からは魔力を纏ったレーザーが放たれる。なるほど、二つの力を合わせて撃つ訳か。
「ふーん……靈符『夢想封楽妖鬼』」
霊奈も対抗する。なんとか互角。だが、相手の弾が撃ち墜としそうだ。
「剣符『ヴァレットソード・インフィニティ』」
霊奈は片手に剣を持ち、そのレーザーを切り裂いた。やはり、あの能力は強いな。
「ぐぬぬ、これで終わりだよ。『隕石衝撃波』」
ん? 今空が光ったような気が……
「あ、あれは……」
刀哉が空を見ながら指差す。それを見た玉木が震えている。俺はよーく空を見てみた。んー、あれは……隕石——って隕石だぁぁぁ!
「勢いが——」
俺は目を瞑っていたのか。しかし、隕石が衝突した痕跡が見当たらない。というか、俺はなんで生きてたんだ? 結界は貼っていないはずだが……
「ふむ……」
隣には和正がいた。そういや、霊斗たちは⁉︎
「俺たちは無事だ。霊奈も大丈夫そうだぞ」
霊斗、無事で良かった。まあ、あいつは死なないからな、当然だ。
「ふわぁ〜、なんでだ〜?」
喜響が血塗れで首を傾げていた。いやいやいや、グロすぎだろ。どうやったらそうなるんだよ。
「俺が幻にした」
「やはりそうか」
恵生が勘付いていたように呟く。多分、隕石を幻にしたって事だろうな。
「実はだな、俺も恵生みたいに戦うのは気乗りしないタチなんだが……ウズウズしてしまってな。霊斗にあの隕石を幻にしていいか聞いたら勝手にしろって言われたから、幻にしただけだ」
「長い説明お疲れ!」
俺は突っ込んでやった。いや、戦いたいのは玉木やルカもそうだったんじゃないか?
「玉木?」
「ドカーンと参りまーす!」
ドカーンって、まさか……
『うぎゃぁぁぁあ!!』
「絢斗ぉぉ! 時龍ぅぅぅ!」
「というのは嘘なんだけどね〜。ドカーンはあっち」
あっちって、喜響か⁉︎ っていない……
「逃げたな……それじゃあ、俺もおさらばだ。また会おう、龍使い」
和正はそう言って、異空間の中へと消えていった。
あれから朝飯を食い、帰宅の準備。もう日が昇っていたので睡眠を取る暇は無かった。まあ、寝ようと思えば寝れたのだろうが……
「全く、せっかくの勝負を邪魔されたわね。次会った時は死まで追い込んでやるわ」
「ちょ、怖いって」
桜、よっぽど暇してたな。まあ、次はガチで戦える事を願おう。
「私の花火どうだったー?」
「おう、良かったぞ。また次の時にでも頼む」
玉木は照れていた。
「なーんか、しっくりこないな〜」
「リク、またの機会だよ」
「今度はルカとも戦いたいな」
俺がルカにそう言うと、少しやる気を出したかのような表情になっていた。
「幻真、ありがとな。なかなか良い勝負だったんじゃないか?」
「そうだな、また手合わせしよう」
刀哉が最初だったよなー。強かった。
「そういや、終作はなんで戦わなかったんだ?」
「俺は観戦者だからだ」
「理由になってない」
黑狂の一言に笑ってしまった。終作は苦笑していた。あいつは強そうだもんな〜。
「まさか俺が手を出すとは……」
「あんなに戦うのを拒否してた恵生がね〜」
「お前の作者をボコる」
メタい事言わないでくださーい。
「俺は幻真と戦いたかったぞ。まあこの世界にも鬼神がいる事を知れたし、酒飲むか!」
やっぱり国下は酒かーい!
「早く帰って妖夢ちゃんを……ぐへへ〜」
や、ヤバイ! 絢斗が変な妄想してやがる!
「ねえ幻真……喜響だっけ、次会った時は殺るわ……」
「お、落ち着け霊奈!」
「全く、和正とかの野郎、この世界のバランスがおかしすぎる。俺も作者をボコる」
霊斗もメタいこと言わないでー!
「無敵な人物は三人もいらないと思うよ」
狼もメタい事言うなよー!
「なかなかに俺が無敵だったのか」
想起、言えてる。だがちょっとメタいから……
「じゃあ、俺たちは自分たちの世界に帰るとしますか。幻真も頑張れよ。無敵三人相手に」
最後の最後でもメタ発言かー!
こうして、俺の不思議で不思議な出来事は幕を閉じたのであった。
「まさかお前に敵う奴が他の世界にいたとはな。無様なもんだ全く!」
「うるさいよ。僕だってまだ不調だ。君が勝手にどこかに行っちゃったから悪いんだよ? 幻真……次会う時は必ず……」
結構メタ発言多かったですね。
幻真「お前がつまらないだけだ」
それは、困った。改めまして、コラボに参加していただき誠にありがとうございました!おかしいところも多々ございましたかと思いますが、これからもどうぞよろしくお願いします。




