第60話 鬼神との戦い
コラボ9話目。今回は、甘味処アリス先生の霊斗君と和正の戦闘です。
拳と拳をぶつけ合う二人の男。
「さすが霊斗だな。今の所いい感じだ」
吸い込まれた黑狂が吸い込まれた世界で呟く。時龍も共感し、頷いていた。
「俺ら暇だな〜」
同じく異空間に吸い込まれた終作が呟く。それを聞いていた刀哉が頷く。
「ねえルカ。僕たち何かできないの?」
「知らないよ。ここから出られたらな〜」
そう話すリクとルカ。
「こんな空間爆発してやる〜!」
何やら行っている玉木。放っておいて大丈夫だろうか……
「お前、確か別世界から来た人間だよな? 名前は?」
「博麗霊斗。だけど残念、俺と会うのは最初で最後だ。お前を倒す」
霊斗がそう言い終えると、和正の立っていた地面はボロボロと崩れ始めた。和正は慌ててその場から離れる。
「あれは……霊斗の能力か」
幻真が呟く。納得するように狼が頷く。すると、唸り声が聞こえたかと思うと桜が目を覚まし、眼を擦っていた。
「何よあいつ……後でぶちのめしてやるわ」
「こ、こえぇ……」
怒りを見せる桜。怯える幻真。霊奈はクスクスと笑っていた。
「さてと、そろそろ攻撃するか。妖刀クナイ」
すると、九本のクナイが霊斗の周りに姿を現す。それらはそれぞれの属性を纏っており、触れると様々な事が起こるという代物。そのクナイが和正を囲む。和正は笑っていた。霊斗は決して気を緩めない。
「後一本隠してるだろ?」
「それがなんだ?」
「面白い。さあ、かかって来い!」
和正の掛け声と共にクナイが飛ぶ。まずは飛んだのは炎のクナイ。和正はそれをブラックホールで吸い込んだ。
続いて、雷と水のクナイが飛んでいく。これもブラックホールに閉じ込めてしまった。
霊斗は舌打ちをする。若干焦る時龍。
次は草と光のクナイが飛んでいく。光で視界を奪い、草のクナイから蔦を生やし和正の動きを封じる。光のクナイが和正の腹に突き刺さり、和正の腹は光による攻撃を受ける。和正は苦しむ。
その隙に風と命のクナイが飛んでいく。風のクナイは和正の腹を貫通し、命は草のクナイに刺さって攻撃力、成長速度、蔦のスピードを上げる。和正は血を吐き、更に苦しむ。
霊斗は出現させた残り二本のクナイ、氷、闇を飛ばす。氷のクナイは和正に刺さり、絶対零度で凍結させる。そして闇のクナイが和正に触れ、ブラックホールを作り出す。
「最後だ!」
霊斗が叫ぶと、隠していた無のクナイが姿を現し飛んでいく。無のクナイが和正に刺さると、ワープホールが出現して和正をその先へと送り込む。
その空間は、霊斗が作った最強の弾幕が行き交う"霊時空"……和正はそこでガトリングのようにして撃ち抜かれている。
「霊斗の相手には……勿体ない……」
恵生が息を荒げながら呟く。だが、霊斗は警戒しているようだ。
「来るぞ」
霊斗が皆に警戒させると、彼が無のクナイで作り出したワープホールから和正が出てきた。皆は唖然とする。
「こんなもの通用しねぇな。『時空創拳』」
和正はそう言って、ある空間を作り出す。すると、その空間に和正と霊斗は閉じ込められた。
「な、なんだこれ!」
幻真は驚く。外から見ると、その空間は半球を描くようにして透明な壁で覆われていたからだ。
「これで邪魔者も入らんだろう。『妖魔紅拳』」
和正は拳に魔力と妖力を纏わせ、霊斗に向かって殴る。その攻撃を、彼は素早く躱す。しかし、その和正の拳から巨大級の弾幕が出てくる。霊斗は舌打ちをし、何かを出した。
「アイギスの盾」
すると、霊斗は盾を展開し弾幕が全て塞がれる。しかし、和正は悟っていたかのように笑っていた。そして、再び殴ってくる。
「『破壊拳』」
すると、彼の盾にヒビが入った。彼もダメージの完全無効化は不可能だと予測していたが、まさか一発でこんなにヒビが行くとは思っていなかったようだ。
霊斗は転がって和正の拳を避け、なんとか助かった。だが、和正は頭上にいた。
「消えろ、『消滅真拳』ッ!」
そのまま霊斗の頭に向けて拳を猛スピードで殴った。しかし、彼の姿が砂のようにして消える。
「ハハッ、殴られる直前で分身したのか」
「そうだ。分身『影の鏡』。正直、危なかったな」
霊斗は衣服の汚れを払いながら話す。和正は笑っていた。
「んで、お前はいつ気がすむ」
「さあな。『次元魔』」
和正は次元を裂き、邪悪なレーザーを出す。霊斗も何やら構えて唱えた。
「霊符『夢想霊砲』」
二つの光線がぶつかる——その間に、何者かが現れた。
和正の攻撃によって創られた半球状の空間は消え、そこには三人が立っていた。目を疑う和正と、荒めに呼吸する霊斗。そして、真ん中に両手に銃を持った青年が立っていた。
「誰だあいつ?」
恵生が問う。幻真は冷汗を流していた。それを気にした恵生が、心配して彼の肩を叩く。
「お前はまさか……!」
「ん? やあ幻真くん。まさかこんなに早く会うとは思ってなかったよ」
そう、この男は幻真が夢で会った人物。幻真を殺すとも宣告した人物だ。
「今でもいいんだけど、やっぱり早すぎるよね。だからまずは……君と戦いたいかな?」
青年はそう言うと、瞬間的に霊奈の前まで距離を詰めた。彼女は悟っていたかのように、腕を組んで青年を見た。
「君、結構強そうだよね。霊斗って人でもいいんだけど……さすがに連戦はキツそうだから」
「おい! なんでお前がここに来た!」
「あ〜、君が遅かったからじゃないかな?」
青年は和正の目の前へと姿を現し、片方の銃口を顔面に向ける。和正は息を飲み込んで、冷汗を流す。青年は笑って銃を降ろした。
「相変わらずだね、兄貴。それじゃあ僕に勝てないよ? これじゃあ僕が兄——」
「うるせぇ。お前も殺すぞ」
和正は殺気を出す。
「あ、名乗り遅れたね。僕はこの兄貴の弟、星弥喜響。そうだな〜、言っておくけど、僕も強いよ?」
青年はそう言い、先程霊奈と和正に対してしたように幻真の目の前に現れる。幻真は恐れてしまい、一歩足が下がる。それを見た喜響が笑った。
「やっぱり君は弱い。心が駄目だね」
幻真は自分の胸を抑える。そして、喜響は霊奈の前に戻るようにして現れる。
「さて、始めようか。君も戦っていなくてウズウズしてただろうからね。あ、そうだ。兄貴の『常闇の異空間』で吸い込まれた皆を解放するよ。ホワイトホール」
すると、吸い込まれた七人がホワイトホールから落ちてきた。
「いたた……ん? 外だ」
尻餅をついてために痛みながらも辺りを見渡す絢斗。
「絢斗、国下を頼む」
「あ、はいはい」
恵生に頼まれた絢斗は、国下に寄り何やらしている。すると、国下が目を開き欠伸をした。今の状況に気付いた国下は、瞬時に立ち上がる。
喜響と霊奈の戦いが始まろうとしていた——
次回はいよいよラスト、喜響と甘夏天狗先生の霊奈さんとの戦闘です。結末は如何に…




