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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第弐章 異世界の者たち
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第58話 術師との手合わせ

一週間も間が空いてしまいすいません。

今回はコラボ7話目。ファム先生の桜さんと幻真との戦闘です…が、その後に展開があります。

 時刻は夕方。することがないから霊斗に稽古を付けてもらってる。クナイと言ったか、次々と飛ばしてもらっている。


 縁側では桜と玉木、恵生が和菓子を食べながら様子を見ている。和菓子を用意したのは黑狂だろう。


 そういや、黑狂、刀哉、国下、絢斗の四人はどこにいるのかな? リクはまだ起きてなさそうだし、ルカと霊奈は何をしてるのやら。終作もどこか行ってしまったし。


「何考え事している。余所見してたら刺さるぞ」


「うぎゃあ!」


 案の定刺さりました。でも実際は痛くない。刺さっても大丈夫なようになっている。


「次は弾け。いくぞ」


 霊斗が俺にそう言うと、クナイを次々と飛ばしてきた。ヤバイだろ流石に。


 あっちこっちに飛んでくるクナイを短剣で防ぐ。いざとなったら結界を使っていいと霊斗が言ってたな。ということは……これ刺さっちゃう感じか?


 恵生は欠伸をしている。眠そうだな。桜と玉木も和菓子を食べながら退屈そうに見ていた。




 ——ん? 気のせいだろうか? 屋敷内から叫び声がした。恵生は屋敷内に目をやったが、呆れたのか再びこっちを見た。桜と玉木は気にもしていない。


「……終わりだ。瞬発力を鍛えてみたが、どうだ? 何か変わったか?」


「いや、わからんでしょ」


「だよな。取り敢えず、腹減った。飯にしようか」


 霊斗は縁側に上がり、桜の横を通る。俺が続く前に恵生が続いた。俺も桜の横を通ろうとした時、止められた。何か話でもあるのか?


「幻真、花火の後やらないかしら?」


「やるって、戦うのか? というか、花火って……」


「決まりね。さーて、ご飯食べに行くわよ玉木」


「はーい。あ、幻真楽しみにしててね」


 勝手に決められたけど、まあいいか。花火ってなんだ? それに玉木が楽しみにしててって、玉木が花火を打ち上げるのか? 取り敢えず、俺も飯を食いに行こう。






「——夕飯作っといたぞ。意外に絢斗や国下が手伝ってくれて助かった」


「なんだよ意外ってさ〜。俺だってやる時はやる男だよ?」


「まあ、国下に関しては黑狂に脅されたようなもんなんだけどな……」


 刀哉によると、手伝わないと酒を飲ませないぞ、と言われたそうだ。どうやら奥の手を使ったみたいだな。さっきまで酒を飲んでいたはずの国下が動いたのだから。


「冷めない内に食えよ。温かい物が多いからな」


「なぜ温かい物が多い? 黑狂」


「霊斗、そこは触れないでくれ」


 とのことだな。俺たちを無視して桜と玉木、霊奈とルカは飯を食っている。霊奈とルカ、いつ戻ってきた? というか、いつの間にかリクが起きて飯を食っていた。隣で終作も飯を食べている。あいつもいつ帰ってきた?


「早く食べなさいよ。せっかくの料理が冷めるわよ」


「桜の言う通りだ。取り敢えず食え」


「お、おう……」


 俺は席に座って、箸を持つ。何から食べようか……






 飯を食って風呂に入った後。


「さてと、いくよー!」


 玉木が合図を言うと同時に次々と花火が上がる。一同は声を上げる。とても綺麗だ。因みにいつセットしたのか、丘の方から花火が上がっている。


「こりゃあ本格的だね〜」


 狼が感想を漏らす。一応、以前の母の日のサプライズで見たんだっけか。だが、それよりも迫力があるな。ふと思ったが、現代世界にいた時も俺は花火を見たのだろうか。


「これが花火……」


 そういや想起って人里の人間だよな。想起は想起で初めて見るのか。時龍はというと——


「うおっ! 綺麗だな! 昔はこんなものなかったからな〜。いや〜、文明も変わったものだな」


 昔って、大昔にしか感じない……文明も変わったってなんだ? まあ何千年か経ってるからか。時龍って人間だよな?


「あれ? 時龍って何年生きてるんだい?」


「何年というより、過去から来た人間的な感じだな。実際は幻真と同じくらいか」


 時龍は絢斗の質問に答えた。まあ夢だったということが気掛かりだが、実際は夢じゃなかったかもな。


「さて、そろそろ寝るか。花火も終わったことだし。玉木、サンキューな」


「ううん、喜んでもらえて嬉しい!」


 霊斗のお礼に玉木は喜ぶ。皆は屋敷内へと入っていく。さっさと寝てしまうか……






 深夜。俺は何かで目覚めてしまった。外を見ると、桜が何やらしていた。ん、桜……やっべ! 忘れかけてた!


「桜! すまん!」


「私も今起きたばかりよ。取り敢えず、ここから離れましょ。皆を起こしちゃうわ」


「そ、そうだな」


 俺と桜は飛行し、花火が打ち上げられていたところまで行く。てか、ここ幻想郷じゃなさそうな気が……


「ここ本当に幻想郷か?」


「幻想郷でしょ。見る角度が変わることによって、景色も変わるものよ」


 なるほど、じゃああの屋敷がある所は妖怪の山に当たるのか? まあ深く考えないでおこうか。


「準備はいいかしら? まずは眠気覚ましからよ」


 桜が弾幕を飛ばしてくる。こんなもの、素手で……って、なにっ⁉︎


「弾幕が無数に……」


「さあ、受けなさい!」


 くそっ、こいつはこいつで厄介だ。取り敢えず、この弾幕共を切り裂いてくれるわ!


「うおおりゃぁあ!」


「まあ当然よね。さてっと、本番開始よ。呪桜『黒桜』」


 彼女は桜の花びら型の呪いの欠片を放ってくる。さて、どうするか。


「言っておくけど、打ち消し不可よ」


 よし、どうしようもない。取り敢えず、ゴリ押しだ!


「炎砲『溶岩熱砲(マグマガン)』」


 俺は溶岩の砲弾を桜共々弾幕に向かって放った。桜は避けようとしない。これを喰らったら、誰とあれ死んでしまう…って、どうゆうことだこれは!


「斬っただと⁉︎ まさかそんなことが——」


「あるのよ。陽陰『陰陽刀〜開花〜』」


 桜色の結界を刀に? ならば——


「受けて立つ!」


「受け止められるかしらね!」


 やばい、押されている……仕方ない!


「龍符『風龍』!」


「なにっ⁉︎」


 突風と共に風龍が現れる。


「風真『勾玉風弾』——氷真『勾玉氷弾』」


「風と氷……確か避けても破裂するのよね。ならば、斬ってやるわ」


 俺は次々に勾玉弾幕を生成しては飛ばす。桜は僅か一秒で勾玉弾幕を斬る。斬られても破裂するはずなのだが、破裂しないな。なぜだ?


 疑問符を頭に浮かべながらも桜の方に視線を向けると、彼女もまた何やら考えているようだった。


「桜、どうした」


「……考え事よ。続けるわよ」


 桜がそう言うと、何やら見たことある構えをする。そう、あれは——


「龍派『古龍剣』」


「なっ、その技は!」


「そう、あの変態時龍の龍派。あいつが稽古してる所を偶然見たの」


「で、その正体は?」


「神羅『知を貪るもの』。本当は纏めて放つんだけどね」


 なるほど、なかなか厄介かもな。霊夢とかのスペルも使う感じなのだろうか。


「驚いてる暇なんて与えないわよ。白霊『無想天生〜斬〜』」


 博麗の力に似た力を刀から感じるな、両断する気か。ならば俺も……


「斬符『冥抄斬(ソードブレイブ)』!」


 両者が斬りかかろうとした、その瞬間。


「なにっ⁉︎」


 俺と桜の間に人が現れ、攻撃を止められる。なんだこいつは……


「手が光って……幻真! 伏せて!」


 桜が咄嗟に叫んだので、俺は思わず伏せた。すると、光が周囲に放たれた。




 光が消え、そこには謎の人物と地面に倒れる桜の姿があった。こいつは一体……


「こいつなら大丈夫だ。殺しはしてない」


 俺はその恐ろしい声に息を飲み込んだ。人物の姿は暗くて確認できない。


「幻真!」


 誰かが俺の名前を叫ぶ。この声は絢斗か? なぜあいつがこんな所に?


「邪魔だ」


 人物がそう言うと、鋭く尖ったものを絢斗に向かって投げる。絢斗は咄嗟に刀で防いだ。鋭い物は地面に落ちた……はずだった。その鋭く尖った物は絢斗の背後を取り、斬りつけた。絢斗は押されている。


「絢斗……! お前、やめろぉ!」


「黙って見てろ」


 俺は落ちていた真神剣で人物を斬ろうとしたが、何かに首を打たれその場で倒れた。意識はある。なぜか体が動かない。


「やばっ……」


 絢斗が刺されそうになったその瞬間——


「このッ!」


「チッ……」


 現れたのは時龍だった。というか、あいつが持ってるのは創龍剣? 確か何かしらの剣を作ってもらったはずじゃ……


「幻真、桜……今回は真面目に戦わせてもらうぞ。龍神剣」


 時龍はスキマに手を伸ばし、中から剣を出す。スキマ使用だったのかよ。


「時龍〜、無茶するなよ〜?」


「わかってる。霊斗たちを呼んできてくれ」


「りょ〜か〜い」


 絢斗、緊張感は無いのか……


 俺の意識は朦朧とし始める。


 時龍……後は託した……








「——さて、俺に指一本触れさせられるかな」


「やってみねぇとわかんねぇよ!」


 時龍は龍神剣を振る。人物は余裕で躱す。挑発もあってか時龍の怒りが込み上げる。彼は軽く舌打ちをし、構える。


「龍派『回縁斬』」


 時龍は回転しながら人物を斬ろうとするが、尽く躱されてしまう。


「時龍〜」


 寝ていた皆を呼んできた絢斗が時龍を呼ぶ。呼ばれた彼はフッと笑った。人物はニヤリと笑い、腕を空に上げ、何やら行おうとしている。時龍は龍神剣を強く握り、警戒する。絢斗たちも警戒し、自身の得物に手を近付けた。

もしかしたら、幻真と戦っていない人達がこの謎の人物と戦う可能性が高いです。

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