表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第弐章 異世界の者たち
61/155

第57話 変態との手合わせ

コラボ6話目。今回は颯人先生の絢斗君との戦闘です。

 リクを運び終え、一度伸びをする。手合わせ、いい感じに食後の運動になったな。リクは夜までには起きるだろう。


「ご苦労様。リクが迷惑かけて悪いね」


「まあ俺の責任だし。ルカは俺と戦うのか?」


「リクがしちゃったし、充分でしょ?」


 まあそうだな。実際ルカの方が強そうだし。


「じゃあ私は桜たちの所に戻るね」


「はいよ〜。はぁ、どうすっかね?」


 これで三戦目なんだが、四戦目は誰になることやら……霊斗か霊奈とか……最後だったりするのか? 一番厄介なのが恵生だな。土下座でもして頼んでやる。俺のメンタルなんてどうでもいいだよ。


「それじゃあ、そろそろ俺が来るのかな?」


 この声の主って……いや、まさかとは思うがあいつか? いや、待てよ、ここはゆっくりと……


「……け、絢斗か」


「なになに? 自分が弱いからビビってる?」


「はぁ? 滅相も無い……」


 俺は溜息を吐いた。俺が弱いんじゃない。みんなが強いんだよ。わかるよな?


「まあいいだろう。本気で来てくれ」


「手加減は無しでいいのかな〜? 死んでしまっても知らないよ〜?」


 わぁ、すごい自信だな。死んでしまったらどうにもなんないな。まあ誰か助けてくれるだろう。


「それじゃあ、俺は外で待ってるよ」


 絢斗はそう言って、部屋から縁側に向かってそのまま庭へと出て行った。さて、どうするか。多分刀とか使ってくるだろうしな。今までと同じ戦法でいいだろう。黑狂に茶でも頂いてから挑もうかな。


「黑狂〜、茶を——って速⁉︎」


「タイミングが良かっただけだ。幻真の分もやろう」


「さ、サンキュー」


 俺は茶が入った湯飲みを口に運び、ゆっくりと飲んでいく。相変わらず美味いな。ついでに和菓子も頂こう。


「次は誰と戦闘だ?」


「ん……けん……とだ」


「切るとこおかしいぞ」


 食いながら喋るのはやめましょう。俺が言えたことではなかったな。


「まあ頑張れよ。お、恵生。茶いるか? 一人余分に点いだんだが」


「ん、頂く。そういや、絢斗が桜にしばかれてたぞ。セクハラしやがって。罪のない時龍まで巻き込まれて一緒にビンタを喰らってやがったぞ」


 戦う前なのに調子いいな絢斗は……ある意味感心する、全く。時龍もそろそろ飽きてくれると嬉しいんだがな。


「黑狂、和菓子」


「ほらよ、霊斗。お前も暇だろ?」


「そうだな。と言っても、幻真と相手しても弱くてすぐ終わりそうだから結果一緒っぽいけどな」


 幾ら暇だからって言いすぎだろ……心折れちゃうぞぉ……


「幻真も強くなってると思うがな」


「ん、国下か。それぐらいわかってるぞ。ちょっと揶揄っただけだ。なあ幻真」


 何言い聞かそうとしてんだよ……まあ褒められたし、ちょっと嬉しかったな。やる気出てきた。


「絢斗が待ってるわよ、早く行ったらどう?」


「霊奈か。わかった、すぐ行く」


 俺は絢斗が通って行った道と同じところを通り、外へと出た。








 〈狼〉



 僕は想起と刀哉と終作の三人と話をしていた。内容は僕の武器についてだ。


「やっぱダガー?」


「風魔神だろ? 武器は拳でいいんじゃないか?」


「肉体戦闘に賛成だ」


「ふむ、やはり刀哉もか。狼は武器、欲しいのか?」


 実際いらないよね。風で遠距離攻撃可能だし。風魔神の状態はまあまあ使うと思うし……結構制御できるようになってきたんだよ。


「今はいらないよ。たぶん武器なんて使わない。使うとしても、作れるし」


「へぇ、作れるのか」


 刀哉が感心してる。どんなもんだい。僕はまだ未熟者だけどね。風魔神との契約の時だって——おっと、それは置いといて、幻真が出てきたね。そろそろ絢斗と手合わせするのかな。


「待たせたな。頰のビンタの跡が目立つな」


「はあ……桜ちゃんのビンタ凄かったな〜」


 絢斗は相変わらず変態なんだね。どうなることやら。








 〈幻真〉



 さて、始めようか。


「熱符『溶岩熱砲(マグマガン)』」


「いきなりすごいの出すね。斬符『刺突』」


 絢斗は溶岩熱砲を避けて、刀で突き刺してくる。俺は咄嗟に真神剣を抜いて、攻撃を防いだ。


「へぇ、でも防いだと思って油断しないほうがいいよ〜」


「どういう——なにっ、そういうことか!」


 絢斗が素早く下がった後、高速移動してきた道に配置されていた弾幕が飛んでくる。仕方ない……


「炎防『灼熱結界・弍』」


「結界? 弾幕が溶かされるのか〜、これは結構有能な結界だね。単発として」


 そうだな、さっきは属性結界だったがな。


「それじゃあ、反撃開始〜。斬符『閃光斬』!」


 絢斗は超高速の居合斬をして衝撃波を出してくる。そこまで範囲は広くなさそうだが、速すぎる。


「ぐぐぐ……」


「よく防げたね〜。威力半端ないと思うんだけどな〜。まあいいや、追加」


 絢斗は再び衝撃波を出してくる。ヤバい、押されてる! 何とかして反撃しなければ……


「龍符『染暗龍』」


「何々〜? わわっ、龍だ。しっかも闇のオーラ半端ないね〜。こっちバリバリ睨みつけてるし。おー怖い怖い。って黒い炎を吐いてるし。これは危険だね」


 いつの間にか衝撃波は消えており、絢斗は下がり気味だった。


「龍は何体操れるんだ?」


「何体だと思う? 終作」


 終作の質問に対し質問で返す狼。


「四体か?」


「いや、五体だろ? 炎に水に雷に闇に光。どうだ?」


「刀哉、大正解だな」


「れ、霊斗? お前が答え言うって……狼も驚きを隠せない様子だが、もしかして知らなかったのか?」


「光は知らなかったよ」


 まあなんか雑談してるが無視して、反撃してくぞ。


「龍符『黒息(ダークブレス)』」


 俺がそう唱えると、暗黒龍は闇の炎を絢斗目掛けて吐く。


「なかなか厄介だね〜。斬符『五風十雨』」


 絢斗がそう唱えると、素早く炎を躱してみせた。それによく見ると、隙を狙って俺に弾幕を撃ってきている。これはなかなか厄介だ。


「チッ、龍符『呉散暗黒龍』」


 暗黒龍が五体に分裂し、絢斗を標的として捉え飛んでいく。何もしないのか?


「絢斗、避ける気だな」


「そうなのか? 霊斗。あんなの避けれるのかよ」


「避けれるんじゃないか? さっきの技なら。どうだ終作」


「そうだな」


 絢斗は華麗に避けていく。やるなぁ……


「さーて、俺もそろそろ本気出していくよ〜。解放『ブレイクソウル』」


 絢斗がそう唱えると、彼の体から紫色の桜吹雪のようなオーラが出る。明らかに気が大きくなったな。


「これはまた派手にやってるわね」


「桜か。ここから本気を出すようだぞ」


「そうなの? 観戦しようかしら」


 桜は狼の隣に座り、黑狂の点いだ茶を飲んだ。俺も本気出していくか。


「ここらで四段階目見せるか。滅眼『紫眼』」


 俺の瞳はみるみると闇に染まり、紫色になる。俺達の様子を見に来た黑狂は、少し驚いていた。


「あいつ、三段階目でもまだ制御できないって言ってたくせに、何を考えている」


「いや、逆だ黑狂。制御できないからこそもう一段階上げる。その事で三段階目も制御できるようになる。力の加減だ」


 霊斗が説明したような感じだな。追加として、闇属性の攻撃力も上がる。


「へぇ、四段階目かぁ〜。まあでも、俺には敵わないだろうねっ!」


 絢斗は超高速で刀を振ってくる。俺は素早く真神剣で防ぐ。絢斗はニヤリと笑う。俺もニヤリと笑う。


「ラストワード『時雨』!」

「龍符『幻暗龍真泊(ダークビジョン)』!」


 二人同時にスペルカードを発動した。強風と共に、爆発が起きる。






 爆煙が止んだが、俺は意識があった。また、絢斗も刀を持って立っている。


「いや〜、なかなか楽しかったよ。今回は引き分けだね」


「引き分けか。それにしても流石だな。絢斗の友人と同じぐらいの強さじゃないか?」


「ははっ、あいつには及ばないよ〜。取り敢えず疲れたから、俺は寝てくるね〜」


 絢斗は背中を見せながら手を振り、屋敷内へと入っていった。


「幻真、お疲れだな。屋敷内には恵生と国下がいたはずだ。まあそれは置いといて、夜の飯どうする?」


 霊斗、今それ聞くか? まあ俺も若干腹減ってきたしな。特に何が食べたいってのもないんだがな。

次回は誰とやら…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ