表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第弐章 異世界の者たち
57/155

第53話 豪華な食事と大浴場

コラボ2話目です。

 〈博麗霊斗〉



 やけにあっちの方が賑やかだな。黑狂は黙々と料理を作っている。俺もどんどん作っていかないとな。


 それにしても、霊奈と言ったか。とてつもない気を感じるた。彼女の世界には行ったことがない。まさかあんな実力者が存在していたとは。


「霊斗、どうしたんだ?」


「あ、いや、ただの考え事だ」


 黑狂はふーんと興味なさげに言って料理を続けた。まっ、考える事は後にして料理をしてしまおうか。








 〈幻真〉



 酒を飲まされた俺だが、なんとか一命を取り戻した。まあ、そこまで酷くなかった。酔ってる連中は煩いし、静かに飲んでいる恵生を見習ってしまうぜ。


 俺は見物しながら飲んでいる。桜と霊奈はもう仲良くなったのかな、結構話しているようだ。ルカだっけ。見た目は子供だけど、酒は飲めるんだな。まあ、リクって子は酔っちゃってるけど……


 普段は酒しか飲まないけど、ワインも飲んでみたいな。贅沢な気分ってヤツだ。


「よーし、できたぞー」


「お、待ってました!」


 霊斗と黑狂が料理を運んでくる。国下と終作は拍手をして喜んでいる。いい匂いだ、早く食べたい。


「さてと、いただきます!」


「いただきます——って時龍⁉︎」


 あいつ、いつの間にここに⁉︎ こっちの方を気にせずにバクバク食ってやがる。霊斗と黑狂に感謝しろよな。


「この者は誰だ?」


「俺か? 俺の名前は時龍だ」


 刀哉の質問に時龍は答える。全く、気まぐれな奴だ。というか、どうやってきたんだ? というかまず、俺はどうやってここに来たんだ?


「まっ、どうでもいいか。飯食おうぜ!」


 俺は箸を手に取り、霊斗と黑狂の手作り料理を口に運ぶ。


「うめぇ! なあ霊斗、この旨すぎる玉子焼きに隠し味とかあんのか?」


「ん、スパイシーな物を少し足してみた。それだけだ」


 俺は霊斗に向けて目を輝かせる。さすがだなぁ……俺も料理を上手くなりたいな。


「ほら、みんなどんどん食べてくれよな」


 黑狂が勧める。時龍はガツガツ食ってやがる。国下たちもガツガツ食ってるな。俺も食べ比べ勝負してやろうか。


 桜や玉木、霊奈やルカは味わって食べている。恵生や酔っ払ったリクも味わって食べていた。というか、リク起きたのか。


 デザートは甘い物。パフェやケーキが出されてくる。かなり豪華だな。甘い物好きの桜には堪らないだろう。俺は甘い物は控えた。別に太るとかそういう訳ではないが、遠慮した。






 片付けは桜たち女性陣がやってくれるらしい。その間に、男子組は風呂に入るのだが……せめてタオルぐらい巻けよ、時龍!


「それにしても、広い浴場だな。俺が作ったのと同じぐらいじゃないか?」


 霊斗の世界に連れてこられた大宴会の時か。確かに、ここも広いな。


「取り敢えず、ダーイビーング!」


 終作が風呂にダイブする。あ、そんなに深くないからうつ伏せの状態でダイブしたら……


「うぶっ!」


 やっぱり……思いっきりぶつかってるじゃないか。黑狂は爆笑している。そんな笑う奴だっけ。


「お前も落ちろ、幻真」


 気付いたら背後には国下がいて、背中を押される。そのまま俺は風呂に突き落とされてしまった。俺は体勢が悪かったため、顔面から落ちた。次は時龍が笑う。ちょっと頭にきた。


「槍符『光槍』!」


「ちょ、幻真やめでぇぇぇ!」


 俺は時龍に槍を刺しかけたが、刺さるギリギリのところで消した。


「取り敢えずさ、後で女子風呂覗きに行こうよ」


 はぁ⁉︎ 絢斗はいったい何を言っているんだ。変態神降臨か……?






 取り敢えず風呂から上がった俺たちは着物に着替えた。俺は仕方なく協力するために、台所に顔を覗かせる。食器を洗っていた四人は、お茶を飲んでいた。俺たちが戻ってくるのを待っていたのだろう。


「あ、幻真。他のみんなは?」


 桜が俺に気付いて聞いてくる。俺は隠していた体を出して答える。


「もう直ぐで来ると思う」


 すると、後ろから誰かに肩を叩かれる。一瞬びっくりしたが、それは想起だった。


「なぜ俺を呼ばなかった?」


 悔しそうな顔をしながら俺に聞く。っていうか俺も誰に連れてこられたのか、まだわかっていないんだが。


「その人、誰?」


 玉木が想起を指して俺に問う。俺が答えようとしたが、想起自身が答えた。


「俺の名前は想起、鍛冶職人だ。武器を改造したり作ったりしている。修理なら俺に任せろ」


 そういや火炎刀、どうなったのかな。随分と前の話になるんだが。


「ん、幻真、そいつは誰だ?」


 風呂場から戻ってきた国下が想起を見ながら問い掛ける。その質問に、想起がさっきと同じように答えた。


「じゃあ、私たちは風呂に入ってくるわね」


 女組四人は雑談しながら浴場へと向かって行った。その間、リクが酒を持ってきてくれた。それぞれの杯に酒を注ぐ。黑狂はちまちまと飲みながら、俺に聞いてきた。


「他にお前のような者は何人いるんだ?」


「六人だ。もしかしたら他にもいるのかもしれないが……取り敢えず俺と変態時龍、鍛冶職人の想起。ここに来ているかわからないが、天狗の狼に、未だよくわからない火御利。そして、霊夢の母親である霊妙さんだ」


「なにっ、この世界の霊夢にも母親が……!」


 やはり首を突っ込んだのは霊斗。二人に会わせるととんでもないことになりそうだ。


「なあ、絢斗と時龍はどこだ?」


 刀哉が辺りを見渡して聞く。まさか……


「どうせ女風呂覗きに行ってんだろ。幻真、見に行ってこいよ」


「はぁ⁉︎ 霊斗、俺を殺す気か?」


 桜に見つかったらひとたまりもないし……第一、霊奈って人も強そうだからな。


「じゃあ、そいつ持ってけ」


 黑狂が俺の方を指差す。一瞬戸惑ったが、振り向くと、そこには終作が腹を掻いて寝ていた。盾にしろと……俺にはできないわ。


「僕もついて行きましょうか?」


「リク、ここは幻真に任せといて大丈夫だぞ。コイツはこういうのには慣れてるからな」


 いやいやいや! あっさりと流すなよ霊斗! てか慣れてるってなんだよ!


「まっ、そういうことだ。幻真、頑張れよ」


「お、おう……っていだぁぁ!」


 俺は恵生に蹴飛ばされ、五メートル以上飛ばされた。目の前女風呂じゃねえか!!


 俺は心を決めて脱衣所に入る。浴場からは声が聞こえてくる。絢斗と時龍を探していると、上の窓ガラスのような場所が開いているのに気付いた。奥の方を見てみると、そこには絢斗と時龍が今にも覗こうとしていた。


「お、おいやめと——」


 俺は終わったとなと思ったな。浴場への扉が開いて、そこにいたのはタオルを巻いた桜だった。


「こ、こんなところでなにしてんのよ!」


 俺は顔が真っ赤になって熱くなるのを感じた。時龍と絢斗がいた方を見ると、二人はもういなかった。あいつら……許さねぇ……


「ごめんなさぁぁぁぁぁぁあい!」


 俺の声が屋敷中に響いた。








 〈想起〉



 幻真の声が響いた後、絢斗と時龍が走って戻ってきた。俺は悟った。幻真は終わったなと。


「なあ絢斗……俺ら幻真に殺されんじゃね?」


「なあに時龍、俺に彼の力では勝てないよ。君だって強いだろ?」


「うーん、どうだろな」


 時龍と絢斗がそんなことを話していると、部屋の扉が開いて霊奈が入ってきた。よく見ると、彼女は幻真を担いでいた。そのまま部屋にあったソファーに近づくと、そこに幻真を寝かせ、彼女は無言で戻って行った。


「頰にビンタの跡があるな。どうせ桜にしばかれたんだろうけど」


 霊斗が気の毒そうに言うが、笑っているようにも見えた。まあ、ドンマイだな……

次回いよいよ戦闘になると思います。でも、夜中の闘いになるでしょう。幻真と…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ