第52話 訪れる者たち
コラボ、星弥章始動。
〈幻真〉
「ここ、どこだ?」
俺は今、和室にいる。誰だここに送り込んだのは。
「よいしょっと。ここかな?」
「ぎゃあぁぁぁあ!」
急に誰かに踏み潰された。これは……スキマか。俺の上にいるのは一体誰だ——って……
「霊斗⁉︎」
「おお、幻真か。あれ? おかしいな。声はするのにどこにいるんだ?」
「いや、下なんだが……」
霊斗は俺を踏みつけていることに気付き、慌てて降りる。全く、なんなんだよこれは。
「何しに来たんだ?」
俺は呼んでないし、第一ここはどこなんだよ。
「まあ、祝いに来てやったのさ」
祝い? なんかあったっけ?
「そのうちわかるさ。さて、何名様かご案内するからな」
霊斗はそう言ってスキマを開いた。すると、何人か落ちてきた。相変わらず雑だな。落ちてきた人の中には、俺が会ったことのある人物もいた。
「取り敢えず、自己紹介してもらおうか」
「そうだな。適当に並んでくれ」
スキマから落ちてきた者が、一列に並び始める。
「創刻恵生だ。まあ、種族は神と妖怪だな。そうだな〜、甘い物あるか?」
甘い物ねぇ……
「これとかどうだ? ケーキだが」
「ほう、ケーキか。試食させてもらおう」
なんか適当に置いてあったから渡したけど、誰が作ったんだ?
「じゃあ、次」
「俺か。名前は刀哉。好物は刀剣類や和食、和菓子だな。嫌いなものは辛いものや牛肉、豚肉。馴染みが無いんもんでな」
なるほど、肉類や辛いものは嫌いと。
「そこに煎餅があるぞ」
「おお、煎餅か。どれどれ……」
机に置いてあった平椀に入ってる煎餅に、手を伸ばす刀哉。彼はそのまま煎餅を齧り出す。
「ふむ、醤油が効いてて美味いな」
「さて、次……ん?」
「ああ、こいつは喋らない。名前は経津主神。知ってるか? 日本神話に登場する、刀剣の神だ」
へぇ、神か。刀剣の神様、強そうだな。
「じゃあ次どうぞ」
「俺の名前は山上国下、種族は鬼神だ。普通の鬼とは違うからな。それに、嘘はつかない。信用してくれ」
二本の角が生えてるな。それにしても、あまり鬼とは変わりないように見えるが鬼神なのか。鬼神とはいえ鬼だ。拳で押し倒してくるやつだから、全く参る。
「あー、黑狂は?」
あれ、いない……ん?
「なんだ黑狂、茶道——って早!」
あっという間にお茶を点てやがった……
「お、サンキュー」
「この和菓子も美味そうだ」
恵生と刀哉の二人にお茶と和菓子を差し出す黑狂。さすがだな。
「おっと済まない、自己紹介か。黒素黑狂だ。種族は半霊半妖。やはり和食好きだ。趣味は茶道。高速でお茶を点てることができる。幻真、お前も和菓子食うか?」
「え、ああ、頂こうかな。うん……美味っ!」
やっぱり和菓子は美味いな! 何気に洋食派の人が少ないよな。
「さて、俺の名前は終始終作〜。半神半魔デース。あくまでも普通の悪魔だからな〜」
次は悪魔か。黑狂と同じ所から来たらしいが、やけに口調が適当だな。
「次は俺か〜。女の子少ないなぁ……俺の名前は相沢絢斗。種族は人間で、一応なんでも食うけど、特に好きなのは和食かな〜。中華はあまり好きじゃ無いけど、しっかり食べるよ」
へぇ、凄いな。苦手なピーマンを頑張って食べてるようなもんだぞ。
「さて、私ね」
え、まさか——
「桜⁉︎」
「何よ、連れて来られたけど、来て悪い?」
「いや、別に……って怖い怖い!」
桜を怒らしたら酷い目に合うからな……俺のトラウマだ。
「私の名前は安倍桜。種族は白狐の妖神と人間のハーフよ。いろいろあって不老不死。好きな物は、可愛いものとほんのり甘い和菓子ね。餡子とか」
その言葉と同時に、黑狂が饅頭とお茶を一緒に持ってくる。饅頭の中身は恐らく餡子だろう。
「うーん、美味しい!」
「食べ三昧じゃねえかよ!」
そう言ってる俺も、和菓子食べてるんだがな。
「で、そっちの跳ねてるテンション高い子は?」
「ああ、この子は鍵野玉木よ。種族は花火玉と花火筒の九十九神ね。私の式神でもあるわ。好物はスイカ、お酒、花火、海——あと笑顔ね。まあ、夏が近いからテンションが高いのよ」
「なるほど、納得」
俺は桜の説明に、納得した。
「ん、コイツが例のオモチャ?」
は? おもちゃ? 玉木が俺の事を見て喋ったかと思うと、おもちゃって……
「そうよ。好き勝手しちゃって」
桜……許さねぇからな!
「全く……幻真はほっといて、次どうぞ」
俺が主人公じゃないか! 勝手に進めるなー! 霊斗ぉぉお!
「えっと、僕の名前はリクです。種族は人間で、好きな食べ物や嫌いな食べ物はないです」
俺たちよりも年下っぽいな。
「僕の名前はルカ。種族は神……とは言い切れないかな。リクと同じで、好きな食べ物や嫌いな食べ物は無いよ」
神とは言い切れないのか。なんだか不思議な人物だ。
「さて、次の人で最後だな……」
ん? 霊斗どうしたんだ? 最後の人、なんだか凄い気を感じるな。
「私の名前は水嬢華霊奈……」
霊奈と名乗る人物は、名前だけ言って他に何も喋らなかった。
「まぁ、そんなわけで以上か。もう夜だし、俺と黑狂で夕食を作ってくる。幻真、酒はどのくらいある?」
俺は霊斗の問いに、酒の量を確認しに行った。冷蔵庫を開けると、中に酒瓶がズッシリと置いてあった。
「大丈夫そうだな。それじゃあ、適当に過ごしといてくれ」
霊斗はそう言い残して、黑狂と共に台所へと行ってしまった。
「さーて、酒だ酒だ〜」
相変わらず酒好きの国下。酒瓶を頂戴して、杯に酒を注ぐ。そして、勢いよく飲み干した。
「ぷはぁ〜! うめぇな〜!」
俺も酒が飲みたくなってきたな。酒を注いでっと。
「絢斗はなんの酒がいい?」
「日本酒を頼むよ〜」
俺の問いに答える絢斗。俺は彼のために杯へ日本酒を注いだ。
「桜はいるか?」
俺は桜に聞いた。
「私はいいわよ」
桜は飲まないのか。リクとルカは飲めなさそうだな——っておいっ!
「国下! 何リクに飲ませてんだよ!」
「なんだよ幻真、ただの酒じゃないか」
何がただの酒だよ! リクは酔っ払って寝ちゃったし……
「賑やかね……」
「貴方も参加したらいいじゃないの」
霊奈の呟きを拾った桜が言い返す。
「ふふっ、私には向いてないわ」
「そう。まあ、見てるだけでも楽しいかもね。賑やかって、良いわ」
霊奈が言った後に桜が言う。それを聞いた霊奈は頷いた。
次は俺が国下に無理矢理酒を飲まされ、恵生と刀哉、終作、ルカの四人は笑って見ており、リクは伸びていた。玉木がリクを突くも反応なし。とても騒がしかった。
参加してくださった先生と、そのキャラクター↓
山餅先生
創刻恵生
天城煌哉先生
刀哉
経津主神
面無し先生
山上国下
甘味処アリス先生
博麗霊斗
終作先生
黒素黑狂
終始終作
颯人先生
相沢絢斗
ファム先生
安倍桜
鍵野玉木
とも先生
リク
ルカ
甘奈川99%先生
水穣華霊奈