第23話 烏天狗の取材
「それでは幻真さん、取材を始めますよ〜!」
「えっと、なにもここまでしなくても……」
文はマイクを構え、インタビューを始める。本格的すぎて困る。
「え〜では、あなたは幻想郷出身者ですか?」
「いえ、幻想入りしました」
原因は現代で忘れ去られたせいらしいけど……忘れ去られたなら戻っても意味ないと思ってる。というか、まだ詳しい理由は不明なんだが。
「なるほど……では次です。あなたの能力は?」
「俺の能力は『炎を扱い龍を操る程度の能力』です」
たしかパチュリーが言ってたな。ってか、見てもらったんだっけ。
「それでは、スペルカードなどを教えてもらえませんか?」
まずは当初の炎符『炎之勾玉』だ。炎でコーティングされた勾玉の弾幕だな。威力はそこそこって感じ。
で、次は龍符『炎龍』——これは単に炎龍を召喚するだけのスペル。ここからあのふたつに変わるんだ。
防符『火之結界』——炎龍が結界に変形する。一枚の結界で、炎によってコーティングされている。そこまで硬度は高くない。
剣符『灼熱之龍剣』——炎龍が剣に変形する。剣には炎が纏わりついている。今は日本刀があるからあまり使う機会はないだろう。日本刀に炎を纏わせても、一応大丈夫だしな。
炎符『炎円弾』——円形型炎弾で、真ん中には穴が空いている。避けようと思えば避けれる。
炎符『無造炎弾』——無作為に炎弾を飛ばす。無作為だから、俺もどんな形の弾幕をどんな風に飛ばすかわからない。そこんところ、ちょっとデメリット。
龍符『三方炎龍』——三方向に炎龍を放つ。魔力を多量消費するが、威力は高い。さっきの狼との戦闘でも使ってたスペルだ。
龍符『一撃の炎龍』——レーザーのような感じで炎龍を放つ。スペル名の通り、当たれば一撃だろう。避けられると辛い。反動が大きいんだ。
夢符『勾玉弾幕』——魔力の消費を減らすために考えたスペル。ただの勾玉の形をした弾幕。威力はそこそこだな。
霊符『一筋弾幕』——マスタースパークには及ばないが、一点に弾幕を集中させて放つスペル。さっきの戦闘でも使った。
龍符『七方神炎龍』——魔力最大で威力を発揮する。使った後は何日間か魔力が使えなくなる。紅霧の異変でフランと弾幕ごっこをした後、数分後に気絶してしまったが……今は反動の心配は大丈夫だろうと思われる。
消炎——スペルというより、掛け声。炎龍の炎を消すというものだ。これで闇龍となる。俺の能力のひとつでもある。
龍符『闇龍』——変化ではなく、単純に闇龍を召喚する。
龍符『三方闇龍』——炎龍のときに使っていたスペルの闇龍版。三方炎龍よりも、魔力の消費は多量。
龍符『五方神闇龍』——炎龍の場合にはないスペル。五方に闇龍を放つ。七方神炎龍よりは、魔力の消費は多くない。
斬符『炎斬』——灼熱之龍剣に炎を纏わせて放つスペルだ。
斬真『炎真斬』——炎を纏った灼熱之龍剣で、真剣斬りをした感じだ。
「……なるほど、ありがとうございました! では、お次は狼さん!」
「え? 僕?」
「狼さんにもインタビューしたいと思います!」
「ええ⁉︎」
〈狼〉
「えっと、僕は狼天狗という種で……『自然を操る程度の能力』を持ってるよ」
「ふむふむ、それではスペルカードをお願いします」
風符『辻斬』——強烈な風を出すスペル。ただ飛んでくるだけの弾幕なら返せると思う。
葉符『葉斬』——葉をカッターのようにして飛ばす。鋭く尖っているから、切れるものは多いかな。
風符『風竜』——強風を放つスペル。ウィングエアーみたいな感じ。
水符『水弾』——水を纏った弾幕を放つよ。
水符『水壁』——水でできた結界。完全に防ぐことは難しいけど、衝撃を和らげることができる。
〈幻真〉
「こんな感じですかね」
「なるほど……ありがとうございました! 私は帰って記事に纏めます!」
文はどこかへと飛び立ってしまった。俺はその後、狼に今日のお礼を言って帰るのであった。