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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第肆章 新たなチカラ
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第133話 魔界、そして法界へ

 霊夢、魔理沙、早苗の三人は聖蓮船から出て法界上空に向けて飛んでいく。その道中、彼女らは一人の少女に声をかけられる。


「おや? 君たちも魔界まで来たのかい?」


 いち早く気付いたのは魔理沙であった。彼女は少女を指差しながら言う。


「あ! あの時のネズミ! ここにいるって事は、やっぱりお前もあの船と関係有ったんだな」


「どうやら探していた物の一つは、君たちが集めていたと聞いたよ。私は船長たちに内緒で、別の宝を探していたんだ。ご主人様もうっかり無くしてた、だなんて恥ずかしくて私以外に言えなかったんだろうね」


 呆れた様子で言うナズーリンは、懐から一つの道具を取り出す。


「この毘沙門天の宝塔……ちょっとだけ使わせて貰おうかね」


 そう言って片目を閉じ、まるで照準を合わせるかのようにして宝塔を彼女らへと向ける。そしてその宝塔は光り出し、光線が彼女らを襲う。だが、彼女らは咄嗟に攻撃を躱した。


「むぅ……そう一筋縄にはいかんか。なら、これならどうかな。宝塔『グレイテストトレジャー』」


 ナズーリンは全方位に放射状にレーザーを発射した後、そのレーザーを光弾の列に変えて拡散させる。その攻撃を躱しながら、ミニ八卦炉を手にした魔理沙が叫ぶ。


「どうやらこの空間は、魔力を上げる瘴気があるっぽいな。特大威力の技、ぶっ放してやんよ! 恋符『マスタースパーク』!」


 いつにも増して特大サイズなそのレーザーは、一瞬にしてナズーリンを飲み込む。その凄まじい光から、彼女らは腕で眩しさを防いだ。


 暗い世界を照らした閃光が止み、再び世界は暗がりへと化す。あの凄まじいレーザーを喰らったからには、タダじゃない済まないだろう。彼女らはそう思っていたが、ナズーリンの姿はどこにもなかった。


「え……まさか、消し飛んで……」


「いや、彼女は頭のキレる子だからな。攻撃を受ける前に上手く逃げたはずだ」


 その声の主は、幻真であった。思えば、彼はナズーリンを追って彼女らと一度別行動を取っていた。始め彼の姿が見当たらなかった事にソワソワしていた霊夢は、心配した事に損をしたと言わんばかりに溜息を吐いていた。


「もう……心配したわよ。もしかしたら、あの鼠に食べられちゃったんじゃないかと思ったんだから」


「悪い悪い。まあ、食われかけたのは事実だけどな」


 そんないつもと変わらない彼の様子に、魔理沙と早苗も安心した様子でいた。だが、彼女らの頭には気になる事が思い浮かんでいた。その事について最初に聞いたのは、早苗であった。


「そういえば幻真さん、どうやってこの世界——魔界に来たんですか?」


「ああ、その事か。俺も、お前たちと一緒のようにして聖輦船に乗ってきた。ナズーリンも一緒に乗り込んだから、あの船については色々聞かせてもらった。飛倉の破片についても少し説明を聞いたな。あと、聖っていう人物についてもな」


 彼の言葉から、彼の持つ情報と霊夢たちの持つ情報は、ほとんど同量であり、同じ内容である事が分かった。


 そして彼が合流したことにより、四人での戦い——と言っても、彼女らは一人ずつ戦っていたのだが、一人加わるだけでも心強い。


 ある悪い考えを持っていた霊夢であったが、彼の言葉に衝撃を受けてしまう。


「悪いが、俺は同行できない。事の解決はお前たちに任せる。俺の心配はしなくていいから、自分たちの事に集中してくれ」


 彼はそれだけ言い残し、所々建物が見えていた魔界の下方へと飛んで行ってしまった。呼び止めようとした早苗であったが、霊夢に止められて仕方なく法界の上空を目指した。






「——ほうほう、見た事無い封印だな。これは一筋縄ではいかないだろう。この封印を解くには私たちの持っている宝が必要らしいんだが……宝って、本当にこのUFOのことなのか?」


「あの船長もそう言ってましたし、きっとそうなんでしょう」


 封印の前で会話をする魔理沙と早苗。霊夢もまた興味深そうに結界を見ていたが、突然した背後からの声に驚かされる。


「そう……待っていたわ。貴方たちの持っているその飛宝。それがあれば、ここの封印は解けます」


「ん、誰だ?」


 その女性は、虎の体色のような金と黒の混ざった髪を持ち、頭上に蓮らしき花を模した飾りを乗せていた。


 虎柄の腰巻きをつけ、背中には白い輪を背負っており、また左手には背丈よりも長い鉾を持っていた。因みに、この鉾は威厳を保つ為の飾りで彼女は杖代わりに使っているようである。


「私は毘沙門天の代理であり、聖の信仰を一身に受けていた者です。名を、寅丸とらまるしょう。以後、お見知り置きを」


 丁寧に自己紹介をし、一礼する星と名乗る背の高い女性。すると、彼女は懐から霊夢たちにとって見覚えのある物を取り出す。それ見た霊夢は呟く。


「それって、さっきの鼠が持っていた……」


「そう。ナズーリンが持ってきたこの宝塔と、貴方たちの持ってきた飛倉の破片が揃えば、ここの封印を解くことができます。そして、聖への恩を返すことができるのです!」


 そんな自信と喜びに満ちていた彼女であったが、一方で魔理沙は頭を抱えて悩んでいた。


「あの船長や幻真も言ってたけど、このUFOが……飛倉の破片? 飛倉って何だ?」


「あれ? 知らないで集めていたんですか? その飛宝」


 魔理沙は照れ臭そうに、頭を掻きながら問う。それを聞かされたら星も、驚きを隠せないでいた。


「気が付いたら集めていたな。まあ、霊夢たちに比べたらそこそこではあるけどな」


「飛倉とはその名の通り、空を飛ぶ穀倉です。弟様の霊妙な力が込められた倉であるその霊力は、倉に触れるだけで空を飛んだり、身体能力をあげる程だったのです」


 思い出したかのように頭の中で思考する早苗。先程、船の中で村紗が言っていた気がしたからだ。


「ほう……それで?」


「その倉は数百年もの間、我々と共に地底世界に封じ込められていました。ですが、今冬、突然の間欠泉により解放されたのです。そして、飛倉の破片は間欠泉と共に地上に散らばったのです」


「間欠泉か、そう言えば去年の冬に沢山出ていたな」


 そんな過去の出来事を懐かしむようにして魔理沙は呟く。すると、星は悔しみと哀しさの気持ちから言葉を続ける。


「我々も地底から目覚めた時には、既に破片は妖精たちによって散り散りとなっていました。聖の封印が解けるのは弟様の法力だけです。しかし、弟様の霊力が残っている物は、もうその飛倉の破片しか有りませんでした」


 強く拳を握る彼女。だが、そんな彼女を他所に口元をニッと動かして笑い、何かを企む様子の魔理沙。


「よく分からんがこのUFO、大切な物なんだな? 貴重品なんだな? 妖精を狂わせていたのもこのUFOだし、何個か家に持ち帰って調べたいぜ」


「今、飛宝を持ち帰ってはいけません。ここで封印を解くために無くてはならないのです。ましてや、貴方がその飛宝の力を悪用するような事態があっては困ります」


 魔理沙を説得させようと試みる星であったが、又もや彼女の気持ちを他所に早苗が口を挟む。


「なら、私は問答無用で貴方を退治させていただきます!」


「私は妖怪ですが、毘沙門天に帰依しています」


「あ、あれ? でも、退治して見せます!」


 そんな二人の発言から呆れを見せる霊夢。彼女自身も加わろうと考えたはモノの、この二人に合わせるのもどうかと自重した。


 一方で、彼女と同様にして呆れを見せる星。彼女は渋々と、宝塔を二人へ向ける。


「こうしたくなかったのですが、仕方有りません。毘沙門天の宝塔が照らす法の光が、貴方たちから邪心を奪うでしょう! 宝塔『レイディアントトレジャー』!」


 へにょりレーザーを纏わせたレーザーを全方位に発射した後、それを光弾の列に変化させて拡散させる。先程ナズーリンが宝塔を使って繰り出した技に似ていた。


「へっ、甘いぜ! 魔符『アルティメットショートウェーブ』!」


 魔理沙による紫と黄の交差した波が、後方から前方にかけてレーザー諸共、相手を薙ぎ払う。対する星は僅かに被弾はしたものの、直ぐに体勢を立て直し次のスペルカードを発動させる。


「光符『アブソリュートジャスティス』」


 青のレーザーを縦一文字に数本発射して分断し、同時に横に並んだ黄色の鱗弾を垂直に降らせる。その攻撃を躱すのに苦戦を強いられ、また所々被弾する魔理沙と早苗。


 やはり自分も加わった方が良いかと体を動かそうとする霊夢であったが、彼女たちの戦闘を見て悟る。



 ——まだ、負けてないと。



「こんなもの、まだまだおあいこですよ! 蛇符『神代大蛇』!」


 相手を潰すようにして倒れる様に召喚した巨大な蛇。大きさのお陰か、星は倒れてくる前に難なく躱す事ができたが、それは彼女にとって大きな過ちだった。


「魔理沙さん、今です!」


「なっ! しまった!」


「悪いな! 全部作戦通りだ! 恋符『マスタースパーク』!」


 早苗の技によって誘導された星は、彼女らの作戦にまんまと掛かってしまい、最大威力の攻撃を喰らってしまった。爆煙がその場を包み込む。


「ゴホッ、ゴホッ……流石、飛宝を集めていただけの事がありますね。格なる上は……」


 星が降参せず戦おうとした為、魔理沙は慌てて彼女を止める。


「待て、心配しなくても大丈夫だ。封印を解く事には協力するつもりだ」


「え、ちょっと魔理沙?」


 心配そうに言葉を発した霊夢に対し、魔理沙は大丈夫だと言わんばかりにグットサインを送る。


「そうですか、では貴方も同胞ですね」


 だが、それは彼女の企みの為でもあったのだ。


「その代わり、無事に封印を解いたらこの飛宝、ちょっと分けて貰うぜ」


「うむ……約束しましょう。ただし、一つだけですよ? 貴重品なので」


「やったぜ!」


「もう……あんたって人は……」


 呆れる霊夢。嬉しそうに笑う魔理沙。そして苦笑いする早苗。彼女らは最後の目的達成へ、再び結界の前へと向かった。






「——さあ、この宝塔と貴方の持つ飛倉の破片を」


 星に促されて三人を代表し、霊夢が封印を解く。すると、結界の中である法界から一人の女性が現れる。


 その女性は金髪に紫のグラデーションが入ったロングウェーブに金の瞳を持っていて、服装は白黒のゴスロリ風のドレス姿に表地が黒・裏地が赤のマントを羽織り、黒いブーツを履いていた。


「ああ、法の世界に光が満ちる。貴方がこの世界を解放してくれたの?」


「ああ! この魔理沙さ——」


「あんたは静かにしてなさい」


「ちぇっ」


 魔理沙の割り込みに冷たく対応する霊夢。そんな魔理沙は不貞腐れながらも、霊夢より後ろに下がった。その様子を見届けた霊夢は溜息を吐いてから一度深呼吸をし、再び女性との会話を始める。


「やっと見つけたわ。あんたが妖怪の親玉ね?」


「妖怪の? 親玉?」


 霊夢の言葉にあまり理解ができないでいる女性。そんな彼女を見越してか、霊夢は言葉を続ける。


「そう、妖怪たちがあんたを復活させようとしていたのよ」


「そうだったの……もう千年以上もなんの力にもなれなかったというのに……まだ私を慕ってくれている妖怪もいたのですね」


 霊夢の言葉に嬉しそうにしながらも涙を流す女性。そんな彼女にやりにくそうな表情をしながらも、霊夢は問い詰める。


「で、あんたは何者なのよ」


「申し遅れました。私の名は白蓮びゃくれん。遠い昔の僧侶です。貴方は見たところ巫女のようね? 私を再び封印し直すとでも言うの?」


「あ……え、ええ。そのつもりよ!」


 そんな予期しなかった言葉に、霊夢は若干返事が遅れる。


「貴方もまた、妖怪を虐げる者の一人なのね。私は気付いたのです。神も仏も妖怪に過ぎないと。妖怪として排除するか、神様として崇めるか。それは、人間が決める事なのです」


「へー。ま、私は神様だって退治するけどねー」


 白蓮の長話に若干の飽きを覚えつつも、間の抜けた返事と共に霊夢は答える。すると、白蓮の頭上に巻物のような物が現れる。彼女はそれに向けて、両手を伸ばして言う。


「ああ、私の巻物に法の光が満ちてくる。私はこれから、私を解放してくれた者へ恩を報いに行かなければなりません」


「むむ、放って置いて大丈夫なのかしら?」


 その言葉に危機感を覚えた霊夢は、お札とお祓い棒を構える。


「貴方の妖怪を全て排除する考え、私にはそれを否定する事はできません。ですが、再び私を封印すると言うのなら──私は精一杯抵抗します」


「そう。なら、私は貴方を倒すだけ」


「私が寺にいた頃と、人間は変わっていないな。誠に愚かで自分勝手であるッ! いざ、南無三──!」


 その掛け声と共に、一気にばら撒かれる弾幕。その弾幕を躱しながらも、白蓮への接近を試みる霊夢。隙あらば、お札を飛ばしての攻撃。そんな怯みを見せない霊夢に対し、白蓮はスペルカードを発動させる。


「魔法『紫雲のオーメン』」


 それは紫の光弾と米粒弾をそれぞれ全方位に発射させる技となっていて、霊夢は突然変わった弾幕の軌道に苦戦を強いられる。


 そんな霊夢と白蓮の弾幕ごっこを見ていた魔理沙は、ポツリと呟く。


「あいつ、私の同業者だな」


「同業者?」


 彼女の言葉を拾った早苗は、疑問を抱きながら彼女へと問い返す。問い返された彼女は早苗に振り向くことなく、戦いを観戦しながら話す。


「ああ。私の同業者、つまり魔法使い。だが、どうやら白蓮の性質は身体能力(・・・・)の強化。僧侶と言っていたが、恐らく昔は大魔法使いだったんだろうな」


 彼女の見解に頷く早苗。近くでその話を聞いていた星も、口を挟まなかったものの彼女らの話に相槌を打っていた。


 一方の弾幕ごっこ。霊夢は若干被弾はしたものの、まだ負けていない。反撃せんとばかりにスペルカードを取り出そうとしたが、先手を打たれてしまう。


「超人『聖白蓮』」


 超人の名に相応しく、白蓮は信じられない程の目にも止まらぬスピードでジグザグ移動する。ギザギザに動く彼女は、その軌跡に弾幕を配置。また、ギザギザに配置された弾幕は一定時間が経った後に動き出し、周囲に拡散される。


「ぐっ……動きが捉えられない!」


 その速すぎる動きに混乱させられる霊夢は、一時的に守りへと入る。ギリギリの弾幕の間を避け、次の攻撃を先読みしつつ反撃を図る。だが、やはり高速度には追い付かない。


 そんな彼女を物ともせず、白蓮は次の攻撃を行う。


「大魔法『魔神復誦』」


 三段階に構成されたその技は、霊夢を更なる困惑へと陥れる。


 最初の段階では、白蓮周辺の四つの物体から網目状のワインダー弾幕が張られると共に、彼女から放たれた中玉弾が上部にて反射した後下に向かって降ってくる。更に、彼女自身が大玉弾を霊夢目掛けて放ってくる。


 その後、やや間を置いてビットから太目のレーザーが放たれ、ワインダー状に左右に振られる。


 二段階目では、白蓮からの中玉弾が白蓮から直接下方向にも放たれるようになり、霊夢は更なる苦戦を強いられる。


 そして三段階目では、先程までの攻撃に加えて白蓮から全方位の小玉弾が発射され、まさに発狂状態という有様であった。


「なんて凄まじさだ……」


 観戦者の魔理沙が、つい感心と共に出た言葉を口に出す。早苗もまた、その迫力のあまりに言葉が出ずにいた。


 そんな遠慮の無い僧侶と戦う霊夢は、避けきれなかった弾幕に被弾し、服の所々がボロボロになる。しかし、やっとの思いでその攻撃は止み、白蓮と向き合う。


「これだけ圧倒して尚、貴方は戦うと言うのですか」


「ええ、もちろんよ。ここで引いたら、博麗の名が廃るからねッ!」


 彼女の折れぬ心と、その勢いのあまりに呆れと関心を持つ白蓮。そしてそれに答えねばならんとばかりに、最後のスペルカードを手にする。


「では、これで終わりにしましょう」


「望むところよ!」


「飛鉢『フライングファンタスティカ』!」

「霊符『夢想封印』!」


 白蓮は魔法陣を背後に展開し、それの花のような部分からお札型の弾を円状に発射する。弾幕は青色の線で繋がっており、ゆっくりと膨張と収縮を繰り返しながら次々と霊夢に向かって降ってくる。


 対する霊夢は、色とりどりの大き目な光弾を次々と飛び出しては相手めがけて飛ばし、当たると同時に炸裂する彼女の御馴染みのスペルカードを使用した。


「うおっ……! なんという迫力……!」


 そのぶつかり合いによる、先程よりあまりにも凄まじかった迫力に圧倒されて、つい腕で防ぐ魔理沙。早苗もまた圧倒されつつも、その戦況を目にする。すると、ある事に気が付く。


「お札が……」


「なに? どうした」


「お札の色が青色から水色に変わってます! それに、弾の量も増えている!」


 その彼女の発見に、つい視線をそちらに向けて確認する魔理沙。そして目にする。変わっていくお札の色と、弾の量を。


「ホントだ! 気付けば黄色に変わってやがる!」


「恐らく、あれは彼女の体力と連動している。何段階あるかはわかりませんが、私の読み通りで合っているはず」


 二人の戦いを考察する早苗。そんな話をしている間にも、お札の色は紫に変色。そして赤色に変わった時、白蓮は最後の力を振り絞ろうと叫ぶ。


「はああああアァァ‼︎」


 彼女の雄叫びにニヤリと口を動かし、その勢いを比べようとせんばかりに霊夢も叫ぶ。


「やああああアァァ‼︎」


 彼女らの怒涛の叫びと弾幕の凄まじさの末、爆発が起こり勝敗を決める事となる。


 いったいどちらが勝ったのか。ゴクリと息を飲み込む観戦者。そして流れる沈黙。


 爆煙が振り払われ、その場にいたのは——




「——勝負あったわね。博麗の巫女の勝利よ」


 霊夢であった。








 〈幻真〉



「さて、魔界の街に来たわけだが……」


 霊夢たちと再会した直後、再び別行動を取った俺は魔界の下部にある街へと来ていた。その目的はというと——


「この路地裏か」


 高い建物の並ぶ中、空いた通路を通っていく俺は、何かに導かれるようにして歩いて行く。当の俺はというと、その導きの誘いに乗るようにして進んで行く。


 すると、視界が暗転。何も見えない中辺りを見渡していると、見覚えのある景色に遭遇する。


「お待ちしておりました。No.003」


「お待ちどうさま、仮面の支配人さんよ」


 ある扉の前に立っていた見覚えのある仮面の人物へと挨拶をする。そして、お待ち堂様とは一体どう言う訳か。


「ほう、貴方は我々の導きに乗ったと、そう仰るのですか」


「ああ。早くアイツに会わせろ。話がしたい」


 仮面の人物は深く一礼。そして姿を消すと同時に、大きな扉は開かれる。その扉に向けて、再び俺は足を動かした。


 光に包まれた扉の先に待っていたのは、白髪の少女である。


「やあ、会いたかったよNo.003——否、幻真」


「よお、俺もだよ——ニュクス」


 俺は、因縁の相手との再会を果たした。

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