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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第参章 悪魔の目論見
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第113話 強欲に飲まれし者

どうも、狼天狗です。

毎度閲覧ありがとうございます。

さて、今回は前回に引き続き悠飛との対面。

一体どの様な展開になるのか。

そして、彼にもまた異変が。

 突如として目の前に現れた少女——朝露悠飛。俺の記憶が確かなら、彼女は常に仲のいい二人の知人と一緒にいると思っていたのだが……珍しく単独なのか?


 悠飛に近付こうとしたその時、それを止めるようにして現れた腕。その腕は、フランのモノだった。


「待って幻兄。あの人、様子がおかしい」


 言われてみて、様子を伺う。先程大きな気と絶大な感情が共に押し寄せた。その直後に現れたのは悠飛。そして、改めて彼女からある強い感情を感じ取った。




 ——強さを欲す、強欲の感情。


「あの感情って……」


「フランちゃんと私が飲み込まれた感情と同じ。ただただ強い力を要求する感情、七つの大罪が一つ——強欲」


 淡々と説明するこいし。その恐ろしき名を耳にした魔理沙は、驚きを隠せないでいた。同様に、俺も息を飲み込んで緊張感に襲われた。


 彼女、悠飛はある一本の槍を手に取り、矛先をこちらに向けて戦闘体勢へと入る。俺たちも同じようにして臨戦態勢へ。俺は日本刀と雷刀ゼニシアを、魔理沙はミニ八卦炉を、フランは杖とはまた違うレーヴァテイン、炎の剣の形をしたレーヴァテインを手に取った。


 俺はこいしの方に視線を向ける。彼女は俺に向けて熱い視線を送って、自身の気持ちを伝えようとしていた。


 と言うのも、実はこの編成を組むと同時に作戦も練っていた。それは、こいしの能力が大きく関わる作戦。相手の無意識(・・・)を操ることにある。


「『空飛翔・風突』」


 始めに動いたのは悠飛だった。彼女は自身の槍に風の弾を付与する。見るからにも、危険なシロモノだ。超技術の神風によって悠飛のいた場所を風の如く通り過ぎ、移動する時に通った場所には風による斬撃が押し寄せた。その中に悠飛が飲み込まれ、砂埃によって姿が見えなくなる。


 ヒュ〜と口笛を鳴らす魔理沙。だが、今ので倒したと思って油断はできない。純粋な時の彼女は普通に強かった。いや、可笑しいほど強かった。だから、感情に飲み込まれていたら——


 すると、砂埃が薙ぎ払われる。その中には、槍に風の弾を付与したまま無傷で立っている悠飛の姿があった。ここまで通用しないとはな。


 余裕を与えることなく、相手も動き始める。槍をその場で突いた直後、風の弾が直線上に向かって高速——否、光速でこちらに向かって飛んできた。その瞬間は当に過ぎており、風の弾は俺たちの間を通過した。


 ゴクリと息を飲み込み、悠飛の方へと振り返る。そして、俺は声を張り上げ皆に伝えた。


「作戦に移るぞ!」


 フランと魔理沙が反応したのを確認し、フランは空中から悠飛に向かって飛んでいく。さすが吸血鬼といったところか。速さが尋常じゃない。


 剣と槍が交じり合うその刹那、魔理沙が遠方からスペルカードを放つ。


「恋符『マスタースパーク』!」


 放たれた極太レーザー。それは、一直線にして交戦する悠飛とフランの元へと飛んでいく。


 素早くフランは回避。そして、標的(ターゲット)である悠飛はというと、避ける素振りを見せない。迎え撃つと言うのか?


 自身の槍を後ろに引き、勢いよく前に刺突する。すると、先程見た風の弾が光速でレーザーに吸い込まれるかのように突進。レーザーは中が空洞の筒状と化し、風の弾は魔理沙を直撃した。


「魔理沙! チッ……ぬおおおおおおおお!」


 俺は今までこいしの能力で、悠飛の無意識を操って居場所を悟られないようにしていた。背後から一度収めた日本刀を使用し、鞘から抜き放つ動作によって相手を斬る様に見せ、峰打ちの打撃を与える抜刀術を繰り出した。




 ——しかし、そうも簡単にはいかなかった。攻撃は受け止められるどころか、日本刀もろとも貫通して更には破損。あろう事か、胸部には槍が刺さっていた。


「ッ⁉︎ う、あ゛ぁぁぁぁあ!」


「幻兄!」


 俺の名を叫ぶフラン。こっちに来ようとするのを止め、ゆっくりと悠飛の方を向く。そして、余力もないのにニヤリと口を動かして見せた。


 青く、強欲に染まった彼女の瞳。力だけを欲し、他には何も見ていないかのように見えた。こうなったら——




 ——幻力解放だ。


 その直後、猛烈な突風が俺を中心に巻き起こる。刺さった槍が抜けて、悠飛は吹き飛ばされていく。


 そして、手に持った刀。幻なのにあらゆる物を切り裂くその刀の名は——蝶玥破ちょうげつは。それには銀色に光り輝くオーラが纏っていた。


「幻兄の頰に、龍の紋章が……」


 呟くフランの声を小耳に挟む。この幻力……まさか幻龍が関係しているのか……?


『——青年よ、我を呼び出してみるがよい』


 脳内に直接話しかけてくる、とある声。聞いたことのない、低い声。だが、察しは付く。そうだろ……"相棒"!


「幻龍ッ!」


 幻龍が召喚される事によって、初めて幻力を使いこなせるようになる。さあ、俺たちの力を見せてやろうぜ!


「幻符『乱蛾龍焉らんがりゅうえん』!」


 地を蹴って悠飛の元へと飛んで行く。その周囲を乱雑に斬り裂き、銀色のオーラを纏った斬撃を相手へと飛ばし、自分は身を隠す。


 悠飛はと言うと、槍を仕舞い、別の武器である剣を取り出して瞬時に判断して斬撃を受け流す。そのタイミングを見計らい、幻龍を放つ。


 当たり前だが、その攻撃は通用しない。そして、背後から刀を振るう。



 ——ガシャン‼︎



 両者の剣が交じり合う。お互いに斬り合い、避けれなかった攻撃は皮膚を斬り裂き、衣服をも斬り裂く。ふと、自身の脳裏にある"記憶"が過ぎる。



 ——剣術を教えましょう。



 ああ……そうだったな。この技、忘れるもんか。この思い、届け!


「真剣斬りぃぃぃい!」


 その技は、咄嗟に剣で防いだ悠飛を吹き飛ばした。彼女は木に激突し、意識を失った。


 幻力を解くと、一気に力が抜けたせいか、膝を地面に突けて息を荒げる。背後からは後衛に当たったこいしが魔理沙に肩を貸し、フランは高速で俺の元へと飛んできた。


「幻兄、怪我はない⁉︎」


「あ、ああ。大丈夫だ。これもみんなのおかげだ、礼を言う。魔理沙は大丈夫か?」


「これぐらい軽い軽い。でもよ、本当に悪魔たちが攻めて来てるなんてな……」


 俯く魔理沙。こいしとフランも不安そうな表情を見せる。すると、先程吹き飛ばした木の方から唸り声が聞こえる。俺は直ぐに起き上がり、臨戦体勢として雷刀ゼニシアを構える。


「いててて……あれ? ここは一体……」


「元に戻ったんだな! 良かった〜」


 安心した声で言う魔理沙。なんとか助けられたってとこかな。取り敢えず、ここじゃアレだろうし場所を変えて事情を聞くとしようかな。ここからだと……やっぱり紅魔館かな。


 ふらふらな体ながらも、俺は悠飛に肩を貸して紅魔館へと向かって行った。

今回、幻真は再び幻龍を呼び出しました。そして新たな武器を作成。強化へと繋がりました。

次回は霊夢達の視点です。

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