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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第参章 悪魔の目論見
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第109話 色欲と強欲は舞い踊る

どうも、狼天狗です。

いつも閲覧誠にありがとうございます。

今回は前回に続き、時龍の色欲戦。そして、強欲を司りし者と、あの短気野郎の戦いです。


それでは、どうぞ。

 桃色髪の少女が目の前に現れる。襲いかかる気持ちを抑え、武器を構えた。


「貴様は我に攻撃を与える事は不可能だ」


「そんなもん、やってみねぇとわからないじゃないか! 奥義『観音刀』!」


 数本の刀を扇型で空中に展開し、少女へ向けて飛ばす。しかし、それらは当たる事なく、まるで操られているかのようにして避けていく。なんで当たらないんだ?


 超技術——縮地で間合いを詰め、エンチャントによる効果で夢龍剣の折れた刃の部分を黒い炎で創り出す。そして、そのまま斬りかかっていく。だが、どうしても当たらない。一体どうなってるって言うんだ。


「おい……術とか言ったな。一体それはなんなんだ?」


「自分の身で確かめる事だな」


 少女はそう言い、双剣を構える。その双剣には桃色の炎が纏っていた。そして俺は、とんでもない感情を身に締めて感じる。なんて色欲だ……魅了されてしまう……


「我が名はアスモデウス。七つの大罪、色欲を司りし悪魔。貴様には我の隷となって貰おう」


 その言葉と同時に、強烈な気迫に圧倒される。自分の体は地面にひれ伏し、立つ事すら儘ならない。更に、だんだん感情に飲まれていく。マズい、このままでは……


「さあ、我が下僕に……」


「そんなの……なってたまるかぁぁぁ!」


 叫ぶ俺に共鳴するかのように、黒色の龍と白色の龍が目の前へと現れる。そして、自分の体へと入り、みるみる力が湧いてくる。そう、黒龍と白龍を俺の体へと取り込んだ。そして、自分の双手が黒と白の大きな腕へと変化した。


「なっ……貴様、それは一体⁉︎」


「これは、俺が完全に黒龍と白龍を取り込んだ姿だ。片方だけ取り込んでしまうと、その龍と同色の翼が生えて自我を失ってしまうが、そんな心配もない……長話が過ぎたな。覚悟しろ……アスモデウス!」








 〈星弥和正〉



 団体行動が嫌いな俺は、単独行動を勝手に行っている。実際、なぜここに来たのか……自分でもよくわからない。取り敢えず、強い奴とでも会いたかったのだろう。


 それにしても、この空間は実に興味深い。探索し甲斐がある。


「むッ……魔物か」


 目の前に現れた五体の魔物。俺は戦闘体勢を取り、攻撃に入る。この数だと範囲攻撃が効くだろうか。とにかく、的確に処理するとしようか。


「『魔道(イビルロード)』」


 地割れを起こし、そこから弾幕が飛び交わす。魔物共は避ける動きを見せずに、攻撃を受ける。一体何を考えていやがるんだ。


 爆煙が止んだ直後の景色に、俺は目を疑った。コイツら……ダメージが通ってないとでも言うのか!


「嘗めやがって。これでも喰らえ、『戒魔拳』」


 拳に特大の魔力を纏わせ、一体一体確実に倒していく作戦へと変更する。しかし、やはり魔物どもは反撃してくる様子を見せない。なんだか嫌な予感がしてきたぞ……


 ビビっていてはいけない。気に食わないアイツに小馬鹿にされる事だけはゴメンだ。


 すると、何か一つの予感が脳裏に過ぎる。俺は咄嗟に魔物たちから距離を取り、その様子を伺う。


「なんだ……? 青い炎を……纏っただと?」


 そこから感じる、溢れ出す感情。まるで強い力を欲するような、そんな感情が。


 頭を悩ませるも、遠慮無しに魔物は襲いかかってくる。急に力を欲し始めたかのように。先程までやる気を見せなかったくせに。


 魔物たちは口から青い炎を纏った弾丸を連続で飛ばしてくる。あんな得体の知れないモノに触れては、恐らく一貫の終わりだろう。注意しなければ。


 弾丸を躱しつつ魔物たちに接近を試みる。あの様な魔物、一体どう攻撃すればいい?


 すると、何やら溜め技を繰り出すような動作を始める。その一瞬を逃さず、縮地で距離を詰めて戒魔拳より一段階上の技をお見舞いする。


「消えろ、『消滅真拳』」


 瞬足で五体の魔物たちの目前に移動して、確実に撃破した。全く、手間をかけさせやがって。さて、先に進もうか——


「——っと、なんだ貴様」


 目の前に現れた一人の男。身長は俺よりやや低い。体型も至って普通の青髪の少年。


 閉じていた男の目が開く。その瞳の色は、まるで力を欲すかのような青い瞳だった。


「俺様はマンモン、強欲を司りし悪魔。どれ、お主の金銭欲を満たして——」


「興味ない」


「ぐふッ……」


 隙なんて与えずして、俺は殴りを入れた。


「金なんてどうでもいい。それに、俺の前に立つということは、どういうことかわかるな?」


 その男、マンモンは殴られた腹を抑えつつ俯いていた。すると、奴の様子が一変した。


「その力を……俺様に寄越せ!」


 突如飛んでくる青い炎を纏った強欲の手。素早く躱すも、もう片方の手で首を掴まれてしまう。


 段々力が吸い取られていく感覚を覚える。このままでは……マズい……!


「いい気に……なるなよ……!」


 体は浮きつつとも自身の横にブラックホールを出現させ、指で操作して奴の背後へと移動させる。俺はニヤリと口を動かす。それを見た奴もまた、ニヤリと口を動かす。この状況で一体何を企んでいやがる……!


「俺様を吸うつもりだろうが……そんなモノ、俺様自身も吸収すればいい話」


 奴の言葉に耳を向けず、ブラックホールを無我夢中で操作して吸い込もうと試みる。だが、あろうことかそのブラックホールがマンモンへと取り込まれてしまった。


「ふむ……いい力だ。この力、君も感じてみる?」


 唖然としていた俺の目の前に奴が現れ、腹部を思いっきり殴られる。思わず痰を吐き、腹元を抑えて崩れ落ちてしまう。俺が……こんな奴に負けるなんて……


「何があっても認めねぇ! 鬼神解放ッ!」


 詠唱と共に鬼神の力が解放され、俺の犬歯と二本の角がみるみると伸びていく。そして、神妙鉄の小手を装着して再び構え直す。


「へぇ……君、鬼神だったの。もっと君の力が欲しくなってきたなぁ。その力……俺様に寄越せ!」


「ごちゃごちゃとうるせぇよ。これでも喰らいやがれ」


 突進してくるマンモンに対し、大きさを変えれる神妙鉄の小手を巨大化させて一気に振り下ろし、マンモンを下敷きにする。流石のコイツも、この攻撃は効いただろう。


「と、思うじゃん? 今のは、なかなかだったね。絶対に君の力は貰うよ」


 そう言って、下敷きにしたはずの奴の体には異常が無く、何事もなかったかのようにしていた。


「チッ……小癪な。その口を利けなくしてやる」


 小手を元の大きさに戻し、しっかり嵌め直してマンモンに視線を向ける。歯をギリッと鳴らし、縮地で距離を一気に詰めて今度は小手の重さを変えて、殴りかかる。奴はその攻撃をモロに受けた。


「なかなかの威力だね……でも、俺様には効かないかな。ほれっ」


 驚く俺を気にせず、マンモンは俺に対してデコピンで一気に壁まで吹き飛ばす。なんて馬鹿力だ。これが強欲の力とでも言うのか……!


 壁から這い出てきた俺はそれをバネとして使い、縮地で距離を縮めた——と見せかけ、上空を通過。そう……超技術、空歩だ。


 背後を取った俺は、思わず口をニヤリ。背中目掛けて特大の威力を誇る殴りをお見舞いする。マンモンは思わぬ威力に地に伏せる。そして、奴の頭に足を乗せる。


「ぐああっ! いだいいだいいだい!」


「あ? 何が痛いだ。なんともないくせに嘘を吐くな」


「へぇ、バレてたか。なら、これでもいかがな? 俺様の取って置きのこの技。強欲『グリードマスターレーザー』」


 奴は強欲の炎を纏ったレーザーを放ってくる。あのレーザーは強烈だ。まともに受ければ身がもたないだろう。拳でも危うい。ならば、レーザーで対抗だ。


「『次元魔』」


 空中を殴って空間を裂き、そこから邪悪なレーザーを撃つ。絶対に……負けねぇ!


「うおおおおおおおおお!」


 その直後、突如として意識が遠退く。なんだ、これは……? 一体、なに……が……

・ベルフェゴール【怠惰の赤き炎】

赤髪に赤い瞳を持つ少女。身長は低め。変わった性格をしている。七つの大罪で上位を争うほどの強さを持っていたり。一人称は私。


・アスモデウス【色欲の桃色の炎】

桃色髪に桃色の瞳を持つ少女。身長はベルフェゴールよりやや高い。この者の術にかかった者は、魅了により全てを奪われてしまう。一人称は我。


・マンモン【強欲の青き炎】

青髪に青色の瞳を持つ少年。『七つの大罪』の中では一番に高い。金銭で相手を落とす、恐ろしい者。そして常に強き力を欲している。一人称は俺様。

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