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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第参章 悪魔の目論見
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第98話 失われる仲間

因みに彼女は裏組織ではございません。

 〈博麗霊夢〉



 萃香に連れられて移動する、私と文と紫の三人。文は辺りの景色を写真に収めながら進み、紫は隙間の中から顔を覗かせて楽に移動する。そして、あんまり興味がない私。


「着いたよ。この洞窟さ」


 萃香が指す先には、先の見えない真っ暗な洞窟があった。まさかとは思うけど、この中を進むつもり?


 萃香は無言で進んで行く。文はなぜか興味津々で萃香に付いて行く。


「どうしたの霊夢。まさか怖いのかしら〜?」


「そ、そんなんじゃないわよ!」


 私は紫の言葉を否定して、彼女を置いて萃香たちの後を追った。後ろから紫の笑い声が聞こえた。






 洞窟は真っ暗だったが、珍しく準備のいい萃香がランタンを持って辺りを照らしてくれた。しかし、奇妙な音が奥から聞こえてくる。カラン……カラン……という奇妙な音が。


「いだぁっ⁉︎」


 頭に何かぶつかったのか、文が叫んだ。文の後ろにいた私は、その正体を目撃した。


 お札を取り出し、頭上に放つ。細かい岩と共に、人の姿をしたシルエットが落ちてきた。


「いたた……荒い人だなぁ……」


 シルエットの方に、萃香は光を照らす。


 一見人間のような少女だったが、桶に入っているというとても特徴的な姿が見られた。また、かなり幼く見える。


 髪は緑髪のツインテールで、髪留めは水色と白の二個の玉が付いたゴム留めが確認できた。


「このまま終わるのも面白くないね」


 少女はそう言い、頭を抱えながら立ち上がる文に何かを落とした。その正体は鬼火。文は驚きのあまりに気を失い、それを見た少女はケタケタと笑っていた。見た目によらず不気味ね。


「私の名前は、釣瓶落としのキスメ。君たちの息の根を止めてあげるよ」


「私は博麗霊夢。妖怪とあらば容赦なし。貴方を退治してあげるわ!」


 片方の手にお祓い棒を構え、もう片方の手にお札を数束構える。


 お互いに睨み合い、行動を待つ。


 先に動いたのは私だ。数束のお札を投げる。しかし、キスメは天井の方に上がり、お札を避けられてしまう。だが問題が起こった。視界が悪くてキスメの姿が確認できない。自分の周りにある鬼火の明るさによって相手からは視認できるが、自分からは確認できない。萃香は気絶した文を運んでいた。


 キスメは不吉に笑いながら、スペルを唱えた。


「怪奇『釣瓶落としの怪』」


 その直後、キスメがいるであろう天井からレーザーが降ってくる。レーザーだけではない。数々の弾幕も降ってきた。


「境界『二重弾幕結界』」


 二重の結界を貼り、レーザーや弾幕を防ぐ。そして、弾幕を四方八方に撃ってキスメがいるであろう場所に当てる。


 何かが落ちる音がした場所へと、私はスペルカードを唱えた。


「霊符『夢想封印』」


 弾幕は恐らくキスメに直撃した。隣から拍手の音が聞こえてくる。その正体は、スキマから上半身だけ出した紫だった。


「うーん、私はいったい……」


「目が覚めたね。それじゃあ、進もうか」


 文が目を覚まし、再び目的地へと向かった。








 〈朝霞悠飛〉



 ども〜、悠飛だよ〜! 今は霊夢たちを追っているよ。でも紫にはバレてるんだよね〜。というより、話しちゃった。


「ねぇねぇ悠飛〜、私たちも同行しようよ〜」


「ダメダメ〜。私たちは私たちのポリシーで行動しないとダメなんだよ〜」


 なにそれ〜、と刹那が言って笑い合う私たちだったが、千代が警戒体勢に入る。手にはお札を持っており、何かを察知した様子。


「そこッ!」


 千代がお札を投げると、壁に触れて爆発した。真っ暗な視界の中、不吉な女の声が響き渡る。すると、パチンという指を鳴らす音が聞こえたかと思うと、その場所は森の中へと変わった。


「ここは一体……」


 私がそう呟くと、目の前にフードを被った人物が現れた。恐らく、先程の聞こえた声の主だ。


「一気に仕留めるのじゃ!」


 千代はそう言ってお札を何枚か投げる。そのお札が人物に触れて爆発したかと思いきや、別の者に防がれていた。


「幻真⁉︎ ——いや、これが噂のクローンか」


 幻真のクローンは、透明のオーラを纏った刀を所持していた。私は天現渡剣あまのうつつわたりのつるぎを構える。そして、"速度を操る程度の能力"を使おうとするが、実行できなかった。


「な、なんで……?」


『ふふふ……悪いけど、貴方たちの能力は封印させてもらったわよ』


 それがフードを被った人物の第一声だった。私は耳を疑った。封印だなんて…もしかすると、この人物……


 その人物はフードを取り、顔を露わにする。それを見た千代は叫んだ。


「気をつけるのじゃ! あの目を見てはならぬ!」


 しかし、遅かった。その人物は既に刹那を何かで拘束し、その注意を聞きそびれた刹那は目を無理やり合わせられ、意識を失った。


「しまった!」


「悠飛、油断するでない!」


 その言葉にハッとし、クローンの攻撃を剣で防ぐ。能力が封印されているから戦いにくい。というより、圧倒的に不利。このままじゃ私たちも……


「くっ……刹那! しっかりして!」


 私は刹那に問いかけるが、腰にある二丁拳銃、水拳銃・殺戮を両手に取って高水圧の水を撃ってくる。その水をあらゆる物を切断する事ができる、この剣で斬ろうとしたが、それは叶わず。剣が弾かれてしまい、高水圧の水が自分に直撃した。


「うぐっ……なん、で……」


「それは私のせいよ。しもべたちは強化させてもらっているわ」


 強化……隷……やはり刹那は洗脳されて……


「しまっ——」


 クローンの相手をしていた千代が不意をつかれ、謎の人物は千代の元に移動する。


 マズい……このままじゃ千代までもが……


「よっと。お取り込み中失礼するよ」


 目を瞑ったその時、何者かが千代を攻撃しようとした人物の攻撃を防いだ。その誰かとは——桃花だった。


「悪いねぇ。遅れちゃった」


「貴様、何者だ」


「名乗る程の者でもないよ。なぜなら——君はここで死ぬからだ」


「フッ……中々自信があるようだな。面白い。相手してやろう」








 〈山神桃花〉



 まさかこんな事態になってるなんて思いもしなかったね。こっそりと三人の後を追ってたけど、謎の気と共に急に消えて……地上に出てやっと見つけたところだ。


 だが、事態も良いとは言えないね。どうやら、この相手は洗脳を掛けてくるようだ。


「君たちはクローンの相手と、お仲間の相手を頼むよ」


「承知した」

「任せて!」


 しかし、相手の洗脳レベルも魅了程度じゃない。ザ・洗脳というか……解けるのは掛けたやつのみといったところ。洗脳されたら、一貫の終わりとでも言おうか。


 ボクはこれといった武器を使った戦いをあまりしない。ほとんど妖術系だ。指をパチンと鳴らせば何かが起こる……そんなトリッキー地味た事をするんだけど。相手はどうやら近接向きのナイフを使ってくる。油断した所をパチンといこうか。


 動こうとした時、相手の桃色だった瞳が赤色へと変わり、先程の力量を上回る力を感じ取る。明らかに本気モードだろう。油断したら撃ち抜かれちゃうな〜。


「傲慢『我にひれ伏せ』」


 その詠唱後、辺りの重力は数百倍と化す。洗脳されているクローンと刹那は影響を受けず、悠飛たちへの攻撃を続ける。こちらは能力を封じられている上に、この重力。デメリットが多すぎる。とは言っても、魔力や妖力は封印されていないようだし、戦う手段を失っちゃいない。


「妖符『破発弾』」


 指を鳴らして如何にも爆発寸前な弾幕を空中に浮かべ、人差し指を相手に向けてホーミングさせる。体は動かなくとも、弾幕は異常無し——と、思っていた。


 弾幕は弾き返され、こちらに飛んでくる。いつもなら別の位置に移動できるのだが、能力が封じられているため、それは叶わなかった。


「ふあ〜。飽きたわね。チェックメイトよ」


 爆発に巻き込まれ咳き込む中、相手は指をパチンと鳴らす。そして、直ぐに身体に異変が起こった。


 突然、体が痺れるように動かなくなった。そう、金縛り。重力倍増の効果は消され、体だけが動かない状態にされた。


「これで貴方も……私の隷……」


 や、やめろ……! 近付くな……! これ以上は……ダメ、ダ……!

閲覧ありがとうございました。


桃花達は一体どうなってしまったのか。主人公、幻真はいつ登場するのか。


戦闘シーンが八割の作品ですが、これからも御付き合いお願いします。

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