表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初めに戻って繰り返す  作者: 山都光
2章:外伝ーその頃の咲夜
63/86

その頃の咲夜達…『異世界から召喚された皆さん』

【セシリー視点】

セシリーは王都とエルドラ間に聳える森の中、【王国】が異なる次元すら超えて召喚する秘儀”勇者召喚”を用いて呼んだ者達の4人と、【王国】最強の騎士であるヴァレンシュ騎士長に同行していた。


セシリーが彼らと共にいるのは、丁度エルドラの冒険者ギルドに依頼があったからだった。

それだけでなく、大いに興味を惹かれていたのも大きい。


(だってっ、この世界と別の世界からやってきたなんて興味を惹かれないわけないじゃない!それに……)


この時セシリーの脳裏にはあの日。どう見ても強そうに見えなず武器も持たない黒髪の同い年くらいの少年との出会いが過ぎっていた。

彼――名前はオウマ。最初は不思議な名前の響きだなと思ったりしたけど、後に、そしてこうして今同行している、彼と同じ同郷の人達の名前も同じだったので、彼らの世界では不思議でもないのだろう。


「俺は正儀(マサキ)。えっと、此方の世界だと、マサキ・シンドオて言うんだ。一応【勇者】として呼ばれましたが、気にせず気軽に接してください」


爽やかな笑みで挨拶してくれたのが、【勇者】と言う特別な力をもって呼ばれた男性。

他の3名や、オウマと違いサラサラとした金の髪だった。

聞いた所、彼らの故郷の人は黒髪が殆どで、中には茶色の人もいるらしく、国柄で白色であったり彼ことマサキの様な金髪の人もいるらしい。

ただ彼らの故郷の【ニホン】では金髪の人は少ないらしい。

マサキは黄金の輝きを持つ魔法の力で作られた神物―アーティファクトを持っており、その剣と、流石勇者と感心させられた基本四属性に特殊属性の【雷】の魔法を操り、苦戦することもなく森の中で襲い来る魔物を倒していた。


「ふふ、始めましてね。私は咲夜(サクヤ)よ。正儀流だとサクヤ・シンドオね。だから気兼ねなくサクヤって呼んでね」

「え、ええ…。わかったわ。そうで、お二人って家名が同じですけど、ご兄弟か何か?」

「フフッ…ありえないわ…。コイツとは親戚なだけよ。正儀と兄妹なんて身震いするわ」


同じ家名だからと気になったので訊ねたのだけど、結果は親戚筋の間柄であるらしい。

この時私は、宿屋で感じた彼女の怖い感じがして背筋が少し震えた。

彼女はスラッと伸びた黒いロングヘヤーに、他の3名やオウマと違い、黒い瞳ではなく、まるで透き通った水の結晶と思わせられる青い瞳をしている。

こちらも、彼らの故郷では珍しいらしい。国を違えばよく見られるが【ニホン】ではまず少ないらしい。

彼女は戦い方に型がないように思う。

サクヤは腕に”空間魔法”の一種である”収納魔法”が付加された腕輪を付けており、そこから色んな武器を取り出しては器用に、まるで暗器を用いる様に扱い魔物を倒していた。

ただ、彼女にとって特別なのは赤と黒の色違いの短剣型のアーテファクトみたい。他の武器と違い丁寧に扱ってるようだったから。

身体能力も高く、特に俊敏さには目を見張るものがあった。

ある時なんて、そこにいたと思ったら次には相手の死角に入り込んでいるなんてこともあった。

その時、私、ゾクッとしたわね。

あと、サクヤは彼らの中で一番彼に……オウマの事を気にしているようだった。

マサキもオウマを気にしているみたい。やはり親戚だと似たりするのかなと、口にしたら、なんだか背後に能面の鬼のような幻影がサクヤから見え、


「フフッ……それは禁句よ、セシリー…」

「は、はいっ!」


怖い笑みだった。口にして後悔した。

マサキも「そこまで邪険にしなくても」と苦笑していた。


あとの二人。

長めに伸ばした黒髪を馬尻尾に結っている。いわゆるポニーテールをしている(本人的にはサムライ風らしい)男性。

キリッとした目をしており、あまり話すのが得意ではないらしく寡黙な人と言う印象。


「よろしく。セシリーです」

「……ああ、こちらこそ。俺は(ラン)。そう呼んでくれ…」


彼はあまりこちらの世界では見ない服装をしていた。

それは袴と言う武道着をアレンジして作って貰ってもったらしい。

彼の雰囲気に合ってるから似合ってると思う。

彼は剣士で、剣の腕は【勇者】であるマサキよりも上らしい。

森の中、彼が魔物と戦う所を目にしたけど、彼は刀剣に似てるけど違う様に思う剣、あとで彼の剣は【刀】と呼ぶもので、彼らの今日では最も一般的な剣の形らしい。

彼はその刀を鞘に収めた状態で一気に鞘から抜刀する、居合いと呼ぶ技を得意としていた。

その抜刀の速さと刀の流れる光に正直綺麗だなと思い目を奪われた。

あと、彼にはもうひと振りの剣がある。そちらが此方に来て手にしたアーティファクト=刀剣型のファルシオンも有している。武器としては刀よりも鋭利さや硬度等断然上であるらしい。けど、彼の居合いの技に刀剣はあまり不向きらしく、本当に手強い強敵を相手にしない今のような状況では刀を好んで扱い振るっている。


「ふふ、なかなかいい腕をしてるでしょ?ポニテ君」

「あぁ…サクヤ?ポニテ君ってもしかしなくても彼のこと?」

「ええ、そうよ。似合ってるでしょ?」

(……えぇ!?…)

「いい加減ちゃんと名前を憶えてあげなよ咲夜ってば。ほら嵐も何だか落ち込んでるよ」

「………ポニテ君…」

(ほんとだ、なんだか落ち込んでるみたいな気がする…)

「正儀、一々煩いわよ。どう呼ぶかは私が決める事よ。一々出しゃばらないでくれない。……それよりも、セシリー、貴女左腕に掠り傷が出来てるじゃないの。よかったら彼女に治療魔法で直してもらいなさいよ」

「えっ、…あっ、ほんとだわ。気付かなかったわ」


サクヤに指摘されてみると先に魔物との戦闘に少し不意を突かれたことがあった、確かに左腕薄っすらではあるけど赤い線が出来ていた。

これくらいなら自分でも治癒魔法が出来るので治療できるし良いかなと思うも、彼女はすでに治療する気満々な雰囲気だったので、断るのもアレな気がした。


「えっと、アヤメ。お願いできますか?」

「はい。お任せください!痕もなく綺麗に治して見せますので!」


両腕をフンと気合を入れつつ彼女、アヤメはアーティファクトの杖を私の左腕の裂傷部に向ける。

そして詠唱をすると私の左手に暖かい光が拡がる。

治癒の光によって瞬く間に左腕に合った傷が消えた。

それはもう最初からそこには何もなかったよと言うかのように。

自分でも治癒の魔法を使えるけど、彼女ほど上手く効果を発揮して治癒できる気はしない。


「わあ、本当に痕もないです。ありがとうございます、アヤメ」

「いえいえ、私は治癒士ですから。今後も遠慮なく頼ってくださいね。…ふぅ、少し疲れました」

「治療、お疲れ様彩夢さん。この後はもうすぐ暗くなるからここで休むことになるから気を楽にしていてくれ」

「あっ、はいっ!ありがとうね、その正儀君♪」


満面の、どこか照れのある頬を染めながら笑みをマサキに向けるアヤメ。その様子に私はピコン!ともしかしてと感じ取った。


「ふふ、健気で良い子でしょ彩夢は。ただ朴念仁が相手だから、うまくいくかは彼女次第だけどね」


傍にいた小声でそう教えてくれた。やはり感じた通りアヤメはマサキに好意を持っているらしい。

ただ肝心のマサキはあまり恋愛ごとに疎いらしく、曰くそのルックスから何時も好意を向けられていたので若干当たり前感があるらしい。

それに彼の関心は恋愛事より友情事の方が高いみたい。

勿論相手はオウマらしい。

サクヤに言わせると「同性愛者なんじゃなの、キモイわね。私が彼を守ってあげないと」らしい。


「おぉい、お前たち、今日はここで野営の準備をするぞ」


そう声を掛けたのはアルテシア王国であれば知らぬ人はいないと言うほど有名で、特に冒険者であればその名を聞かぬ者はいないほどの人物であるヴァレンシュ騎士長だった。

彼は本来王都で王族の護衛に就いているはずだけど、今回は勇者一行のお目付け役であり不慣れなこの世界の案内役で同行している。

出会ったときは感激から握手をしてほしいとお願いをしてしまった。

何せ、まさかの王国最強騎士にして稀代の槍使い。

普段は剣と盾を使っているけど、本来の彼の得物は槍なのは有名。

正直私も槍を扱うので一度稽古か私の槍技を見てほしいなと思っている。


そしてヴァレンシュ騎士長の案により野宿の準備に入る。

エルドラ間の森は広いので、街に辿り着くには最短でも二日くらい掛かる。


そして野営の準備が終わってしばらくして彼女から一つの提案を受けた。


「良かっただけど、私と一つ手合わせをお願いできないかしら、セシリー」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ