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その頃の召喚組:『フフフ…どうして、女の子から君の名を知るのだろう?』

聖剣選定が行われ【聖剣】の担い手がいないと言う不測の事態に見舞われた。

その際に、もしかしたらの可能性を有する人物。”女神の加護”と言う固有能力を有せずクラスメイト達と違い城下に行き、その次の日には国を出て行ったと言う【彼】を追う事になった。


聖剣選定の次の日。

アルテシア王国は国の者達。そして周辺国に”勇者召喚”を行った事実を大々的に行った。



それからさらに次の日。

幾人かはグループで王都から旅立っていく。


咲夜はこれから五条院グループに付いて旅立つ啄木鳥雫(きつつきしずく)の見送りの為にやって来た。


「そう…気を付けていってらっしゃい、雫。無茶はしないようにね」

「うん。咲夜さんもね。…クウハク君を探すの、頑張ってね。こっちでも、手掛かりがあったら教えるね」

「ありがと……ほら、もう行きなさい。あの傲慢(Arrogant)女、こっち睨んでるわよ」

「わわ!ほんとですね…では、行ってきます」


そう言って、雫は咲夜に手を振りながら五条院グループと共に旅立っていく。

咲夜は遠退いていく雫の後姿にあの3人と共に行くのに一抹の不安を感じていた。

その不安は後日に現実となるのをまだ咲夜は知らない。


そして咲夜が雫と再会したのは、この時はまだ名の知らない『彼』と共にいる時だった。



雫の見送りを終えた後自分の部屋に戻り、自分用の旅着を纏い準備を済ませると、城門前にて正儀のグループとヴァレンシュ騎士長と合流する。

まずは、彼が最初に向かった宿に行く。そこで彼の向かった方を確認する。


「…皆さん、気を付けてくださいね。危ないと思ったらすぐに逃げて下さい。命は1つなのですからね?」


送りに来たのは私達の先生である繚乱花恋(りょうらんかれん)だ。

どうやら先生はこの国に留まる事を選んだ生徒と共にいる事を選んだようだ。

全ての生徒が快く旅に出る訳ではなかった。幾人かの生徒はやはり闘いなんて無理と拒絶したのだった。

その中には福田守(ふくだまもる)相楽命(さがらみこと)も残っている。

守は自身の“加護”をもっと有効的に使える様になってから旅に出るつもりのようだ。命はその守と共に出る気のようだ。

迷宮挑戦の一件から命の守を気に掛ける姿をよく見かけた。と言うよりいつも傍にいるみたいだ。

守は命にまだこれと言った感情は抱いていないようだが、命はバレバレだった。守に惚れているのがすぐに分かった。チョロインである。

まあ、自分を犠牲にしてまで助けてくれた相手だ。想う所が出ても不思議ではない。


私は意外にも相楽の思いに何だか共感を得ていた。

私も、どうしてか彼の、名無し君の事が気になって仕方ないからだ。

勿論(Love)ではない。友情(Friendship)から…興味(Interest)からだ。

私はチョロクないから。


「分かっています。気を付けて行ってきます。先生も残る生徒達の事宜しくお願いします」

「………」


何故、正儀が率先して言うのだろうか。

なんか面白くない。


「残りの皆さんや先生の方には我が国が責任をもって対応させて頂きますので、それではお願いしますね。どうか希望の可能性を持つあの方と共に!」


この場にいたのは先生だけでなく、この国の姫であるステラ姫も一緒だった。


「姫様、我命に掛けて必ずや彼の者を連れ参ります故に暫しの猶予を。御前達!俺がいない間この国と姫を、そして残られる者達の事を頼んだぞ!」

「「「了解であります、騎士長!」」」

離れた所に待機していた騎士達もヴァレンシュ騎士長の檄を受ける。


さあ、まずは宿に向かおう。



目的の宿に着いた私達は宿の扉を開け入る。

入ると元気な女の子の声が掛かる。


「いらっしゃいませ~あっ!ヴァレンシュ様ではありませんか、どうされたんです?」

「はは、変わらず元気で良い事だティファ。それよりなのだが、実は君に聞きたい事があってここに来たのだ」

「聞きたい事ですか?」


ティファと呼ばれた女の子は「なんだろ?」と不思議そうにしていた。


「…ん?あれ、こちらの方々は?何だかあの人と雰囲気がどことなく似てる気がします。髪の色とか似てますね」

「っ!」


ティファは私達に気付いたようだ。

そして、私達と“彼”に何かしらの既視感(Déjà vu)を得たようだ。

ヴァレンシュ騎士長が丁度良いタイミングだと本題を切り出そうとした。

その時1人の女の子の声が掛かる。


「あら、ティファったら、こんなカッコイイ御兄さん達と楽しそうに会話してどうしたの?」

「あっ、セシリーさん。おはようございます」


新たに翡翠色の髪を腰まで伸ばした碧い瞳をした同い年くらいの綺麗な女の子が話に加わってきた。白銀の槍や防具から唯の民間人ではなく冒険者であると予想が出来た。

しかし、このセシリーって子、何処か貴賓差があるように感じる。元貴族か何かなのかな?そして何だかこの子は普通とは違う不思議な魅力を持っている、そんな気がしていた。

そして、彼女も私達の存在に気付く。すると、先程のティファって子と同じく既視感(Déjà vu)を得たようだ。

つまりこの子も【彼】を知っているという事ね。

それにヴァレンシュ騎士長も気付いたのか貴重な情報源だと彼女にも話し掛ける。


「何方かは存ぜぬが先に名乗ろう。俺はヴァレンシュ。この国の騎士長をしている。よろしく頼む」

「あぁ、丁寧な名乗りに感謝をぉお!?ま、まさ、か、この国の騎士達のトップであるヴァレンシュ騎士長ですかぁ!?」

「俺達も名乗った方がいいかな?俺は神童正儀(しんどうまさき)。一応勇者として呼ばれた者です。よろしく」

「あぁ、こちらも丁寧なぁあ!?ゆ、勇者!?勇者ってあれですか?魔族との闘いに終止符を打つために異世界から呼ばれたって言う?先日、発表されたあの?」

「うん、恐らくそうだと思うよ」

「では!あなた方3名も同じく勇者様で?」

「いえ、私達は勇者ではないわ。まあ、少なくとも同じ召喚された者ではありますけど…」

「ほえ~」


なんかこの子面白いわね。理知的な雰囲気だったけど意外とからかうのが面白そうな人物だと思った。


自己紹介をしたあと、ヴァレンシュ騎士長が代表として、彼女達に此処に訪れた理由を説明し始めた。


「はぁ~成程。彼、オウマもその一人だったんだ。道理で彼、あんなに強いわけだ」

「オウマ…それが彼の名前なのね……」


セシリーから告げられ始めて知る彼の名前。

『オウマ』どう言う(Letter)をしてるのだろうか?

だけど、……なんでだろ?……なんだか面白くないわね…えぇ、面白くないわ。

私に教えてくれなかった名前を彼女達にはあっさりと教えている事に。

何だか……フフフ!


「……なんか、この娘怖い」

「…咲夜。暗黒面(ダークサイド)が出てるよ」

「アラ…」


++


「…あぁ、と言う訳で、俺達は彼の居所を知りたいのだ。向かった方向でも良い、知っていたら教えてほしい」

「…まあ、口止めされた訳でもないし良いですよ。オウマは北の方にある町【エルドラ】に向かったはずですよ。彼、この王都では冒険者の登録は取らずに、エルドラの街で冒険者登録すると言ってましたから」

「…エルドラか。ありがとう、とにかく我々は急ぎエルドラに向かうとしよう。彼がエルドラに向かったのはだいぶ前。そこにいる保証は少ないが情報は少なからずあるだろう」


ヴァレンシュ騎士長に私達も同意し頷くとエルドラに向けて出発しようとした。

宿を出ようとした時、そこでセシリーが待ったを掛けた。


「あの、少し待って頂けますか?私も皆さんと同行しても宜しいでしょうか?」


意外にも同行の言葉だった。

理由を尋ねると、どうやらセシリーもこれから向かうエルドラでの依頼を受けていたらしい。

あと私達に対して彼女も興味があるらしく同行したいとの事だった。


私達は話し合った結果同行を了承した。

特に私が同行に賛成した。

彼女からは色々他にも聞けそうな面白そうな話題がありそうだと私の直感が告げていたからだ。


こうして、(咲夜)、正儀、ヴァレンシュ騎士長、早乙嵐、東城彩夢、セシリーの6名でエルドラに向かう。


(さあ待ってなさい、オウマ!今度は貴方のフルネームを教えて貰うわ。他者からではなく今度こそあなたの口からね…フフっ♪)





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