表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初めに戻って繰り返す  作者: 山都光
1章:外伝
32/86

その頃の召喚組:『モンスターハウス・リルカパーティと雫』

モンスターハウス攻略戦。

――3/5

******

五条院リルカと取り巻きの女子2人、雫。

そして彼女たち4名に随伴している赤髪のショートヘヤーで一見優男と思わせ爽やかさのある笑みを浮かべているグラッセ。

彼は190cmの長身、その右手に通常より短めの剣と左手に楯を付けた騎士だ。


「こんなもの、(わたくし)の敵ではありませんわ。あなた達2人は称賛の歓声を(わたくし)に届けていなさい!」

「分かりましたぁ。リルカ様ぁ~頑張って下さぁ~い」

「……ファイトォ~」

「あぁ、いい気分ですわぁ~。…そうですわね、啄木鳥さん。もしもの可能性もありませんが、念の為に貴女も力を使いなさい!」

「…分かり、ました。……“共闘聖化”!」

「!……(体がいつもより、軽く感じますわ)さぁ、(わたくし)の舞が御見せしましょうか!より優雅に、そしてしなやかに!」


雫の援護を受けたリルカと、リルカを応援する取り巻き2人。そして騎士とその援護をする雫の2人で一体ずつオーガの討伐に当たるのだった。



前に出て来たリルカにオーガが睨む様に咆哮を上げながら迫ってきた。


「まったくですわ。この(わたくし)にこんな醜い存在が迫るなんて……無礼千万ですわ!」


迫ってきたオーガの攻撃をリルカはまるで舞踏会で優雅に踊るかの様に舞いながら余裕を持って躱し相手のオーガを翻弄していた。


「さあ、(わたくし)の舞に見惚れなさい!そして、消え失せなさい!」


オーガの棍棒による攻撃をリルカは舞うかの様に躱しつつ、リルカは風魔法を付加させたアーティファクトの鞭でオーガを切り刻んでいった。

そのオーガの体にはアーティファクトの鞭による傷が徐々に増えていた。

そして、リルカは鞭を巻き付けるようにオーガの体を絡め取ると、鞭を一気に引く事でオーガの体はバラバラとなったのだった。


「フフ、終演ですわ。(わたくし)の前には誰も立っていられないのですわ!(それにしても予想より体が軽く思っていた以上の動けましたわぁ……あの子の能力、やはり能力や体の動きの上昇を得られますわ…いい拾い物でしたわね)」

「流石でした、リルカ様!美しくて称賛以外でませんでした!(応援するだけなんて、楽が出来て、良かったわ……ふふ)」

「……凄いです(……楽チン、フフフ)」

「当然ですわ。この(わたくし)に掛かればこの程度……ふふふ、おぉほほっ」


リルカの得た“女神の加護”は“聖援舞闘”と言う固有技能で、他者の応援や声援、つまり支援を受ければ受ける程身体能力を向上させることが出来る技能だった。

ただ、リルカがこれ程の動きが出来たのは雫の“加護”による所が大きかったが…



取り巻きの2人に褒められ気分良く笑っているリルカ達3人を後目に、もう一体のオーガの相手をしている雫と、その護衛をしてオーガと剣を交えている騎士グラッセがいた。


「(この魔物、力はグラッセさんを上回ってる。)…うん。グラッセさん!これから、“感応増幅”の効果を上げます!」


雫は技能の1つである“心眼”を使い騎士の力のステータスが相手のオーガに比べて少し劣ると判断する。そして雫はグラッセにそう宣言すると自身の“加護”である“感応増幅”の能力をさらに開放した。

雫の“加護“である“感応増幅”は周囲にいる者のステータスや技能を増強化する事ができる支援系の能力である。

リルカもこの加護を受けているからこその先程の動きだったのだ。ましてはリルカの能力は支援されればそれだけ強化させる能力の為その力は倍の倍得られるのであった。

因みに取り巻き2人は応援だけで特に何もしていない。


“加護”の名を告げると、雫の足元には薄い光で出来た魔方陣がさらに大きくなった。

鍔迫り合いをしていたグラッセは、その能力の効果を得た事で「力が漲ってくる、これならいける!」と、グラッセの剣を受け止めていた相手のオーガの棍棒を弾き返すと、その際に態勢の崩れたオーガの首を瞬時にはねるのだった。


グラッセによってオーガの首が飛ぶその瞬間を見て雫の表情は若干青ざめていた。

魔物とはいえ生き物の首が飛んだのだ。普通の少女ならその場で吐いても仕方のない光景だった。

雫は何とか気持を抑え落ち着かせることで吐く事はなかった。



「リルカ様、どうやらレベルが上がったようですよ」

「……ホントだ」

「おや、本当ですわね……やはりあの子をチームに入れたのは正解でしたわね」

「鈍臭いだけではないという事ですね……誰にも一つくらい使えるものがあるという事でしょうか」

「……クス、クス」


そうなのだ。

オーガとの戦いに勝利した者は雫の“加護”の力の効果を受けていたのだ。

“共闘聖化”

雫の“感応増幅”の派生技能の1つである。

自分よりもレベルの高い魔物と対峙し勝利を得る事でレベルの習得率を上げる事ができる能力だ。しかも集団戦闘で倒した場合チーム全員に効果を与えるというものなのである。今回は20階層にいる者が対象となっている。

正儀達のレベルが通常より上がっていたのもこの効果を受けたからなのである。

ただ、この効果は、自分は対象になっていないので雫自身のレベルは自身の手で倒した分だけしか経験値として蓄積されないと言うデメリットがあるのだったが……


*****


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ