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召喚は突然に(仮)  作者: abeL
9/15

色々な色を混ぜると最終的に黒

9


「闇…ですか?」

トールは手を置いたままソラウスに尋ねる。

「そうだな。黒色は闇を示すんだ。…人間が闇との親和性が高いのは珍しいが、ない事ではない。気にするな。」

ソラウスは事も無げに教えてくれた。

「そこは別に気にしてないんですけど…闇魔法ってどんな魔法が使えるんですか?」

トールは『闇』のイメージより『魔法』の事が気になった。

「そうだな…影の中に物を収納出来たり、相手を幻惑したり出来る魔法が多い。闇に関しては詳しくはないが支援系の魔法が多かったと思うぞ。攻撃系も多くはないがあるはずだ。」

ソラウスは記憶を探りながら教えてくれる。

なるほど、結構使えるか?と思い『水晶』から手を離す。

「魔法はどうやったら使えるんですか?」

トールは使い方が気になって仕方なかった。

「それは想像力だな。使いたい魔法をイメージする事で魔力を消費して現象が具現化する。…基本的にはイメージで発動出来るから詠唱は本来必要ないが、詠唱する事でイメージが固まり安くなるから大体の奴は詠唱して魔法を使う。…こんな風にな…『灯せ、火よ』」

再び、ソラウスの指に火が灯る。

「『灯せ、火よ』が詠唱になるんですね?」

トールは質問する。

「…そうだ。それと気づいたか?先ほどは『灯れ、火よ』で今は『灯せ、火よ』で詠唱したが同じように発動している事に。さっきも言ったが『魔法はイメージによって発動する』から個人個人でイメージしやすい言葉が違う。だから詠唱も人によって違う。」

そう説明を続ける。見た目と反してきっちり説明してくれるソラウスだ。

「なら、魔法に対して魔法をぶつける…つまり相殺は難しいんですか?」

気になってトールは質問をぶつけてみた。

「まあ…有り体に言えばそうだ。避けるか防御するかだな。まあ…魔力を色で見る事が出来る『魔眼』持ちなら相殺出来るとは思うが…よくは知らん。…今日はここまでだな。では水晶を返してくるから復習してろ。」

ソラウスはそう言って家を出た。


トールは1人考える。

「魔力を色で見る『魔眼』か…待てよ。視覚強化なら擬似的な魔眼みたいに視えるんじゃないか?」

トールは自分の影を見ながらイメージする。手には先ほど読んでいた本がある。この本を収納してみようか…。視覚強化して視ながら。

「…『納めろ、影』」

そう言って本を自分の影に落としてみた。

影は詠唱と同時により濃くなっており、本はそのまま影に呑み込まれていった。

「出来たよ…魔法。」

自分の影を見ながら呆然とする。今度は影の中から先ほどの本を取り出すイメージで手を影に伸ばす。トールの腕は黒くなりながら影に吸い込まれ、手を抜くと手には先ほどの本があった。

「なるほど…魔力を視るイメージで強化すれば視れるな…無属性魔法ハンパないな…」

物が影に収納出来た事より魔力が視れた事に驚いた。

「しかし…地味だな闇魔法。もっとイメージを脹らませればいいんだろうが…火とか使ってみたかったな…」

そう言って、トールは人差し指を上げて

「火の魔法はいいよな…わかりやすく派手で…『灯せ、火よ』だったか?……え?」

火をイメージして言ってみる。指先が赤くなりそのまま火を灯す。

「何で!…火が出た?…黒は闇だったはずだろ!」

イメージを霧散させて驚く。指先の火は消えた。

あの水晶が間違えた?…そんなバカな。ただの水晶が人を惑わす事はない。いつだって惑わすのは生物だ。無機物ではない。水晶に触れていたのは自分だけだ。自分の事が知りたいのに自分を惑わす必要がない。

ならば…

「闇の親和性が高いから黒になっただけで他の親和性もある?」

そう結論するが確証がない。水晶をよく視てればわかるだろうか。しかし、水晶はソラウスが返しにいった。

「そうだ!…さっき魔力が視えたから視覚強化すれば…!『魔力の色を示せ』!」

詠唱して自分の腕を見る。腕は白、黒、赤、青、黄、緑、紫の7色で均等に覆われていた。

「これは…つまり…全属性?…ならなんで…ああ、なるほど…」

トールは1人納得する。

水晶は全色を写していたのだ。7色が均等に混ざり合って黒色になっただけだ。それこそ絵の具みたいに。


「なぜに?…チート貰えてないのにチートすぎるだろ…

トールは項垂(うなだ)れる。


トールー透ーはラノベをよく読んでいたし、自然が好きだった。そして火や風等の属性を享受しながら生きていた。太陽から光を浴び目を覚まし、風を感じて出勤する。火や水は料理をするのに必要だし土の上に立ち生活していた。雷…つまり電気はそれこそ現代に生きる者にとって必要不可欠だろう。だからトールは全色との親和性が高いのだ。


短いです。

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