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罰ゲーム

作者: 新木吾妻

ベタな設定シリーズです、クラスに何故か居るオタク君をイメージしてください。

僕は今理解為がたい状況にいる


「えーと…返事を聞きたいんだけど…」


ここは放課後の屋上、目の前にいるのは同じクラスの城ヶ崎さん…

僕はたった今彼女に告白された


「あ…うん、でも本当に僕?」


「だからさっきからそう言ってるでしょ!」


信じられない…僕は俗にいうオタクである、自分で自覚する程だ、彼女はクラスでも派手なギャル軍団グループ…はっきり言って接点は全く無い


周りを見回してみる


「何、どうしたの?」


「いや…ドッキリかな…とか?」


かなりおどおどして聞いてみる


「はぁ?ちょっと傷付くんだけど?」


「…ごめん…信じられなくて、僕でいいなら…付き合いたい…」


機嫌が悪くなりそうだったので条件反射でOKしてしまった、まぁ城ヶ崎さんは派手だけどかわいいし何より告白されて嬉しく無い訳がない


「そう、じゃあ今から私とマッシュは彼氏彼女ね」


「う、うん…よろしく」


ちなみに僕は彼女達グループに友達と合わせてオタク三連星と呼ばれている、僕はマッシュ、本名は千葉修平だ


「そういう事だからまた明日ね」


「うん、ばいばい」



城ヶ崎さんが行ってしまって屋上に一人取り残される


「彼女が出来てしまった…」




家に帰って来て早速友達の山田(ガイア)に電話で報告する


『信じられぬ…お主がおなごに求愛されるなど…』


山田は最近アニメに影響されて喋り方がおかしい


「僕もドッキリかと思ったけど違うみたい」


『しかしあの濃ゆいおなごと釣り合うのか?』


「僕もそう思うけど自分に向けられている好意を無為にするなんて出来ないよ」


『まぁお主がそう言うのであればよいが…拙者は三次元には興味が無いしな』


「うん、じゃあそういう事だから」


今どうしようも無い問題発言を聞いた気がするが適当に流して電話を切る



そして三日後


あれから僕は城ヶ崎さんと二人で毎日昼食を食べている


「ネットゲームなら私もやるよ、ウチのパソコン遅いからダルいけど」


「そうなんだ、僕も毎日寝不足だよ」


昼食はいつも二人で食べるけど一緒に帰ったりはしなかった

休み時間も昼休み以外は話す機会は無い

付き合うってこういう物なのかな


それにしても城ヶ崎さんはよく喋る、それから意外と趣味が合う

僕のイメージではクラブやら何やらってイメージがあったが偏見だったみたいだ

昼休みだけだけどこうして話すのが楽しくて仕方が無い、僕も素の自分が出せる様になってきた



更に二日後


夜に鈴木(オルテガ)から電話がかかってきた


「どうしたの?」


『…いや何か噂を聞いてさ…報告しとこうと思って』


何だろう、話し辛いみたいだ


『お前騙されてるぞ城ヶ崎さん達に』


「えっ?」


『何か罰ゲームでお前に告白したらしい、一週間付き合うって条件付きで…まぁ強制はランチだけらしいけど…』


打ちのめされた様な気がした、鈴木はふざけてこんな事を言う奴じゃない

やっぱり罰ゲームだった

少しでも浮かれていた自分が許せなかった


「…………」


『千葉?大丈夫か?』


「うん、ありがとう」


電話を切って僕は泣いた

悔しいとか許せないじゃ無かった

多分僕は城ヶ崎さんの事が好きになってしまったんだろう



次の日の土曜日、学校が終わって城ヶ崎さんと外で昼食を食べる事になった


「どうしたの、元気無いね?」


「えっ?いや大丈夫だよ」


昨日鈴木から聞いた事を話すなんて出来る訳無かった、騙されていてもこの時間が少しでも長く続いて欲しかった

鈴木の話だと今日ネタバレらしい

昼食中に発表だろうか…


「ここ美味しいんだよ、バイト代入ったからおごってあげる」


僕の心情を盛り上げるつもりなのだろうか…彼女は無邪気に笑っている

かわいい…


ランチに力を入れていそうな喫茶店で食事が終わってコーヒーを飲んでいると彼女がかしこまって僕を見た


あぁ…終わりかな…僕はもう泣きそうだ


「千葉…あのさ…」


「罰ゲームって本当?」


「えっ?」


僕は抑えられ無くて自分の心の中を吐き出していた


「僕と一週間付き合うって罰ゲーム」


「……どうして…」


「噂で聞いた…」


僕は今にも溢れそうな涙を彼女に見られたくなくて下を向いて話していた


「…………うん、三連星の誰かと付き合うって……罰ゲーム……」


やっぱり…


「…そうか…今も周りにギャラリーとか居るのかな…ははは…」


もうどうでもよくなって僕は彼女を見た


「えっ」


彼女は泣いていた


「居ないよ!私断ったもん!来んなって!笑われたけど断ったもん!!」


どうなってるんだ?どうして泣いているんだ?


「……でも…どうして?」


「好きになったからだもん!罰ゲームだって…謝るつもりだったもん…」


噂を聞いた昨日の数倍は打ちのめされた、屋上で告白された時の数十倍ドキドキしている


「…城ヶ崎さん……」


「…最初は嫌々だったけど……千葉…優しくて…」


そういえば何日か前から僕はマッシュって呼ばれて無い

見上げた彼女はもう涙でぐしゃぐしゃだ

喫茶店の他の客も何事かと総注目だ


「僕だって…好きになったから…だから…辛くて…悲しくて…ごめん」


周りの客なんか気にならなかった


「千葉…ごめんね」


彼女がテーブル越しによろよろと僕の服を掴む


「僕もごめん…」



どれくらいそうしていただろうか…

落ち着いた僕らは店を出た

なぜかお代はサービスされた



まだ土曜日の昼下がり、僕らは映画でも見に行こうという話になり手を繋いで歩きだしていた



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― 新着の感想 ―
[一言] すげ!! べたな設定シリーズ!!すげぇおもしろい!!
2008/03/20 13:50 退会済み
管理
[一言] んーー けっこうよかったんじゃないですか?
[一言] 面白かったです。ギャルっぽいのとオタクってゆう設定がすきです
2007/06/14 16:09 みかんマン
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