2話:これって……
「行ってきます」
「…………」
高瀬羅 刹は一人で家を出て、買ったばかりのスマホで天気予報を見た。
「晴れのち曇り……」
頭の上には、雲一つない青空が広がっている。
「ほんとに……曇るのか?」
高瀬羅 刹は、昨日書いた小説の一話を読み返してみた。
「雪乃は高校一年生。活発なところと優しいところを兼ね備えている。ある日、雪乃が学校に行ってる途中で事件は起きた。ものすごい音と共にアニメとかでよく出てきそうなロボットが、雪乃を掴んで学校の方へ飛んでいった。……」
高瀬羅 刹の書いた小説は下手で、しかも、昨日一日中やってこれしか進んでいない。
「きちんと推敲してるからな……」
あくまで、高瀬羅 刹は自分のセンスのなさを認めようとはしなかった。もちろん、最後のページに『未来のロボット設計図』なんてものを書いてることも認めない。
「高瀬羅君。また小説ですか? 今、大事な話をしてるんですよ」
「すみません」
太陽は沈みかけ、高瀬羅 刹のクラスは帰りのホームルームの真っ最中だった。
「みんなと同じ学年の女の子が……行方不明です。プライバシーの関係で名前は言えませんが、何か知ってることがあったら教えてください」
クラスはもちろんざわざわと騒ぎが起こる。
「名前も顔も知らない奴のことをどうして俺たちが知ってるんだよ……」
高瀬羅 刹は一人でまた呟いた。
次の日の朝、朝食の途中でテレビのニュースがふと目に映った。
「〇〇都〇〇市の一角で、女子高生が消えたと言う目撃情報が流れています。時刻もみなほぼ同じ朝8時13分ごろ。その後の詳細は分からず、警察も噂が広がるのを防ぐために原因を探しています。…………」
そこに映っていたのは、紛れもなく今いるこの街だった 。
「これって……」




