10話:絶対に……許さないッ!!
白い壁に囲まれた病室。静けさの中で窓から吹く風が音をたてる。四人部屋の病室は、昨日で一杯になった。
「雪乃……。俺は……。何で俺はこの世界に来ちまったんだよ……」
目の前のベットでは、雪乃が静かに眠っている。高瀬羅 刹は、昨日もらった報告書に目をやった。
「6月15日、雪乃班が未確認生命物体に攻撃を開始。十秒後、戦闘に参加しなかった高瀬羅 刹以外のANGEL、全大破。その後、高瀬羅 刹のMarkSの謎のエネルギーにより、未確認生命物体の殲滅を確認。……」
「俺は……何もできなかった……。ただ、友達に不幸を撒き散らす存在」
静かな病室で高瀬羅 刹は一人呟く。他の三つのベットには、悠と美紗と賢司が静かに眠っていた。
「未確認生命物体を捕捉。全生徒は待避してください」
またうるさい放送が流れる。
「待ってろよ……。もうこれ以上苦しませない。お前らの幸せ……、きっと取り戻してくるから……」
高瀬羅 刹は立ち上がった。病室の扉が大きな音をたてて開く。高瀬羅 刹は廊下を走っていった。
「ANGEL、MarkS起動ッ!!」
地下格納庫の大きな扉が開いて、一体のANGELが長いトンネルに移動していく。
「フットセットッ!! ANGEL発進ッ!!」
「MarkSのワープを確認」
「どうしますか?」
「高瀬羅 刹ッ!! 戻ってきなさい。命令です」
本部がまた騒がしくなった。しかし、高瀬羅 刹が返答するはずはなかった。今の高瀬羅 刹に見えてるのは、雪乃と友達とそれを消した化け物だけだった。
「絶対に……許さないッ!!」




