家草 里芽さんの筆字
勢いで書いてみた、あまりいじめないでください。
けど言葉遣いに不備があればいじめてください。
鞭は5割ぐらいで、飴があるとうれしいです。
家草 里芽は普通の学生で特技は字を書くことだ、いつも習字で先生に褒められる。
ある日彼女は習字のコンクールで入賞した、親は当たり前のように褒めない。
それは彼女にとっても普通の事、字を書くだけで褒められるのは何か違う気がしていた。
彼女にとっては筆を持っている時間がもっとも特別な時間だ。
その日、学校の先生が彼女の字を展示会に出展してみないかと尋ねた。
褒められるのは変な感じだが、字を見てもらう事は彼女にとってうれしい事だ。
特別見せるような場所に出した事の無い彼女は、物静かな雰囲気を取り払い返事する。
先生の驚いた顔は彼女のツボを突いたようで、声を上げて大笑いした。
彼女はどんな文字を書くか悩んだ、単純に自分を表現できる文字が良い。
誰かに相談しようと思ったが、自分を書くのに他者の視点を借りるのは違うので止めた。
結局彼女は自分の一番好きな文字を書くことにした、それが一番良いと思ったのだ。
ひらがな3文字で「ひつじ」、羊でも筆字でもなく「ひつじ」。
展示会は特に賞をつけたりするのではなく、ただ見せるだけの場所だ。
ちょっと気になった彼女は自分の字を見に来た事が、それが恥ずかしくて赤くなった。
別に漢字が並ぶ中、1つだけひらがなだったから恥ずかしいわけじゃない、本当に。
杖を突いたおじいさんが彼女の字を見ていた、立ち止まって見てくれるのが嬉しい。
立ち止まって見てくれたのがおじいさんだけ、閉館後マナー違反だけどお礼を言った。
おじいさんは石律 太郎という3つ子の長男で、弟は2人とも亡くなって居るという。
おじいさんは話すのがとっても上手で、彼女は久しぶりに褒められて嬉しくなった。
兄弟3人の名前を書いてほしいと言われたので、明日また来ますと彼女は返事した。
3人分の名前は別々じゃなくて一枚に書いた、それが一番良い出来だった。
おじいさんは夕方頃に来た、お礼の品を探していたそうだ。
交換して貰ったのは兄弟3人分の胎毛筆、彼女は断るような事はせず感謝した。
一週間後、近所のお葬式で写っていた遺影はおじいさんのものだった。
彼女は遺品の3つの筆は使わずに丁寧に保存する事にした。
何か特別な事があれば使おうと思っていたが、最後の時まで使う事は無かった。
彼女が亡くなって数年後、小火で家が燃えてしまった、怪我人は1人も居なかった。
3つの筆と彼女の使っていた本人の胎毛筆は金庫の中で燃える事はなかった。
一応解説です。
仕込んだネタが分かってくれてると嬉しい。
童謡のメリーさんがモデル
家草里芽は逆から読むとメリー・ソーヤー
石律太郎は逆から読むとジョン・ルールストン(ジョン=太郎的な意味)
タイトルの家草里芽さんの筆字 =
メリーさんのひつじから取った駄洒落
ジョン・ルールストンが贈った3つのスタンザからなる詩 =
イタリア語でスタンザは部屋らしいのでヘアー(髪)と掛けてまた駄洒落。3つの筆は胎毛筆、おじいさんの兄弟と本人3人分の遺品の筆
小火 =
2007年にメリーさんの家は焼失したらしい、里芽の家も燃えたけど筆は残った
出来るだけスタンザ(決まった行数)で書いている、行数はwikiのメリーさんのひつじより4行
ペットの羊 = 字
兄弟 = 先生
学校 = 展示会
ジョン・ルールストン = おじいさん
意識して仕込んだのはコレくらいです。