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7: スキルの検証~how done it~

「今不在のものも多いのだが、今一度互いのスキルを確認しよう。ゴブリンを孕ませることができる能力だとは思えんが、ステラお前が使えるのは氷魔法だけか?」


 ステラがいた方向を振り向いたがそこにはステラはいなかった。背後から声がかかった。


「そう、あとは気配をうまく消せるだけ」

「厄介だな……グレイソンに気付かれずに近づくことはできる……か」

「それはそう」

「ファイナルテーブルの順位的に次は私だな。タンク職で一種の不死身になれるアンエン()ディン()グ・ブ()ラッド()・リレ()ーショ()ンシッ()プを使う。これは血縁のものとパーティを組めばその回数分、即死を回避できるというものだ。大祓では多数血縁者を送り込んだ。土属性の使い手でもあるので、この密室を作ることは可能だな。次は7位のアナスタシアか」


 アナスタシアがこくと頷く。


「アナスタシア……アナスタシア・フォン・ミリオンゴッドです。スキルは人民統制(ヘイト・コントロール)。文字通りそのものが向ける敵意を調整できます。テキサスホールデムではスティールに多いに活用していました。属性は水と風。ですがそもそも前衛職ではないので、仮にグレイソンとやり合っても私が負けることでしょう」


 みんなの視線がマリアロスに移る。


「唯一神の神託プレイ・シージエ


 後光が射し、マリアロスに光の粒子が降り注ぐ


「ご覧の通り運を良くするだけです。あとは治癒魔法が少々。テキサスホールデムは私には難しすぎましたね」

「神職者だものな、グレイソンを生き返らせたりは」

「神の摂理に反します……などと口上を述べることなく、普通に無理です」

「グレイソンは……」


 氷で囲まれたグレイソンを見ながら言葉を選びながら発す。


「大抵なんでも出来た。火だろうが、水だろうが土だろうが風だろうがだ。どういった属性になっているかは今となってはわからないが雷を多用していた。ユニークスキルは他者に恩義を感じさせるとそのものが持つユニークスキルを借り受けて使用できるという話だった。あとそうだなリバーに強かった。瀕死のとこから生還する小咄はいくつも聞いたよ。こいつを殺すのは、骨が折れるはずだ」

「僕の能力は魅了(チャーム)女性にしか効果がない。ゴブリンはともかく、グレイソンには無害なはずだよ」


 レガリスが手癖で宙に指で円を描くように回しながら続けて言う。


「容疑者なら僕の次の真城ちゃんが怪しいんじゃないのかな」

「お姉様! お姉様落ちついて」


 どうやら私は思わず剣の柄を握っていたらしい。


始祖母(ファンマ)……真城つばさ様は悠久の時を生きてらした。その方法は時間停止……今はないが王都の空中にあった大規模魔法陣から送られる無尽蔵の魔力でその能力を行使していた。魔王を封印し、自身の時を止め、またテキサスホールデムではここぞというところで会場ごと時間を止めハンドを操作していたようだ。時間を止め腹部だけ解除し、ゴブリンを仕込めば孕んだように見せかけることもできはするだろうが、そのような面倒なことをする理由がな」

「2位! 2位と言えば遊都。伏見遊都」


 ステラが恍惚を伴って遊都のスキルを説明する。


「スキルはお金を力に変えるパッキーとテキサスホールデムはトランプをランダムに変更するランダムオーダーが使える。それと神眼は……神眼」


 言いかけて声が尻すぼみになりステラが口ごもる。

 神眼は本当に視たいものを具現化する力。遊都はそれを使い徳川巴を蘇生させた。ステラには酷な話だった。


「エーテルを変化させるのだろう。違うか? ステラ。ランダムオーダーはエーテルを変化させる。遊都はテキサスホールデムで敵対する能力者のスキルを無効にして戦っていたようだった。グレイソンのエーテルを変化させ体内にゴブリンを生じさせる。可能性としては一番高いな……やはり重要参考人として異世界に人を」

「待って下さい。私たちが普段呼吸してる大気中のエーテルならともかく、エーテルは基本的に発している地球人(バテレン)の体に沿う形で展開されます。身に纏ったエーテルからゴブリンを変化させたのならグレイソンさんの内部ではなく外側に出現するのでは?」

「マリアロスそれもそうか……ならば残るは優勝者徳川巴」

「火ですね」

「火だね」

「火ですわー!」

「火」

「火以外にないな。確か感情を炎にするんだったな。王都中の人間の感情を炎にしたのは記憶に新しい……このゴブリンの事件とは無関係だろう」


「やはり一番怪しいのは伏見遊都。次点で真城……様か。だがやつにはアリバイがある。もし……本当に真犯人がファイナルテーブル進出者なら……伏見遊都や真城様が犯人でないのなら……」


 みんなの視線がシャーロットに注目した。


「この中の誰かが我々を欺いている」



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