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29.予定通りにならないのが人生

この話含めてあと5話になります。拙い文章ですが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

目覚ましが鳴っているのに体が重くてなかなか起きられない。それでもなんとか上半身を起き上がらせると、その反動で頭がガンガンと痛み出した。

「頭痛い…。」

痛む頭を押さえながら居間に行くと、両親が朝食を摂っているところだった。

「瑠々、おはよ…、え、顔真っ赤じゃない、熱あるんじゃないの!?」

「瑠々、体温計を持ってきたから座って図りなさい。」

お父さんから体温計を受け取り、お母さんに支えられながらソファーに座った。


ピピッピピッ…


「…さんじゅうななど、はちぶ…。」

通りで体がだるい訳だ。

「今日は学校休みなさい。」

「え、でも今日、行かないと…。」

れおに、はなし、きかないと…、

ぼーっとする頭で考える。昨日カノンと話したことを無駄にしたくないという気持ちが湧き上がってくる。

両親は顔を見合わせて、「それでも、今日はちゃんと休みなさい。学校には連絡しておくから。」と言うと私の頭を撫でた。学校に行きたいけど、体が思うように動かない。今日は諦めるしかないのか、と思って素直に頷いた後、ゼリーを食べて薬を飲むとそのまま部屋に戻った。頭がガンガンと響いて眠れなかったけど、数十分後には薬が効いてきたのが痛みが引いてくると同時に睡魔に襲われて意識を手放した。


「…いま、何時…?」

スマホを見ると十四時半だった。よく眠っていたからか体の調子も大分良くなった気がする。体温計で測ってみると三十六度八分で、平熱ではないものの下がっていることに安心した。

「…お腹空いたな。」

何か食べたいと思って、起き上がると丁度部屋のドアがノックされた。

「瑠々、起きてる?」

「今起きたー。」という返答に反応してドアが開かれると、お母さんがおかゆを作ってきてくれたようだった。

「丁度お腹空いてたんだ。ありがとう。」

部屋の入口でおかゆを受け取ろうとすると、母は「落としたら危ないから。」と言ってテーブルまで運んでくれた。過保護だなあと思って笑いながら再度お礼を言うと、母は「食べれられるだけ食べなさいね。」と言って部屋を後にした。

熱いおかゆを冷ましながら少しずつ口に含むと、梅がさっぱりしていてすごく食べやすかった。体が弱っている時のおかゆってどうしてこんなにも美味しいのだろうか。噛み締めながら全部完食した後、立ち上がって食器を持って行った。

「あら、持ってこなくても良かったのに。体の方はどう?」

「熱はまだあるけど、結構楽になったよ。おかゆ美味しかった、ごちそうさまでした。」

私に気づいた母に食器を渡すと「そう。でも悪化したら大変だから寝れるならまだ寝た方が良いわよ。」と安心した顔で言われた。

確かにまた具合悪くなったら困るし、眠れるかはわからないけど横になるだけでもしておこうかな。

「うん、そしたら薬飲んでもう一回寝てこようかな。おやすみなさいー。」

「その方がいいわ。おやすみなさい。」


そうしてまたベッドに潜ると、体は思っていた以上に弱っていたらしく、いつの間にか眠っていたようだった。

「~~~~~~…。」

「~~~、~~~~。」

誰かの話し声で目を覚ます。

ぐーっと伸びをして体を起こした。お手洗いに行きたくて、何も考えずに部屋のドアを開けると、お母さんと怜王が廊下に立っていた。

ガチャッ

つい扉を閉めてしまった。


どうして怜王が居るの!?

しかもこんなボサボサな髪だし寝起き姿なんですけど!?


「瑠々、驚かせてすまない。風邪を引いたって聞いたからお見舞いに来たんだが…。まだ眠っているって聞いて、そのまま帰ろうとしていたんだ。…それじゃあ、お大事に。」

未だ混乱していると、扉の前から声が聞こえた。その声に全身の神経を集中させていると、遠ざかっていく気配がした。

「ちょ、ちょっと待って!」

そのことに焦って扉を開けて怜王を引き留めた。怜王は学校帰りに寄ってくれたのか制服姿のままで、色々と買ってきてくれたのか手提げ袋を持っていた。

「ちょっとだけ話せない…かな。体調も大分良くなったし…。」

今この場に怜王が居るのなら話をしたかった。後から考えると、完全に治ってから話をするべきだったのだと思うけれど、何故だか今話さなければならない気がした。…やっぱりまだ本調子ではなかったのかもしれない。

「瑠々が良いなら嬉しい…けど、本当に大丈夫なのか?」

そう言って渋る怜王に、「大丈夫!」と念押しして、少しだけ居てもらうことにした。でもこの姿は流石に恥ずかしいので後ろを向いてもらってお手洗いに逃げると、軽く髪をとかした後怜王が待つ部屋に向かったのだった。

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