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14.ポンコツが集まっても事態は好転しない

怜王への恋心を自覚したがいいが、伝え方がわからないでいる。


いや、でもぐずぐずしている場合ではない。

…よし。行くんだ、瑠々。

「怜王、ちょっと向こう向いてて。」

「え、いきなりどうし…、「いいから。」」

「はい。」

そう言って指をさした方向に強制的に向かせると、怜王の肩に手を置いた。怜王は驚いたのか、肩をビクリと揺らしたが、そんなことは気にする余裕もない。意を決してそのまま顔を寄せて怜王の頬に口付けを落とすと、ちゅっと音を立ててすぐに離れた。

「…今はそれが精一杯だから、言葉にするのは待ってほしい…。」

そう口に出したものの、怜王からの返答はない。不安になっておそるおそる怜王の方を見ると、こっちを見つめながら固まっていた。

…え、どういう感情?

目の前で手を振っても瞬きもしない。どうしよう、流石に嫌だったのかもしれない。そんな不安が過って、謝ろうとした時だった。

怜王の手がいきなり私の頭にまわったかと思うと、そのまま引き寄せられて唇同士が重なる…、のを反射的に両手で防いだ。

あ、危なかった…!そんな安心を覚える私とは対称的に、怜王は眉根を寄せて不満そうだ。

「瑠々?この手は?」

「は…、」

「ん?」

「…恥ずかしい…。」

流石に自覚したばかりで唇にキスは無理だ。恥ずかしくて怜王の顔を見られなくて、目をぎゅっと瞑った。段々と顔に熱が集まっている気がする。


反応がないことが心配になってゆっくりと目を開けると、バターンッと怜王が後ろに倒れた。

「え!?!?何!?!?」

いきなりの出来事に驚いてつい後ずさってしまった。


そのタイミングで丁度屋上に置いてきたカノンが扉を開けた。

「ねぇ、いくらなんでも遅すぎ…、魔王様――――――!!」

カノンは倒れている怜王に駆け寄った。

「い、一体何が…!聖女!あなた一体何をしたんですの!?」

な、何をと言われても…。怜王の頬に自分からキスしたことと、怜王からキスされそうになったことを思い出して顔が赤くなるのを感じた。

「…ぐっ…、」

呻き声が聞こえた方に目を向けると、怜王が倒れ込んだまま心臓を抑えていた。…一体何をしているんだ。

「カノン…、私はもうだめだ…、魔界の事は任せたぞ…、」

「ま、魔王様、そんな…!!」

怜王とカノンが寸劇をしている間に、いつの間にか扉を開けて校舎に入っていたアレクが隣に来ていた。

「え…っと、これは一体どういう状況?」

私も知りたい。その言葉が出そうになったが、よく考えてみれば良い状況なのかもしれない。アレクは怜王を倒そうとしているわけだし、私が戦っていることにしてすぐにでもお帰りいただこう。

「私が怜…、魔王を倒しているところ。だから、アレク、安心して帰って大丈夫だよ。」

後ろからは「う゛っ…、可愛すぎて勝てない…、」という声が聞こえる。ちょっと気が散るので黙っていてくれないかな。

「あ、あぁ、そう…なのか…?とは言っても、俺は魔法陣に飛び込んできたからここから帰る術を持っていないんだよな。」

「え?」

「元々俺は魔王城でまた不審な動きがあったから確かめてたんだよ。そしたらその女が発動していた魔法陣に巻き込まれて気付いたらここに飛ばされてたって訳だ。」

え、そしたらカノンと帰ってもらうしかないのでは…?

そっとカノンを見ると、まだ怜王と寸劇をしていた。


…なんだこのカオスな空間は…。

早く終わらないかなー、とぼーっとしていたのがいけなかったらしい。

「みとっ…、認めませんわ!魔王様が戻るまでここに居させてもらいますわ!」

「えっ…。」

「瑠々、俺も魔王を倒すのを協力するからな。このままだと心配で帰れねえよ。」

「え…。」

何だかこっちに居る流れになっている。アレクはそう言って私の肩に手を置こうとすると、いつの間にか起き上がっていた怜王に引き寄せられた。

「触るな。」

一触即発のような雰囲気が流れて背中に冷汗が流れる。学校内で戦闘なんて起こったらシャレにならない。

そんな緊迫した状況なのに、怜王に後ろから抱きしめられていることで緊張してしまい、いまいち緊張感を持てない。

「くそっ…、人質なんて卑怯だぞ…!」

「魔王様、やってしまって下さい!」


…いや、なんだこの状況は…。

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