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10-7

アイラはジョージ先生に呼ばれているとかで、昼食の後に別れました。

(アタシはちょっと会場の下見に行こうかなー)

朝日は食後の散歩がてら、祭りの会場を見に行く事にしました。

元々リード城だった魔法学校は街の中心に位置しています。城を取り囲むようにこの街は発展してきたのです。その為に主要な施設がギュッと集まった作りとなっていて行政機関や教会、商・工業、そして明日の統治際は学校の隣にあるリード記念広場で行われます。

街のイベントのほとんどは、この広場で昔から催されてきた歴史があります。領主の結婚式も、戦いの前の出陣式も、春の訪れを祝う祭りも、戦死者の弔いも、新年の祝いも、罪人の処刑だって、全てがこの広場で行われ、歴史が刻まれてきました。統治祭もその歴史の一つです。


広場は学校の西隣に位置し、正門を抜ければ目の前です。朝日は観光気分で歩き出しました。何百年も昔からそこにある堅牢な石造りの正門を抜けると、橋が架かっています。堀に架かるこの橋は跳ね上げ式になっていて、戦争をしていた頃は敵の侵入を防いでいました。今は水が引かれていないので堀は公園のように整備されており、降りて散策する人達が眼下に見えます。

学校と街とを分け隔てるこの橋にはいつもガードが立っています。今日は祭りの賑わいに乗じて一般人が学校に侵入する事のないよう目を光らせていました。朝日は通り抜ける際、少し緊張しました。何かしたわけではないのに。

普段は生徒が街へ出る事は禁止されているのです。なにせ皆貴族なのですから、安全上いたし方ありません。だから橋の警備を任されるガードの視線は鋭いのです。


生徒達は祭りの期間だけは校外へ出られるため、この日を楽しみにしています。今も朝日の横を嬉しそうに男子グループが追い抜いていきました。ガードの視線など気にも留めず揚々と街に繰り出していきます。橋さえ超えればこっちのもの……とはいきません。祭りの間は羽目を外さないよう、街のいたるところにガードが配備されているのです。

この3日間は警備増強のため、魔法学校の卒業生達が臨時でガードとして雇われます。ガードという立場ではありますが、卒業生達もこのリード統治祭を楽しみに帰って来ているのでした。


広場に入ると、中央では舞台が設置されようとしていました。きっとここで歌やダンスにと催し物が行われるのでしょう。それを取り囲むように出店の準備も進められています。その様子を眺めるだけでも朝日はワクワクしてきました。

(お祭りっていいよねー)


広場の一角に人だかりが出来ているのが目に付きました。人々が囲むのは騎馬隊です。本番さながらに煌びやかな馬具で着飾った騎馬が列をなして行進していきます。きっと明日のパレードで馬が驚かない様にと今から慣しているのでしょう。

その騎馬隊の中にひときわ目を引く人物がいました。ルイスです。乗馬クラブに所属している彼も祭りにかり出されているようです。王族の持つ品格とでも言えばいいのか、周りに集まる人々は彼の気品あふれる姿に、ただ感嘆の声をもらすのでした。メイベールお嬢様も足を止めて見とれています。

(ほら、お嬢さまー、行くよー)

朝日は今朝の事もあってルイスに見つかる前にその場を離れました。


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