表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

猫科男子のお願い

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

猫っぽい人を見ると、わしわししたくなります。

あと猫じゃらし振りたくなります。

私と共に住んでいる彼奴との出会いは今でも忘れない。掴み所がなくて、べらぼうに軽口が多い奴だった。出会い頭に口説かれた時には思わず面食らったのを覚えている。

そんな彼は夜行性さながら昼は眠そうに目を擦り、ぐりぐりと私の方に頭をこすり付けていた。

「お腹空いた」

「ハイハイ」

猫かお前は。というツッコミは、もう何度したか分からない。犬か猫で例えるならば、間違いなく猫である。それも飼い猫ではなく、野良猫。

私は纏わり付いて離れない此奴の頭を引き剥がすと、立ち上がる。すると胴回りにへばりついて行動を邪魔しに掛かる。この何とも捻くれたこの性格、面倒臭い。

「どいてくれる?」

「やだ。お話しよーよー。出会った時のベタベタな話しよーよー」

此奴本当に面倒臭いな。猫なら猫じゃらしぶん投げて、そのままお暇すんぞ。

私はぐしゃぐしゃと掻き回しながら、さり気なく引き剥がそうとする。が、流石男の腕、だらんと巻きついて居るように見えて離れねぇ。

「で、何度でも聞くようだけどさ、何処を好きになってくれたの」

「昔実家に居た猫に似ていたから」

昔飼っていた猫は付かず離れず。飼い猫なのに、野良猫の様なところがあった。甘えたい時に甘えて、気が済んだらおさらばさんさん。捕まえたと思ったら、手の内から逃げて行く。

あの子の目は驚いた様な丸目ではなかった。何処か達観した様に切れ長。それを殊更細めてゴロゴロと音を鳴らす。前に居座る此奴の様に。

「偶にお前に向かって猫じゃらし振りたくなる。んでもって適当に放り投げて、気が逸れたうちに逃げたくなる」

「逃げるのは僕の方だよ」

「知ってる」

あの子も私を置いて亡くなったしね。お前も何時かは私を置いて去るんだろう。その時、私は泣けるだろうか。

此奴は神妙な顔をして腰から手を離す。そのままずるんとソファに寝そべって、『ねぇ』と鳴く。まるで『にゃぁ』と言うように。

「でも……君には逃げる側でいて欲しいな」


オマケ

「え〜、僕というものがありながら、漫画読んでる〜」

「猫好きが四六時中猫を構わないのと同じなんなけど」

「どのこが好み?」

「この子。目が良い。ちょっとからかった様な半眼。お前に似てる。あと笑い方。笑うとギザ歯になる。お前になる」

「君、本当に僕のこと好きだよねー」

大事にされてる猫って、目が真ん丸なんですよね。

野良の子って、目付きが鋭い子が多い気がします。

勿論、個性によりけりですが。当社の傾向として。


一般的な真ん丸お目目ではなくアーモンド型。

猫が泣く時の様にニヤッと笑った口。

そしてじゃらすだけじゃらした後に、遠くへぶん投げて飼い主が逃げる遊び。

昔飼っていた猫を連想していると思います。


そしてこの言葉。

『お前も置いていくんだろ』

飼い猫は虹の橋を渡ってます。

亡くなる事はなくても、恋愛なので心変わりで離れることもあるでしょう。

それは当の本人、彼もお分かり。


でもあえて。です。

貴方が寂しくないように、『逃げる側でいて欲しい』です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ