97/171
97話 マキの課題-4
「な、なななっ!? なんでそんなこと言われないといけないんですかっ!?」
ようやく我に返ったらしい。
顔を真っ赤にして、龍之介に抗議する。
「なんでって……。エロさが足りていないのは問題だろ? 男子生徒を欲情させるには、エロさが大切だ」
「よ、よくじょう……!? マキちゃん、そんなの要りませんっ!!」
マキが泣きそうな顔で叫ぶ。
そして、体育館から走り去ってしまった。
そんな彼女を見て、女性コーチは溜息を吐く。
「やはりこうなるか……。私が言っても、いつもああなるんだ。男子生徒から言われると納得してもらえるかと思ったが、逆効果だったようだな」
「そうだったのですか。……俺が追いかけてフォローしておきます」
「ああ、頼んだ」
龍之介は、体育館を飛び出す。
そして、マキを探して走り回るのだった。