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96話 マキの課題-3
「正直に言ってみろ。お前はこの高校で、唯一の男子生徒。だからこその視点もあるはずだ」
「しかし……」
「これはマキのためでもある。男子生徒から言われた方が、素直に聞き入れるかもしれん。どうだ? 教えてやってくれ」
「マキちゃんからも……お願いしますぅ」
女性コーチに加え、マキも懇願する。
2人からの懇願に、龍之介が折れた。
「分かりました……。では、素人意見ですが」
そして――彼は思ったことをそのまま口にした。
「エロさが足りませんね」
「はぇ?」
マキが呆けた顔をする。
龍之介は気にせず続けた。
「もう少し、エロさを全面に押し出した方がいいんじゃないでしょうか? マキちゃんはとても可愛らしいですけど、それは子どもっぽさとも取れます。大人っぽい雰囲気を演出した方が、よりエロさを引き出せると思いますよ?」
「うむ。まさにその通りだ。あまりにも直接的すぎる指摘ではあるが……よく言ってくれた」
龍之介の言葉に、女性コーチが頷く。
マキは暫く呆けていたが――