94/171
94話 マキの課題-1
「さて、今日も新体操部の練習を覗いてみるか」
放課後――。
龍之介は第二体育館の近くまでやって来た。
お目当てはもちろん、1年生のマキである。
「お、いたいた。マキちゃんは今日も元気そうに練習しているな」
レオタード姿の彼女が、リボンを手に舞うように動き回っている。
その技術力はとても高く、龍之介は思わず見惚れてしまった。
「あれなら、新体操の大会でも間違いなく上位にいけるだろうな……。容姿も優れているし……」
龍之介はマキを改めてじっくり観察する。
ピンク色の髪をした彼女は、とても可愛らしい容姿をしていた。
「あの技術力と可愛さなら、コーチからも高く評価されているだろう。……ん?」
龍之介がそう呟いた瞬間――。
体育館内に怒声が響き渡った。