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93話 新体操部のマキ-2

「あれれ~? お兄さんは誰ですかぁ?」


「おっと悪い。俺はこの学園の生徒でな……。君の練習の邪魔をするつもりはなかったんだ。許してくれ」


「別にいいですよ~。マキちゃんは、1年のマキちゃんですよぉ。よろしくで~す」


「そうか……。俺は2年の龍之介だ。よろしく頼む」


「りゅーさんですね! 覚えたのでぇ、また遊びに来てくださいね~!!」


 マキと名乗った少女はそう言うと、練習に戻っていく。

 龍之介は、その後ろ姿を見ながら呟いた。


「今の女子……。かなり可愛かったな」


 マキの外見はかなり整っていた。

 アイドルでも十分に通用しそうなルックスである。


(しかも、新体操の動きも素晴らしかった。あれを野球に活かせれば、あるいは……)


 龍之介はそんなことを考える。

 そして、今日のところはスカウトに動かず、大人しく第二体育館を後にしたのだった。

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