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91話 12月初旬-2
「夏大会まで時間はあるが……。早めに新部員の勧誘をしておきたいな……」
桃色青春高校には、各種の競技で優秀な成績を残した少女が集まっている。
だが、野球に関しては未経験な者ばかりだ。
夏大会の直前に入部してもらっても、即戦力になるとは限らない。
「空いているポジションは……セカンド、サード、ライトだな。その3つが埋まれば、チームの穴が塞がってくる。それに適した人材がいれば理想的なんだが……。ん?」
龍之介が考え事をしながら歩いていると、いつの間にか第二体育館までやって来ていた。
中から元気な掛け声が聞こえてくる。
「第一体育館では、バレーボール部のユイを勧誘したんだったな。しかし、第二体育館はまだ見ていない。よし……ちょっと覗いていくことにしようかな」
龍之介はそう決めると、体育館の扉を静かに開けたのだった。