170話 2月-2
<ベストオーダー>
1番左・セツナ・BBCDE*
2番中・ノゾミ・CEADB*
3番投・龍之介・BCCCB*
4番一・ミ オ・BADCE
5番捕・ユ イ・DCEAB
6番二・マ キ・CECEB
7番遊・アイリ・EDBCA*
8番右・ロボ0・EEFFF
9番三・ロボ9・FFFEE
*は左打者
先発投手・龍之介
最高球速145km 制球力B 持久力C 変化球B
ベンチ野手
ロボ1、ロボ2、ロボ3、ロボ4、ロボ5、ロボ6、ロボ7、ロボ8
ベンチ投手
ロボ10
チーム全体評価
打撃D 走塁D 守備D 投手B 控え選手F 総合力D
「やっぱり、最優先はライトとサードだよな……。できれば強肩強打がいい。リリーフ投手も確保できれば理想だが、それは後回しでもいいか……?」
現状の空きポジションはライトとサード。
いざとなれば野球ロボを起用するしかないが、大会を勝ち進むにはやはり人間の選手が必要だ。
仲間が一人増えるだけで、ベンチの雰囲気も試合の流れも大きく変わる。
ライトとサードというポジションは、肩が強いことが求められる。
そして、理想を言えば打棒も欲しい。
現状の桃色打線。
1番、3番、4番に問題はない。
2番に俊足巧打タイプを置いているのは少し前時代的だが、まあいいだろう。
プロ野球と比べると、高校野球は守備が甘くて内野安打が発生しやすい。
また、バッテリーミスも多めだ。
上位打線に俊足打者を配置する意味はある。
問題は5番打者だ。
ユイの最大の長所は強肩。
捕手を務めているため、練習ではキャッチング技術を中心に磨いている。
彼女に打撃まで求めるのは酷だろう。
そんなことを考えながら、龍之介は放課後の校舎を歩く。
冷たい風が吹き抜ける渡り廊下を抜け、ふと視線をやった先。
弓道場の方向から、妙なざわめきが聞こえてきた。
潜めるような女子生徒たちの声。
そして――次の瞬間、鋭い破裂音のような「弦の鳴り」が響いた。
龍之介の足が止まる。
「……弓道部か」
彼は無意識に、弓道場の方へ歩き出していた。