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159/171

159話 日本 vs オーストラリア -2

 試合はさらに熱を帯びる。

 日本が2点を追加すれば、オーストラリアも意地を見せて1点を返す。

 5対2。

 スコアが示すように、両チームが死力を尽くす好勝負だった。


 そして、いよいよ試合は最終回へと進む。

 九回表、日本の攻撃。


「3番、ピッチャー、龍之介」


 場内アナウンスが響く。

 龍之介は静かにバットを握り、軽く一回転させながら打席に入る。

 その目には焦りも力みもなかった。

 むしろ、どこか楽しげですらある。


「日本チームの実力は見せつけられたと思うが……ここで一本、ダメ押しといくか。ハルカに負けてられないしな」


 彼の脳裏には、先ほどのハルカの打席が焼きついていた。

 二死ランナー 一塁。

 そこで彼女は、見事な引っ張りでホームランを放ったのだ。

 その一撃は、静かで、そして力強かった。

 彼女の野球にかける執念と集中力が、すべて凝縮されていた。


「おっと、相手も投手交代か。マッチョの速球派クローザーみたいな奴でもいるのか? ……え?」


 龍之介の口元に浮かんでいた軽口が、途中で止まる。

 次の瞬間、目を見開いた。

 マウンドへと向かうその人物の姿は、予想していたどんな投手像からもかけ離れていたからだ。

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