表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

151/171

151話 ハルカ-6

「――はっ!?」


 ハルカは目を覚ました。目の前には、電車内から見える風景と、初詣帰りの人々の姿。頬にはうっすらと涙の跡が残っていた。


「……夢?」


 彼女は自問する。だが、胸に残った痛みは本物だ。あの絶望、後悔、喪失感。すべてが脳裏に焼きついて離れない。


 自分の手を見下ろしながら、ハルカは息をついた。


「と、とんでもない夢だったわ……。でも、このままじゃ、あれが正夢に……?」


 心に残るのは、夢とは思えないほどリアルな痛みと後悔だった。


 ――やらなきゃ。動かなきゃ。


 ハルカは顔を上げた。意を決した表情でスマホを取り出し、以前から誘いを受けていた”とある練習合宿”の予定を確認する。


「夏大会の優勝投手になった私は、自分以外への特別推薦枠をもらっていたわね。……誘おう。私から、ちゃんと」


 このまま何もしなければ、夢は現実になる。けれど、今ならまだ間に合うはず。電車の窓に映る自分を見つめ、ハルカは静かに拳を握ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ