142話 合宿帰りの夜行バス-4
「――さて、それじゃ最後に俺たちの現状を確認しておこう。ロボ1号。恒例のやつを頼む。俺たちの成長を言葉で表現してくれ。そして、現状の能力もな」
その言葉に応じて、車内の片隅に座っていたロボ1号が静かに応答する。
『ピピッ。承知しました。スキャンを始めます……』
電子音とともに、ロボ1号のセンサーが光を帯びる。次の瞬間、無機質な光線が7人の体を順番にスキャンしていった。ミオやアイリが固唾を呑んで見守る。果たして、自分たちはどれほどの成長を遂げたのか――。
そして、その結果が、ロボ1号の冷静な声によって発表された。
『龍之介は【覇気圧殺】を取得した』
『龍之介は【獅子砲球】を取得した』
『ミオの限界突破ポイントが上がった』
『アイリの限界突破ポイントが上がった』
『ノゾミが成長限界に達した』
『ノゾミの限界突破ポイントが上がった』
『ユイのミートが上がった』
『セツナの守備力が上がった』
『マキのミートが上がった』
「みんな順調に成長しているな……。合宿の仕上げとして練習試合をして良かった」
龍之介は、ロボ1号の報告を受けてそう呟く。
そして、続けて報告された現状の能力を脳内の情報と合わせ、整理していく。
ロボの報告を元に整理しているだけで、最終的にはあくまで龍之介が認識しているデータ表である。