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138話 強敵スキルトレーニング・獅堂-6
「ちっ! すばしっこい野郎だ!!」
「ありがとうございます」
「褒めてねぇんだよ!! こうなりゃ、てめぇにヤキを入れるまでやってやるぜ!!!」
「ふふ、楽しいトレーニングの始まりということですね」
「トレーニングだぁ!? ちっ! どこまでも舐めた野郎だぜ!!」
――龍之介たちの攻防は夜まで続いた。
2人共、肩で息をするほどに疲れきっていた。
しかし、その目はどこか清々しい。
それぞれの新たな能力が開花し、仲も深まったようだ。
「今日は楽しかったです」
「……ふん。オレも、てめぇのことは少し分かったぜ」
「はは、光栄ですね。では、さらに仲を深めましょうか」
「あぁ? どういうこった?」
「こういうことです」
「ちょっ!? そこは……」
獅堂が声をあげる。
そして、2人は夕暮れの河川敷で愛を育むのだった。