125/171
125話 2番に強打者
「……2番に強打者? ヤンキーみたいな連中なのに、ちゃんとしたオーダーを組んでいるじゃないか」
龍之介が呟く。
2099年の今、プロ野球にはセイバーメトリクスが浸透している。
だが、高校野球は必ずしもそうではない。
1番が出塁して2番が送り、3~5番が帰す。
それが、高校野球のセオリーだと考える監督や選手も少なからず存在していた。
「油断できないね、龍之介」
「そうだな、アイリ。……しかしそれはそれとして、この試合は是非とも勝ちたいところだ。合宿の成果を試すには、絶好の相手だしな」
「うん。ボクもそう思うよ。だから……勝とうね」
「ああ!」
2人は頷き合う。
そして、7人全員で円陣を組んだ。
「俺たちの力を見せる時が来た! 全力で挑もうぜ!」
「「「おーーっ!!」」」
桃色青春高校野球部の部員たちは、気合いの入った返事をするのだった。