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122話 覇闘峯山高校-3
「っしゃあ! てめぇら、試合前に軽くノックするぞ!!」
「「おうっ!」」
覇闘峯山高校の野球部員たちは、一斉に守備練習を始めた。
意外と言うべきか、守備はしっかりしている。
「へぇ、やるじゃないか」
龍之介が感心する。
そんな時、1人の少女が近づいてきた。
「あの……りゅーさん?」
「どうした? マキ」
「だいじょうぶでしょうかぁ? なんだか、とっても怖そうな人ばかりですぅ。初めての試合ですし、ちゃんとできるか不安で……」
「心配するな。マキの実力なら大丈夫さ。打撃も守備も、しっかり練習しただろう」
「でもぉ……」
「それに、何かあっても俺がいる。君は、俺が守るから」
「……っ! りゅーさん……!!」
龍之介の言葉に、頬を赤らめるマキ。
そんな2人の間に割って入るように、アイリとノゾミが顔を出す。