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120話 覇闘峯山高校-1
桃色青春高校の合宿先に、1台のバスがやってきた。
おそらく、練習試合の相手となる高校の選手たちが乗っているのだろう。
そのバスから、1人の選手が降りてきた。
目つきの悪い、短髪少女だ。
「へへっ。オレは覇闘峯山高校の頭目・獅堂! お前らが桃色青春高校だな?」
「ええ。俺がキャプテンの龍之介です」
「へっ、弱そうな学校だな。くれぐれも気をつけるこった」
「気をつける……? 何をですか?」
龍之介が眉をひそめる。
すると、獅堂はニヤリと笑った。
「ああ。うちの連中は喧嘩っ早くてね。もしもの話だが……デッドボールでもぶつけられたら、どうなるかわからねぇぜ?」
「……ふむ」
凄む獅堂。
だが、龍之介は冷静だった。