117話 練習試合の件
「練習試合……ですか?」
朝の練習時間。
龍之介から話を聞いた少女たちは、揃って首を捻った。
「ああ。理事長が知り合いの高校に頼まれて、うちと試合をしたいって言ってきているみたいでな」
「ちょうどいいんじゃない? ボクたちの実力を測るのにさ」
「そうですね。まだ合宿2日目ですけど、なんだか上手くなってきている気がしますし」
アイリとノゾミが賛同する。
他の者たちも、異論はないようだ。
「寝食を共にすることで、絆が深まり連携が強化されたように思いますわね」
「某たちは、もはや魂で繋がった仲でござる。この絆があれば、どんな相手でも恐るるに足らず!」
「マキちゃんの……初めての試合ですぅ」
ユイ、セツナ、マキが盛り上がる。
合宿で伸びつつある自分たちの実力を、試してみたいようだ。
「みんなが乗り気になってくれて嬉しいよ。理事長にはその方向で話しておく。……さぁ、最終日の試合に向けて、練習を始めよう!!」
龍之介の号令に、少女たちが頷く。
最終日は練習試合。
その試合を見据えて、彼女たちはさらに練習に励んでいく。
もちろん、夜には大浴場や布団の上で絆を深めることも忘れないのだった。