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115話 翌朝-2
「おやおや、龍之介くん。昨晩はお楽しみだったようだね」
「っ!? あ、あなたは……!?」
後ろから声がして、龍之介が振り返る。
そこにいたのは、桃色青春高校の女理事長だった。
「理事長!? どうしてここに……?」
「ふふ、様子を見に来ただけさ。野球部は私の肝いりの部活だし、その成長ぶりをチェックしに来たんだ」
「そう……ですか」
龍之介が納得する。
すると、女理事長はニヤリと笑った。
「チームメイトとの絆も深まったようだね? 合宿の目的は身体能力や技術の向上だが、共に寝泊まりすることでこそ深められる絆もある」
「そ、そうですね……」
龍之介が引きつった笑みを浮かべる。
おそらくだが、理事長が想像している以上に深い絆が結ばれた気がする。