109/171
109話 冬合宿-5
「今日の練習は、ここまでだ」
日が暮れる頃、龍之介が告げる。
7人は汗をかきながらも、爽やかな表情だった。
「龍先輩! お宿に戻って休憩しましょう!」
「そうですわね! 早く温泉に入りたいですわ!」
ノゾミとユイが龍之介に駆け寄り、腕を絡める。
龍之介は2人の頭を撫でながら、他の少女たちに告げた。
「みんなも、汗を流してさっぱりするといい。大浴場に行くんだろ? 今はちょうど女性が入れる時間だったはずだ」
ここの旅館は特殊で、大浴場は一つしかない。
その分、とても広く豪華だった。
時間や日によって男女の入れ替えがあるが、今は女子の時間だ。
「はい! ちなみに、龍様は……」
「部屋にある風呂で軽く汗を流しておくさ。大浴場ほどじゃないが、そこそこ広いし十分さ。大浴場は、晩ごはんの後にでも使わせてもらう」
龍之介はそう告げる。
そして、少女たちを見送ったのだった。