美少女が家に押しかけてきた件
そろそろメインも投稿しないとまずいですよね…
わかってます
そのうち
「へえー、意外とちゃんとしてるのね。もっと家具の無い質素な部屋かと思ってたわ」
人ん家に半ば強引に入っといて、第一声がそれか。
「どんな人間だと思ってたんだ」
「あっ、ゲーム機発見!」
こちらの発言を全く聞いてない名取は、おもむろに視界に入ったゲーム機に近寄る。
「一緒にやりましょ!」
いきなり押しかけてきといて、そりゃないだろ。
ゲームはさっき優里と散々やったし。
大体もう飯時だし。
「これから夕飯なんだが」
「そうなの?じゃ、さっさと夕飯作りましょ。手伝うわ」
帰ってほしい気持ちでいっぱいだが、この感じだと帰らなそうだし、満足するまで付き合ってやるしかないか…。
「なにをすればいいのかしら」
やる気満々といった感じで袖をまくる。
「じゃあこの玉ねぎをみじん切りにしておいてくれ」
冷蔵庫から取り出した玉ねぎを名取の目の前に置く
「おっけー」
玉ねぎは名取に任せて、他の準備を進める。
今日の晩飯はちゃちゃっと作れる簡単な炒飯だ。
なぜ炒飯かと言うと、個人的に好きなのもあるが、一番の理由は作りやすくてうまいからだ。
1人暮らしにはありがたい。
「とぁっ!たらぁ!っしゃあ!」
卵やらなんやら他の具材を冷蔵庫から取り出していると、後方から変な声が聞こえてきた
その声に不審感を抱き、名取に目を向ける。
目線の先には包丁をまな板にすごい勢いで振り下ろしている名取の姿があった。
「ち、ちょ、ちょっと!何やってんの!」
「何って、玉ねぎをみじん切りにしてるのよ」
いや、どう見てもみじん切りの切り方じゃなかったぞ。
「その切り方は危すぎるだろ。もうちょっと優しく切ってくれ」
「優しくとかいわれても、包丁なんて滅多に握らないもの。切り方なんて知らないわ」
「普段料理とか作らないのか?」
「作らないわ。レンチンで終わるもの」
「だとしても中学の家庭科とかで習うだろ」
「あの頃は芸能活動が忙しくて、授業にはあまり出てないわね」
中学時代の名取のことは全然知らないけど、芸能人ってのはそんなに大変なのか。
「そうか…それじゃしょうがないか。ってなるか!」
「なら教えて頂戴。わたしに向かってそこまで言えるってことは、あなたは得意なんでしょう?」
あれから包丁の握り方や切り方を時間をかけてみっちり教え、なんとか炒飯を作り終えた。
「よ、ようやく…できた」
「なかなかおいしそうね!はやく食べましょ!」
俺の横でやり切った感を出している名取。
時間を確認すると、名取が家に来た時から2時間が経っていた。
道理で疲れるわけだ。
調理中の時とは打って変わって、テキパキと料理を運び始める。
それに続く形で、お茶とコップを持っていく。
名取は既に食卓についていた。
「「いただきます」」
長い調理を経て、ようやく夕食にありつく。