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無世界

作者: カタルカナ

 とぉーいむかし、世界はありませんでした



 あるのは無限にある粒子たち



 彼らはみんな好き勝手に飛び回っていました



 ある時、一部の粒子たちがしっくりきました



 状態が安定したのです



 安定した粒子の塊は徐々に数が増えました



 でも、その粒子はごく僅かなものです



 粒子たちはずっとそのままで居たいと思います



 ですが、安定しない他の粒子がぶつかって来ます



 だから粒子たちはとある方法を編み出しました



 それは、飛び回る粒子を強引に安定する形に組み合わせるというものでした



 安定を望まない粒子は抵抗しましたが、その安定を突破するのには時間がかかってしまいます



 そして永遠が過ぎました



 望まない粒子の抵抗虚しく、永遠の先でに全てが一点に集まることで宇宙が完成しました



 ですが、望まない粒子はここまでされたところでようやく抵抗が叶います



 結果、宇宙は膨張を始めました



 安定を望む粒子たちは彼らの事を理解できませんでした



 ですが、彼らもこちらを理解できない事を理解しました



 安定を望まない粒子たちは気が済むまで永遠に膨張を続けると言います



 安定を望む粒子たちは、今まで自分たちの気がすむまでやった事と、今は膨張を止める事ができない事から、取り敢えず言い分を受け入れる事にしました



 その裏で、望まない粒子たちが気が済んだところでいつかまた安定させればいいと考えていました



 宇宙は膨張します



 一応受け入れることにしましたが、安定を望む粒子たちはやはりその状態を好きになれませんでした



 ですのでこっそりと膨張する宇宙の中、望まない粒子たちの気がすむまでの安定を望みました



 そして星が産まれました



 ですが安定を望まない粒子はそれを好きになれず超新星爆発を起こします



 せめてもの安定と、その安定を望まない粒子たちはそれを繰り返させました



 そしていつかのこと、星の数は安定し始めます



 その頃から星は一定に生まれ一定に崩壊するようになりました



 この刹那の安定は、安定を望まない粒子の気がほんっの少しだけ済んだからでした



 ですがそれ以上は、宇宙に対して一定の割合以上の星は許しませんでした



 安定を望む粒子たちはそれでもやはり今の状況を好きになれませんでした



 それで生物が産まれました



 ですがやはり安定を望まない粒子はそれを好きになれません



 生物たちは死にました



 安定を望む粒子たちはそれの対応策を発明します



 それが子供



 生物たちは子孫を残せる能力を獲得しました



 生物たちはその能力により永遠の繁栄を手にしました



 安定を望む粒子たちは子ができるたび親から子供の中へ移動する事で彼らは不安定の世界で永遠の安定を手に入れました



 それとともに安定を盤石にするため、ある程度環境を安定させます



 それに対し安定を望まない粒子は環境を思い切り変化させます



 ですが、全ての生物が死ぬという事はありませんでした



 生物たちにはそれに適応する力があったのです



 この先にも環境の変化が起こりました



 そのたびに生物たちは適応し、いろいろな姿になりました



 その中には人間もありました



 そして生物たちはこの先も繁栄を永遠に続けるでしょう



 いつかの永遠の先



 安定を望まない彼らの気が済んだ瞬間



 無限の粒子だけになり



 世界がなくなるその時まで

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