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四期の手紙  作者: U-yoshi
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 ある日、バーへ出掛けると当然の様に彼女は居た。いつも通り彼女を交えみんなと飲んでいたが、今日の彼女は少しお酒の量が多い様だ。彼女は席を立ちしばらく戻ってこなかったが特に気にも留めず僕はそのまま友人達と会話を楽しんでいた。


 彼女は戻ってくると突然「隣いいですか?」と僕に言った。

 えっ、と思い彼女の席を指そうとすると今度は強く意思のある声で「隣いいですか?」と続けた。気迫に押されて、僕は「どうぞ」とだけ言った。


 隣に座った彼女の横顔はとても可愛く、こんなに可愛かった?と心の中で思う。そう言えば彼女に手紙を貰った事もあったなと思い返す。突然の展開と過去の記憶にぼんやりしている僕に構う事無く、彼女は隣に座ろうとする女性を断るなんて最低だ、と僕に厳しく教えていた。


「もっと二人でお話がしたい」と書いた手紙まで渡した相手に、あっちへ行けと言わんばかりの態度を取られたのだから憤慨するのも無理は無い。


 僕は大人しく彼女のお説教を聞いていた。


 彼女は自分を甘えたがりで寂しがりだと言った。あっちへ行け(実際は言って無い)と言われると悲しい、女は強そうに見えても本当は弱いのだから寂しい思いをさせては駄目。と、自身の恋愛観も交えて話してくれた。


 彼女は酔っているのか饒舌に話し続ける。お説教に加え他人の恋愛観など聞かされているにも関わらず、不思議と不快は無い。僕は黙って彼女の話を聞いていた。


 彼女とこんなにも深く話をしたのは初めてだろう。誕生日に手紙を貰ってからメールを少しやり取りするようになったものの、知り合って三年経つが彼女がいつもどんな話をするのか、どんな女性なのか全く知らなかった。

 僕が口を挟む余地も無く彼女は話し続ける。彼女の話は俄然自己主張で一方的なのだが何故か僕の中に浸透する。彼女の言葉ひとつひとつが何故か僕の中に残る。


 彼女は寂しがりだから好きになった相手とは、お揃いの物を身に付けたいらしい。「一緒の物を身に付けていれば、会えない時でも一緒にいる気がして」と彼女が言うので「じゃあ一緒に買いに行こう」と僕は言った。




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